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「理想的な淡水水槽」 10.2.5. 酸素とドライフィルター 前編

デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

10.2.5. 酸素とドライフィルター 前編


この章で述べてきた酸素の話題に関連するのだが、ドライフィルターを使用している水槽中の酸素濃度は非常に興味深い反応を示す。酸素濃度測定器とレコーダーにより水槽内の酸素濃度の変移を正確に記録すると、それをはっきりと確認することができる。

ドライフィルターと酸素との関係を研究するために何年にも渡り我々が行った実験では、下の写真1の水槽が使用された。この水槽は155cm×75cm×高さ60cmで、底床からオーバーフローの取水口までの高さが55cmあり、総水量は700ℓである。照明として3基の150Wメタルハライドランプ(HQI)が設置されていた。

水槽内にはヴァリスネリア、サジタリア、パールグラス、エキノドルスなどの仲間の他、アヌビアス・ナナ、コブラグラス、タイガーロータス、クリプトコリネ・ポンテデリフォリア、クリプトコリネ・パルバ、クリプトコリネ・アフィニス、クリプトコリネ・ウィリシー、クリプトコリネ・ペッチーなどが植えられ、どの水草も非常に状態良く育てることができた。

この水槽にはフルドライフィルターが設置されていたが、水槽設置後一年で取り外された。

この間WTWの酸素濃度測定器「Oxi191」とレコーダーによって、水槽の酸素濃度が精密に記録された。下の表の赤いラインが示すように、この水槽の酸素濃度は飽和率50%(照明点灯直後)から、135~140%(照明消灯直前)の理想的なカーブを描いていた。

この緩やかな酸素濃度のカーブは、構造上の様々な制限下にある生物環境に見られる典型的なものである。ドライフィルターの取り外しなどによるものは除いて、酸素濃度の激しい変化(良好なガス交換のために重要な役割を果たしている)に欠けているのだ。常に動き続ける自然の河川で測定を行った場合、もちろんこのようなカーブを描くことはない。



写真:酸素濃度の研究を行った水槽。





表:実験水槽における酸素濃度と飽和率の変化




※10.2.5. 酸素とドライフィルター 後編へと続く



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