SR*SEKISAWA REPORT ●●●●●

関沢隆美のカルチャー・レポート。

「物語は点・滅する」@妻木律子・木内里美

2004-06-19 | ■舞台レビュー
▼舞台芸術に関するレビューです。

宇都宮市在住のダンサー、妻木律子さんが開かれたスタジオ、
「BE・OFF」のオープニング・イベントのひとつ、
女優の木内里美さんとのジョイント公演「物語は点・滅する」に行ってきました。

                ■ ■ ■

ホールよい◎。木の階段状の座席。大谷石。間接照明。
いわゆる舞台袖はなく、ホール後方の、座席の両端の通路が袖の役割を果たしている。

フラメンコ教室から抜け出してきたような、ひらひらの目立つ
派手な衣装で登場の二人。

ダンスはよくわからないが、現代ダンスの流れからきているもののような
気がする。バレエとは違う流れのようだ。木内さんの断片的な
一人語りが、無秩序なエピソードの経過する時間ののなかに投げ出されて、
そうした意味で、「物・語は点滅。」している。

小さいころの思い出、宇宙船艦ヤマト?のワンシーン、
昔語りをする正座した女性、外郎売り(「拙者親方は~」という歌舞伎の文言ですね。発声練習でよく使われてます)。唐突な絶叫、などが点々と続いていく。
木内さんのときおり見せるユーモアのある演技がチャーミングです。

                ■ ■ ■

妻木さんがダンスをしているときに照明の柔らかい明かりがホール奥の大谷石の外壁に
あたって、伸びやかな影が三箇所ほど生まれては揺れ、それがダンサーの存在を柔らかく、しかし
強く、印象づける。効果的な視覚演出。

いわゆる連続したストーリーを持つという意味での演劇性は感じないが、
演劇的な表現手法と、モダン・ダンスの融合という点で、二人の卓越した
表現者による楽しく面白い試みのステージでした。
エクストラ・ステージ(本公演後)の、妻木さんのお弟子さんにあたる
若い女性のダンスも身体ラインの美しさを十分に生かされた素敵
なダンスでした。軽快な電子音楽によるBGMもダンスに絶妙にはまってました。

お二人はこれより栃木県内を巡回公演されます。

▼妻木律子さんの公式サイト。BE・OFFに関する情報もあります。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/ricchan/


■公演情報

「物・語は点滅する」
出演:妻木律子・木内里美

会場:ファイン・フィールド「BE・OFF」(宇都宮)

日時:

6月19日(土)19:00
6月20日(日)14:00