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何故? (ダニエル・ギシャール)

2011年04月27日 | 歌っているのは?
 震災に見舞われた東北地方のことを思うと胸が痛む。突然の大津波に襲われた三陸沿岸地域のことを思い浮かべると涙が溢れる。自然は何故,こんなにも酷い仕打ちで多くの人々のシアワセを一瞬のうちに押し潰し,虫けらのように蹂躙し翻弄するのだろうか? などと,まるで呆けたように嘆息するばかりの無力な老人,それが今の私なのだ。夜は未だ明けることがない。

 ダニエル・ギシャールDaniel Guichardの古い歌に《何故 Pourquoi?》というのがある。ずっとずっと昔,今から40年近くも前にNHKラジオの番組で聞いたことがあって,そのときの音源はカセット・テープに録音され,その後もしばしば好んでひとり口ずさんでいた。いわば一時期の《マイ・フェイバリット・ソング》なのであった。そう,こんな虫けらのごときワタクシにも若い時代が確かにあったのデス。

 いま,インターネットで改めて調べてみて,その歌詞はすぐに拾うことができた。長い歳月を隔てて懐かしさがジワリこみあげてくる。ただし,音源にかんしてはギシャール本人が歌ったものは見付からず,何故か唯一,どこかの知らないオヤジがギターをかきならして歌っているのが見出されたのみであった。でも,そのオヤジさん,一寸いい味出してるなぁ,なんてシミジミ感じながら,あらためて被災地のことを思う日々なのである。親兄弟や友だちを亡くして瓦礫のなかでぼうぜんと佇む少女らのことを思い,その絶望を少しでも希望へと導くための術さえ持たぬまま深更にひとり涙するメソメソ老人なのである。

 以下にギシャールの詞を全部書き写しておく。例によって稚拙な訳であることは平に御容赦願いたい。えーい,この期に及んで修辞学なんてクソクラエだ!


  どうして君は じっと佇んだままでいるのか?
  そんな所で ぼくの前で 何も話さずに
  一度だけでいいから 何故だか言ってくれないか
  少しだけでいいから ぼくに教えてくれないか

  どうして君は そこに佇んだままでいるのか?
  他の人々が楽しそうにしているのを眺めながら
  君はなにも言わないけれど ぼくには分かる
  その瞳をみれば 君が変わってしまったことが

    君は淋しい土地で生きている
    そこを訪れるものは誰一人としてなく
    君の愛は閉ざされている
    ぼくにはそれがよく分かる


  どうして君は そこに佇んだままでいるのか?
  やがて立ち去ってしまうことを告げようともせずに
  でも一度だけでいいから ぼくの言うことを聞いてくれないか
  それから後で踊りにでもどこにでも行けばいいさ

  どうして君は そこに佇んだままでいるのか?
  さあ,もっと近くにおいで みんな忘れるために
  君が立ち去ること すべてが過ぎ去ること
  そんなことは夜になって考えればいいさ

    君は淋しい土地で生きている
    そこを訪れるものは誰一人としてなく
    君の愛は閉ざされている
    ぼくにはそれがよく分かる

    君は淋しい土地で生きている
    そこには誰一人として訪れることはない
    ぼくは君を旅に連れてゆこう
    さあ,ぼくの手をつかむんだ!
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