相談コーナーです。
今回のテーマは「集中力」です。
父母:年少の男子です。うちの子は集中力がなく、勉強していても5分ももちません。どうしたら集中力がつきますか。
私:オギャーと生まれたときに、集中力があって、何か集中して取り組んでいますか?
そんな赤ちゃんがいるわけないですよね。つまり、生まれつき集中力のある人はいないのです。集中力のある人もみな生まれた後に集中力を培ったのです。
ところで、お子さんが好きなことには5分以上集中できていませんか?
父母:好きなレゴブロックは数十分でも集中してやっています。
私:そうですね。大人でも休日に好きな本を読んでいると、周囲が暗くなっているのに気づかないということがありますから。
父母:うちの子は勉強が好きじゃないので・・・・
私:そうですよね。勉強が嫌いだから集中できない。集中できないからますます勉強がすすまず、嫌いになる。悪循環ですね。
父母:どうすればいいんでしょうか。
私:この悪循環を断つには、「我が子を良き方向に絶対に変える。」という親の「覚悟」が必要です。「子どもが集中できたらいいなぁ~」とか、まだ「小さいのでしかたがないね~」とか思っているだけですと、子どもはずっと変わりません。
父母:小学校受験をするのでそんなふうには思っていませんが・・・・
私:だから、相談されているわけですから。失礼致しました。
結論から言えば、集中力は習慣で身につけるのです。
題して「○○君の集中力アップ作戦!」
まず、好きな科目(問題)から作戦スタートです。好きな科目(問題)のお勉強を5分だけ集中させます。文字通り5分間は脇目もふらずに勉強です。5分の間に「トイレ」、「のど乾いた」と言ってきても、5分が終わるまでは我慢させます。もちろん、問題とは無関係なおしゃべりもさせません。とにかく集中。5分たったら休憩(break)です。これを何度も繰り返します。何度も繰り返すことで子どもも5分間を身体で憶えます。
これを毎日3週間続けます。3週間続けると習慣化されて、それ以降はそう苦労しなくても5分間は集中するようになります。
父母:たった5分でいいんですか?
私:初めの3週間は5分でいいのです。いままで5分も集中できなかったお子様が5分間は我慢して勉強できるようになるのですから、うんと褒めてあげて下さいね。
何かを習慣づけるにはこのように「スモールステップ」が良いのです。
次の3週間は毎日10分集中を繰り返します。その後の3週間は毎日15分集中を繰り返しますです。こうして3週間で5分ずつ増やしていくと18週間後には30分集中できるようになるのです。
父母:18週間(4ヶ月半)ですかぁ、大変ですね。
私:だから覚悟が必要なのです。真に子どもを良き方向に変えたかったら、先に親のほうが意識も行動も変えるのです。それをせずに子どもだけを良き方向に変えようとして、いくら叱っても、結局、何も変わりません。「相手を変えたかったら、先に自分から変わる。」(「人を動かす」、「道は開ける」byディール・カーネギー)は親子関係でも当てはまるものです。
父母:わかりました。やってみます。
私:そうですね。そうすると今のお悩みもきっと氷解しますよ。
★以上は「ちょっと落ち着きがない程度のお子様」を対象にした作戦です。
学習障害等の病名がつくようなお子様にはあてはまらないと思います。ですので、そういう場合には専門の医師に相談して下さいね。