天皇ご一家が観賞されたことで、展覧会の開催に協力してくれたベルギー王国に対する日本側の感謝の気持ちや作家や作品に対する敬意はベルギー側にも充分伝わっただろう。
ご一家が観賞されたのは世界的に有名なベルギーの芸術家フォロンの展覧会だった。
ホームページには、
主催
後援
特別協力
等の記載があり、
主催には展覧会を開いた東京ステーションギャラリーの他に、
フォロン財団(ベルギー)
とある。
そして、
後援
ベルギー王国大使館
特別協力
ベルギー王国フランス語共同体政府 国際交流振興庁
とある。
つまり、この展覧会はベルギー王国が国を上げて支援していた訳だ。
ちなみに特別協力のフランス語共同体政府とは、ベルギーの3つある地方政府の1つ。
ベルギーは3つの地域が合わさった連邦国家。
中央政府の下、それぞれの地域にも政府があり、細やかな政策を行う。
コレクションを貸し出した側には賃料など相当な額の収入が見込めるとはいえ、人気のコレクションをまとめて長期間貸し出すのはそれなりに大きなリスクがある。
損傷や紛失の可能性。
日本の輸送技術は損傷の危険性を極力減らしたが。
コレクション不在の期間は目玉となる観光資源が無くなる為、コレクションを常時展示している地域に来る観光客自体が減少し美術館だけでなくカフェや土産物屋など地域の人達の収入が著しく減少する可能性もある。
芸術品の海外貸し出しは、作品や作家が有名で重要であるほどその国や地域の貴重な観光資源になっているだけに非常に難しいのだ。
そこで国単位の文化交流という形で貸し出し、リスクを無くす為の大規模かつ計画的な対応が必要となる。
フォロンの展覧会は今後も地方を回る事になっており、わざわざベルギーに行かずとも観られる貴重な機会。