

補償する危険によって、損害が生じても、一定の率または額に達しない損害については、補償しませんという方式のものがあります。
この方式を小損害免責※1といいますが、この小損害免責には、フランチャイズ型とエクセス型があります。
フランチャイズ型は、損害が一定割合または一定額に達しない場合は、まったく補償されませんが、それを超えた場合には、損害を全額補償する方式をいいます。
エクセス型は、損害が一定割合または一定額を超えない場合はまったく補償されず、それを超えた場合には、免責金額を差し引いて、超過した額だけを補償する方式をいいます。
火災保険の補償で、風災・ひょう災・雪災(以下、風災と表記)がありますが、風災の場合は「損害額が20万円以上になった場合に保険金をお支払いします」とパンフレットや約款等に書かれています。※2
これが、フランチャイズ型の小規模損害免責方式です。
それに対して、自動車保険の車両保険の免責金額は、エクセス型になります。
まずは、この2つの契約方式を理解しておきましょう。
※1.最近では解りやすくするために免責金額を自己負担額というふうに表現している保険会社が増えています。
※2. 最近の新しい総合保険では、自己負担額のない実損型のタイプを選択できるものも増えています。

「フランチャイズ型 免責20万の場合」
損害額が5万円の事故 → 支払保険金 0円

損害額が10万円の事故 → 支払保険金 0円

損害額が50万円の事故 → 支払保険金 50万円

「エクセス型 免責5万の場合」
損害額が5万円の事故 → 支払保険金 0円

損害額が10万円の事故 → 支払保険金 10万円-5万円=5万円

損害額が50万円の事故 → 支払保険金 50万円-5万円=45万円


これは、保険金額に免責をつけるのではなくて、入院日数に免責を付けたものです。

「フランチャイズ型 20日免責の場合」
4日入院の場合 → 支払給付金 0円

10日入院の場合 → 支払給付金 0円

30日入院の場合 → 支払給付金 30日×給付金日額=30日分

「エクセス型 4日免責の場合」
4日入院の場合 → 支払給付金 0円

10日入院の場合 → 支払給付金 (10日-4日)×給付金日額=6日分

30日入院の場合 → 支払給付金 (30日-4日)×給付金日額=26日分

注)フランチャイズ型の場合は、実際は免責という表現が使っておりませんが、エクセス型との比較で解りやすくするためにあえて、免責と表記しております。ご了承ください。
