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英語なんて怖くない ダリちゃんの居酒屋英語教室

アメリカには、日本風の「乾杯」の習慣がない?

 「ねえダリちゃん。話は変わるけど、アメリカ人は普段乾杯するの?」



ダリちゃん 「わしはアメリカの普段の日常で、日本人がよくやるような『乾杯』の習慣はないと思う。でも特別な時にはアメリカでも似たような習慣がある。例えば、わしらがビジネスの話をしていたとしよう。わしは売り手で、あなたは、バイアー。契約はまだ成立していない。話し合いののち、やっとのことで、契約成立にこぎつけた。あなたは『この値段でいいですね?』と。わしは『いいとも。500万ドルで』と言いながらグラスを『カチン』と合わせる。この時cheersと言ってもいいがたぶん言わない。ともあれ、cheersという表現を使うのは、ほとんど二人の時だけ。大勢のグループでは使わない」

I think, in everyday life in the U.S., there is no custom of kampai, as is frequently done among Japanese people. However, there are some rare cases of a similar custom in the U.S. For example, imagine we are talking business. I am the seller, you are the buyer, and the contract has not yet been decided. Finally, our contract is agreed. You say, “Is this price good?” And I say, “OK, good, $5,000,000,” with clicking of glasses. We might say, “Cheers,” but probably not. Anyway, we almost always use the expression, “cheers” with only two people, not among a group of people.



 「じゃあ、結婚式の披露宴なんかの時は、なんて乾杯するの?」



ダリちゃん 「結婚式の披露宴の時の乾杯はtoastと呼ばれる。大概はシャンパンでするけど、まさに、お祝いの場面だけどもね。乾杯音頭役が『皆さんにシャンパンはいきわたりましたか? それでは、お互いに良い生活を、子だくさんを、お互いたくさん恋愛もして、おめでとう!』とかいう。普通はToastやCheersなどとは叫ばない」

In a wedding reception party, there is a custom called a “toast,” usually with champagne. This is a very celebratory situation. In this situation, the master or toast giver says, “Does everybody have champagne? OK, Have a good life together, have a lot of children, and have a lot of happy sexual adventures together. Congratulations!” We don’t usually shout, “Toast” or “Cheers.”



 「なるほど。つまり、二人の時の乾杯はcheersで、グループの時の乾杯はtoastなんだ。でも、日本人みたいに『しょっちゅう』乾杯ばかりしているわけでなく本当に特別な時だけ乾杯をするんだ。それに、みんなで『かんぱ~い!』なんて言わないんだ」



ダリちゃん 「その通り!わしは日本でいう『乾杯』と”toast”や”cheers”は違う習慣だと思う。『乾杯』に相当するものはアメリカにはないので、当然『乾杯』を表す英語もない。似ているところは、みんながグラスを持って上げることぐらいだね」

Exactly. I think that kampai and toast/cheers are two different customs. The Japanese kampai has no equivalent in the U.S., and so, naturally, there is no English word for this. The only similarity between these two American examples and Japanese kampai is that everybody holds and raises a glass.



 「ダリちゃんはよく英語のクラスの生徒のおばちゃんたちと、飲み会をするけど、その時は日本式の『乾杯』だね」



ダリちゃん 「そうだけど……。でもよく乾杯するの忘れるんだ。飲み会の場面で生ビールのジョッキがわしのところに配られると、ついつい飲んじゃうんだ。よく『ダリちゃん、ダリちゃん、まだ駄目! もうダリちゃんたら~』って言われるけど。アメリカではね、食事や飲み物がみんなにいきわたるまで待つ必要はないんだよ。食べ物でもビールでも、前に配られたら食べたり飲んだりしていい。アメリカでは全然失礼には当たらない」

Yes,…But, I still sometimes forget to do kampai. In a nomi-kai situation, when I was served a mug of draft beer, I drank it immediately. Everyone says, “No, no, Dali-chan, not yet! It’s bad manners!” However, in the U.S., it’s not necessary for us to wait for everyone’s dishes and drinks to be served. We can eat or drink as soon as we please. We don’t have to wait for others. It’s not rude in the U.S. to do so.



キーワード 

celebratory: お祝いの

 
コメント
はじめは、私はまったくダリちゃんが何を言っているのかわからなかった。「アメリカでは、乾杯の習慣がないだなんて! アメリカ人も映画なんかでは乾杯してるじゃないか!」っていうのが私の思うところであった。でもよくよく聞いてみると、アメリカ人はcheersやtoastなんかを、日本人みたいに日常茶飯事にはしていないこと、そして何より日本での「かんぱ~い(英語で『ちあ~ず』や『と~すと』)」って声を合わせて言うことは普通ないことを考えると、日本の「かんぱ~い」は一つの文化・習慣とみなせるのではないかと思う。なるほど、アメリカでもグラスを手にもって上にあげてという所作は共通ではあるが、日本の「乾杯」はダリちゃんにとってはニュアンスが違うそうである。
また、会話の後半、ダリちゃんが「アメリカでは食事や飲み物が前に置かれたら、即、飲んだり食べたりしていいんだよ、他人を待つ必要はない」と言っていたのは印象に残っている。私はこのことはとてもいい習慣だと思うが、これがアメリカでのすべての場面でOKかどうかは、もう少し詳しく調査した方がいいかもしれない。

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