ペルテス闘病メモ

ペルテス病と診断された息子と家族の闘病記録を残す。

術後2日目と3日目

2004-09-11 22:38:28 | Weblog
昨日は更新をサボってしまった。妻のメモ(術後2日目)を残す。

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面会時間より30分早く着いたが、病室に入ってしまうことにした。まだ院内学級の先生が授業らしきものをしていた。今週は術後だからお休みと聞いていたのに、なぜ?と思いながら様子を見ていた。授業とはいっても、お勉強ではなく、カゴを作っていた。というか、作ってもらっていた。なにせ、寝たきりなので糊付けなどは出来ない。配色を息子が決め、あとはちょっと手をそえる程度のことをしていた。なかなか素敵なカゴが出来あがった。

昨日苦しんでいた喉の痛みは取れたようで、ごはんも2/3くらい食べた。子供の術後の回復は早いというのは本当だなあと喜んでいるのもつかの間、「お母さん、痛い」と言い出した。足が痛み出した。初めはそれほどでもなさそうだったので、様子を見ていたが、痛みはどんどん増してきたようで、言葉を発せず、ただ大粒の涙がこぼれてきた。ナースに相談したが、昨日と同じ事を言われ、寝る前までがまんしろとのこと。氷で左足を冷やすだけだった。しばらくがまんしたが、いよいよ耐えられなくなったので、やはり座薬を入れることになった。今日は1回目の座薬で、術後のこの時期は毎日6時間ごとに使うことに問題ないのでokという話だった。寝る前にこだわらずに、苦しいときにはやわらげた欲しいと思うのは間違いなのだろうか?30分もすると痛みが和らいできて、DVDを見たいと言い出した。今日は病院へ来る前に「999」と「ピノキオ」を借りてきた。スリーナインは気分じゃなかったらしく、ピノキオを英語で見ることになった。実は今日この病室にいるのは息子だけ、個室状態なのだ。4人は退院してしまい、残る一人は週末外泊。小児病棟で一番うるさいといわれているこの部屋がシーンとしていることは寂しくも感じるが、ビデオ鑑賞にはもってこいで、英語でボリュームを大きくしても問題なし。痛みが抑えられたこととあわせて久々の英語ものをみられたので、うれしそうで、しまいには声を出して笑っていた。これから何本のビデオを借りるんだろうか?こんなに笑ってくれるなら安いもんだ。ただ、いまの息子には笑いすぎもつらい。笑うと足に響いて痛いらしい。でも、見たいというので最後まで見させてあげた。

途中、ギブスが背中にあたって痛いといって、綿を入れてもらった。寝たきりでいると、中の綿がうすくなってきて、ギブスのかどがあたってくるそうだ。ギブスといえば、今日午前中にギブスカットをしたそうだ。傷の様子を見るためにその部分だけカットしたのだ。そのとき、出血を見るために関節に入れていたチューブも抜いた。それも痛かったらしいのだが、それよりもなによりもギブスを電動ノコギリで切るときの恐怖といったら、尋常ではないらしい。いつもがまんする息子もそのときばかりはかなり泣いたということだ。そのあとの検温は37.9度にあがってしまったらしい。(4時には36.7度)
夕飯は昨日お願いしてあったのでお粥になっていた。今日は食べる気があるみたいなので口に運んであげると二口ぐらいでイヤだと言い出した。おかずも一口ずつで嫌がった。味が無いのが原因だ。今日は個室状態、売店へ走った。塩とマヨを買って戻った。うそのように食べた。そのかいあってか、うんちをしたくなった。が、これも息子にとってはおそれていたものの一つだ。「力を入れると、足が痛くなるから怖い」と言う。またも、涙目。でも、このまま5,6週間もしないわけにはいかない。看護婦さんを呼んだ。ベッド用便座を使う場合、腰を持ち上げなければならないが、それは出来ないと本人がいうので、手術前に買っておいたフラットタイプのおむつをお尻の下に滑り込ませた。(このために用意したのか…。今はじめてわかった)終わったら教えるように言ってカーテンを閉めた。しばらく待ったが、今回は不発に終わった。
おなかの動きを良くする為に、湯たんぽで温めた。明日でなければそれなりの対処が待っているとか…。次は歯磨き。磨かせるのは簡単。問題は、ぐちゅぐちゅぺ。寝たままで水を含ませるのも、吐かせるのも難しい。パジャマを少し濡らしてしまった。「かんごふさんも下手だったよ」と事実であろうなぐさめを言ってくれた。着替えは苦痛の一つだから、むやみによごしてはいけない。明日からは気をつけよう。

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術後3日目

痛み止めの座薬をやめているが、じっとしているかぎり痛みは感じなくなった。指相撲をやるぐらい元気になってきた。笑顔も多かったが、面会時間が終わるころには「テレビが面白くない」とイライラしていた。


術後1日目

2004-09-09 23:33:21 | Weblog
今日は妻からの手記を残す。
匿名のため名前は「息子」に置き換えた。

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病室を覗くと目が合って、息子はみるみる涙目になってしまった。手術から一人で頑張って、がまんしてきたんだなぁと思った。ちょうど体拭きをするところだったので、私はカーテンの外に出されてしまったが、カーテンの上から覗かせてもらった。学生さんとその先生とナースの三人がかりで、着替えと体拭きをするのだが、少し体を動かすたびに息子の顔が激しく歪んでとにかく痛そう。(夫注:学生さんとは研修中の看護学生。ナースに「学生さん」と呼ばれている)「いたい~」と口は動いているのに声にしないから作業している人には気付かれないようなので、私が「痛いの~?」と声をかけると、そーっとやってくれた。それでも痛いようだったけど、タオルでなでる程度の事しかできなかった。
その後も息子はしばらく痛くて涙をポロポロこぼしていた。この時ばかりは本人の前で私も泣いてしまいそうになったが、ぐっとこらえた。そのうち息子が始めて声を出して私を呼んだので聞いてみると、「おしっこのくだが気持ち悪い」ということだ。ナースに聞きに行ってみたところ、昨晩も息子はその事でナースコールをして、注射器でおしっこを抜くという作業をしたらしい。それでもずっと不快感が続いていたみたいで、とにかく辛そうなので先生の許可をもらっておしっこの管を抜いてもらうことになった。でも、今度は抜くことが怖くなってしまって、「それは、痛いの?」と言って、泣き出してしまった。なだめてやっと管を抜くと、やっぱり痛かったようだ。しばらく泣いていた。
少しして、「おしっこする」と言ったのでナースを呼んで容器におしっこをすると、すっきりした様子だった。管のつらさは私もよくわかるから、私まですっきりした。(夫注:妻も導尿経験あり)
点滴のブザーが鳴った。水分補充のための薬がなくなったためのものだった。これが最後だったので、点滴の機械は持っていかれたが、まだ朝晩の抗生剤は続くので針は腕に刺したままだ。その時も、「次は何をするの?痛いことなの?」と心配そうに聞いていた。とにかく、痛いことにおびえている状態だ。
唇がとてもあれているので、ナースセンターでプロペトという薬をもらってきて、塗ってあげた。楽になったらしい。
少しずつ色々な事が楽になってきているが、足はやっぱり痛いらしく、「イタイイタイ」と言うのでナースに相談したところ、朝9時に座薬を入れて6時間たっているから次の薬を入れてもいいが、寝るころに入れたほうが夜が楽になるので、もう少し我慢するように言われた。しばらく様子を見たが、どんどん痛みが増してきたので、座薬を入れてもらった。私も見ていたが、座薬を入れる瞬間、なぜか息子は笑った。手術以来はじめてみる笑顔だった。そんなに気持ちがよかったのかな?
しばらくすると、座薬が効いてきたのか、うとうとしはじめた。そういえば、昨日は青白かった顔色が良くなっている。ただ、熱があったせいか、王子様の目をしている。(夫注:息子は風邪をひくと二重になる。それが王子様風の雰囲気をだす。)
そのまま寝に入ると思ったが、次は「背中がかゆい」と言い出した。手を入れても届かない。ナースに行ったが、がまんしろとのこと。それを伝えると、怒った顔をしていた。
ごはんがきた。「のどが痛いからイヤだ」といって食べない。(夫注:手術中に急な酸素吸入に対応するため、太い管を口に突っ込まれていた)飲むことも出来ない。おなかは空いているみたいで、おかずを気にしていたが、ゴクンとすると痛いから、今日は食べないことにしたようだ。が、「あめならなめる」というので、こっそりメントスをあげた。
手術のとき、何か夢を見たの?と聞いてたら、「針を頭から足まで刺していく夢を見たんだ。」と。もう、こんな思いは二度とさせたくない。(夫注:その次に見た夢は骨を切られるものだったらしい)

手術

2004-09-08 22:36:27 | Weblog
いよいよ手術当日、息子の希望もあって10時に病院へ行った。

昨日の手術の説明では涙ぐみながら説明を聞いていた息子は、今日は比較的元気だった。12時半に麻酔を効きやすくするための筋肉注射をして、1時に手術室へ入った。4時ごろに手術室の教授先生から呼ばれ、窓口で手術後のレントゲン写真を見せながら、「発見が遅かったので、これでせいいぱいです。」と説明を受けた。骨は切断され、補強のための金具とボルトが3本写っていた。

手術後の処置を受けて、病室へ戻ってきたのは5時ごろだった。点滴の管と、血を抜く管、おしっこを抜く管が装着されていた。しばらくぐったりしていたが、目を覚ますとあまり声は出ないが非常に痛がり、痛み止めの点滴をしてまた眠った。まったく起きる気配が無いので、後ろ髪を引かれながら病院を後にした。

1週間ぐらい痛みは続く。6週間でギブスをはずす予定。

手術はやっぱり水曜日

2004-09-06 21:07:18 | Weblog
担当医師である教授先生から手術の説明を受けた。そして手術の同意書にサインした。

手術時間は1時間程度、その後ギブスの処置などがある。出血は200ml程度が予想され、回収して50mlぐらいは戻すことが出来る。輸血の必要はないだろうとのことだった。開くのは5cmで、骨を切断して回転、隙間をもたせてチタンとボルトで固定する。6週間のギブスの後、リハビリ、装具をつけて歩けるようになったら退院となる。装具は3~6ヶ月使用する。

当初予定では木曜日だったが、麻酔科の関係で水曜日の午後一に変更になった。

請求された8月の入院費(8/23~31)は、26000円ちょっとだった。これに国から支給される育成医療費が含まれているのかはまだよくわからない。

手術は木曜日

2004-09-03 00:28:11 | Weblog
連絡ミスで、手術は九日木曜であることがわかった。

思えばこの病院では連絡ミスが多い。担当医による手術の説明も午後6時ではなく5時だった。こういう小さいミスの積み重ねが医療事故につながるんだろうなと思う。