デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」
7.2.2. レイアウトの緻密な計画 前編
美しく、状態の良い水草水槽をレイアウトするための第一歩は紙の上から始まる。アクアリアナー諸君には、実際に水槽内に水草やデコレーションを入れる前に必ず水草レイアウトのラフスケッチを書くことを勧める。このラフスケッチが多くの腹立たしい失敗や不必要な時間のロスを未然に防ぐのである。
水草レイアウトのためのラフスケッチの一例
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/83/26bb6d00b9c202df734ad277db272236.jpg)
1.バリスネリア スピラリス 2.ヘテランテラ 3.ハイグロフィラ
4.ディディプリス 5. エイクホルニア アズレア
6.エキノドルス テネルス 7.ウォーターウィステリア
8.ロタラ 9.ハイグロフィラ サリチフォリア 10.リムノフィラ アクアティカ
11.レッドリーフ バコパ 12. アポノゲトン クリスプス
13.クリプトコリネ パルバ 14.ラージ パールグラス
15.ミクロソリウム 16.流木・石
水草レイアウトのラフスケッチと平行して、水槽内の設計を行っていく。まず最初に決めなければならないのは、水槽の奥に手前部分よりも高く底砂が盛られたテラス(=ひな壇)を設けるかどうかということである。テラスを作る場合、そのテラスは砂利の清掃などの日常的なメンテナンスがやりやすいように十分に計算されたものでなければならない。我々はシリコンで接着した岩をテラスに用いている。
テラス手前の部分には任意の高さまで底砂を敷くことができるが、この際底砂の下に24ボルトに減圧されたケーブルヒーター=DuplaFlexと天然熱帯紅土=Dupla Rit Gをあらかじめ設置しておく。底砂を敷いた上にはパイン、オークなどの流木や竹材をレイアウトする。なお竹材は、淡水水槽内では3~4年程度で腐ってしまう。
その他のデコレーション素材としては、次のようなものの中から自由に選択すればよい。
●水槽に用いる石は、原則的に石灰分を含まないものでなければならない。石灰分の有無は塩酸によるテストで確認できる。石の上に塩酸を1滴垂らし、直ちに泡が生じるようならその石は石灰分を含んでおり、理想的な水槽のデコレーション候補として考えることはできない。
●玄武岩や粘板岩、花崗岩、火山岩などは石灰分を含まない石として知られており、理想的な水槽に非常に適している。しかし水槽のデコレーションをする際に、これらの石をただ闇雲に寄せ集めて使用することは避けなければならない。火山岩でレイアウトされた水槽に粘板岩は似合わないし、その逆も同様である。パイン材の流木は粘板岩よりも火山岩に似合うことも覚えておくべきだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/4b/e56edee34ce744d290d817093b53caed.jpg)
赤と緑、そして丸葉と細葉の対比が魅力的な水景を作り出す
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/8e/88bd36ab76ac21159caba8d832c85e89.jpg)
クリプトコリネの仲間は水槽内において最高度の連続性、
つまりすべての要素が非常に安定した環境を求める。
写真はCryptocoryne Bekettii(クリプトコリネ・ベケッティ)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/ae/b8a4d2130090144824bd2e04e76ab21a.jpg)
計算された美しい水景。前景のEchinodorus tenellus
(エキノドルス テネルス)が存在感を発揮している。
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