清子様の披露宴は午後4時から帝国ホテルで開催され、ハーフコースの夕食会だった。
欧州の王侯貴族の伝統的で格式の高いアフタヌーンティーの形である。
一般的なアフタヌーンティーは、スコーン、ケーキ、サンドイッチといった軽食付きのお茶会だが、王侯貴族のアフタヌーンティーは違う。
夕方から開かれるオペラや演奏会の前に食べる軽めの夕食という形だ。
天皇皇后両陛下は、「外国からの国賓や賓客のおもてなし」として、晩餐会や昼食会を主催する。
また、即位や皇太子の結婚の祝宴、饗宴の儀も両陛下主催の晩餐会や昼食会。
両陛下の主催する晩餐会や昼食会は、新婦の親という立場での主催であっても、「宮中晩餐会」「宮中昼食会」「饗宴の儀」に匹敵する格の高さとなる訳で。
降嫁し一般人になった皇女の披露宴には分不相応・・・という事で、天皇皇后でいらしたご両親の立場上、晩餐会、昼食会の次にあたるアフタヌーンティーの形で開催されたと考えられる。
ただ、
晩餐会→昼食会→アフタヌーンティー
という順番は、アフタヌーンティーを一般的なお茶会と考えた場合のもの。
王侯貴族の伝統と格式に則った帝国ホテルのアフタヌーンティー、ハーフコースを、単純に昼食会より格下とは判断出来ない。
また、晩餐会→昼食会→アフタヌーンティーという順番は欧米の文化。
日本は昼の会食より夜の会食の方が格上というしきたりはなかった。
むしろ、午前中に行事が開かれ、日中に食事会が盛大に開催される文化である。
皇女清子様に相応しい格の高い披露宴であった。