元外為インターバンクディーラーが読む株式市場

日経225を中心に、唯物弁証法的に株式相場を読み解く大胆ステキなブログ!

6/24 ダウのフィボナッチ

2007-06-24 20:08:31 | Weblog
先週金曜日の日経平均は、前日比51円安の18,188円で引け。
結局先週一週間は5本の日足全てがアイランドになっており(先々週における高値18,007円にタッチしていない)、これがアイランドではなく、単に上放れだと言うためには今週以降も18,007円など付けずに堅調に推移しなけければならないところ、それは週末のダウの深押しで望み薄な状況になっている。
先週木曜日は猛然と買い向かった乱暴者がいて終値で今年の高値を更新こそすれ、先週後半(水木金)を並べてみれば結局上値・下値共に切り下げ日足パターンで終わった。

当ブログでは平均18,240円の売り建てノーマル一枚の買戻しはラッキーにも半分に留め(18,200円)残りは週越えとした。そこで再びポジショントークに聞こえることは承知しつつも、また依然として上に用があるとの意見を継続しつつも、できるだけ“唯物的”に当面下押しするとの材料を集めてみよう。

①金曜のダレは単に、7連騰・9勝3敗などを回避するための極自然な一服に過ぎないということもできる。しかし陽線は静かに積み重なっており既に8日連続で、上記上値・下値共に切り下げ型パターンと相俟って、買い疲れの兆候が出ている。

②2月の急落で懲りたのか、それ以降の上げは極めて保守的で、小ぶりなセッションに小分けして下値を切り上げているところ、先週の18,297円はワンセッションの上げ4.0%で十分であるばかりか、25日線上方乖離も不足はない。

③上のほうでは、“すわっ、ダブルトップか”の不安がよぎり、下のほうでは“そういえば3空のままだった”の懸念が蒸し返されるといった微妙な立ち位置である。25日線が上向いて以降、一旦上放れしてから25日線位置に舞い戻ってくるまでに概ね5~10日間が必要なパターンであるところ、今回は既に7日間経過しており、来週前半に25日線位置(来週は17,900円台か)に絡む可能性が高い。仮に5月末の上放れで中心値が18,000円に移動してその上下300円となったと仮定すれば、最大17,700円台まで下押ししても不思議ではない。例の下方線は来週17,600円台であり、700円台までの下押しは“押し”の呼称のままで問題はない。

④以前にも言及したかもしれないが、近年、上げ下げのサイクルは12ヶ月サイクルとでも呼ぶべきものになっている。12ヶ月上げては小休止であって“下げ”とは限らないので“上昇12ヶ月サイクル”かもしれないが、大底2003年4月の7603円→2004年4月の12,195円、2005年4月の10,770円→2006年4月の17,563円、2006年6月の14,045円→2007年6月のX(18,297円)(仮定)といった具合である。本当は今年2月に18,300円があるが、あと一週間で(6月中)この3円を解消しザラ場高値更新することもある得るだろうし、3円の違いについて何をかいわんやと言うこともできるだろう。

ところでダウについては予想通り週足で、高値圏での上値切り下げパターンが確定した。またこの6週間は週替りで陽・陰・陽・陰・陽・陰となっている。
これまで日足でも週足でも綺麗に上方倍返しを繰り返してきて、特に週足で今年2月の12,795→今年3月の11,939の上方倍返し=13,651(12,795+856)に対して、今月初めの史上最高値13,692はほんの41ドルのオーバーシュートで今回の倍返しは完了した。

確かに、直近の週足の上値切り下げパターンはこの一旦の達成感によるものに過ぎないかもしれないし、その直前に7週連続陽線をやってのけたことから来る休憩なのかもしれない。またこのクドイまでの陽陰の繰り返しも不吉というほどのことはない。しかしこの週替りが上値切り下げパターンを伴うものであることは大いに警戒しなければならない。更に気になるのは、タイムターゲットというかフィボナッチレシオというか黄金比率といか、要するに日柄である。

月足でみた場合、なるほど今月はダウの前回の高値(2000年1月・11,750ドル)から数えて89ヶ月目であり、2002年10月につけた底(7,197ドル)から数えても55ヶ月目に該当するようだ。この89も55も神秘めいたフィボナッチ数列の一部である。単に“一部”といっても55も89も若い数字ではないので注目に値するし、38.2や61.8の黄金比もかなり正確に妥当する(この数列は、最初と二番目の数字をともに1として、隣り合う数字の和を次の数字にするものであるから1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,,、55/144=0.382,144/233=0.618,55/34=1.618などとなる)。

日米共に短期を除いて主要移動平均線は大抵上向きであるから、この段階で特に売りを推奨するものでは決してないが、極小波動では売りに妙味があり、今後の展開如何では“あの18,297円が二番天井だった”と回顧することになるかも知れない程度に考えておこう。





6/21

2007-06-21 22:18:14 | Weblog
今日の日経平均は、小幅の28円高、18,240円で引け。
ザラ場での更新に失敗し、終値でのみ高値更新という事態がどれほど重要かは知らないが、前夜アメリカダウの三桁台安にも拘らず、アメリカ株価追随性において世界でドイツと一二を争う日経平均がプラスで引けたのであるから一応、猛然と買い向かった向きには敬意を表しておいていいかもしれない。

損切りには至って淡白な当ブログで昨日一時150円アゲンストになっていた18,170円での売り建ては、今日の寄り付き近辺の18,120円で買い戻ししたまではよいが、流石に200円台は売っておいてもよいだろうと、18,200円・280円でミニで売りを指して出かけていたら、両方ともできていて少しビックリという感じの一日であった。特に今売りに肩入れしなければならない局面とは言い難いのでダウ続落でもなければ、明日にでも淡白に買い戻そう。そのダウは一応日足での上値切り下げパターンはなくなったが昨夜大きくダレたので週足ベースでの上値切り下げパターンは確定し易い方向へ。

ここまで“押し目”をインフレさせているのが誰だか知らないが、先週までの買い主体に変更がないとすれば“外国人投資家”という雲を掴むような曖昧模糊とした一群だろうか。7月に入れば既に夏枯れムード先取りというのか、気分はもう避暑地でのバカンスであり、オフィスの椅子から腰が浮き始めるようであるから(たぶんにイメージ先行でよろしくないか?)、6月の今のうちに一応のノルマを達成するための種をできるだけ蒔いておこうという算段だろうか。そうだとすれば彼等は妙に政局などを気にするものでもあるから、参院選中に収穫するつもりで臨んでいる可能性もあるだろうか。

そんなことはどうでもいいが、どうせここまできたら細かいことなど気にせずに8連騰とか10日連続陽線とか派手にお買い上げ頂きたい。あと2,3日上げ続けても精々18,400円台止まりであるならここから買い始める妙味は如何ほどであろうか。日々ノーマル数十枚で相場張ってる勇猛果敢で忙しい人ならイザ知らず、普通にはハイリスク・ローリターンでしかない。

6/20

2007-06-20 22:11:10 | Weblog
今日の日経平均は、高値18,297円あっての前日比48円高の18,211円で引け。
これはザラ場ベースでも終値ベースでも今年二番目の高さであり、このような過熱感のないジリ高の典型のような動きは売り方にとっては暑苦しいことこの上ないだろう。

しかし実はそんな他人事のようなことを言えないのが昨日の寄り付き18,170円でミニを売り立てた当ブログであり、ロットの小ささはさておき、涼しい顔をしているわけにはかない。そこで、3週間ほど前に指摘したとおり今年は19,700円方向狙いで変更はないとしても、ここはポジショントークとして一旦ベア方向の材料を見てみよう。

今日で5日続伸・6日連続の陽線。サイコロジカルは8勝4敗にすぎず、これは明日もあげても不変であり、週末金曜も上げても9勝3敗になるだけ。しかし陽線があまり続くとロクなことにはならないというのは、今年2月に18,300円の高値を付けに行った直前の陽線10連続→その直後6日間で16,532円という奈落の底へ(今年の安値)、という例からも軽視できない。

今回の上放れ(5月末日)直前までのボックスが17,500円中心のプラスマイナス300円であってところ、それが放れ後は以前に指摘のとおり500円上方に移動して中心値が18,000円になった可能性は高く、そうであれば今日の高値は一旦の高値を見たとしても不当とはいえない。しかも今日のこの18,297円は前回指摘の“最近でのワンセッション”での上げ率4.05%にほぼ同率の4.0%である。アメリカダウの13,692ドルさえ早期に抜ければ18,400円台も容易なのだろうが、その頼みのダウも高値圏揉み合いで予断を許さない。

そのダウは戻り基調とはいえ、この3日間15ドルほどづつ上値を切り下げているし、週足で見ても(残り3夜を見なければ分らないが)、ここ3週間2ドルづつ上値を切り下げている(13,692、13,690、13,688)。今現在欧州は総じて高く、もうすぐ始まるNY市場もあっけなく上へ抜けるようであればすぐに消えるような根拠の薄いポジショントークなのだが、一応見ておこう。



6/17

2007-06-17 22:57:28 | Weblog
先週金曜の日経平均は、連日の中幅高・129円高の17,971円で引け。

水曜のザラ場につけた安値17,591円は例の下方線位置まで約50円の修羅場であったが、予定調和の如くそこから二日間で400円這い上がり危機を回避してのリカバリーで週末となった。
一時であれ600円割れなど予期していなかったものの、先々週・先週での投稿内容にさしたるハズレはなく、先週もとりわけ“上方向が妙に控えめ・下方向が妙に派手というバイアス”が掛かった週だった。

下値切り上げ型の相場展開は先週末で丁度1周年を迎えた。例の下方線の基点も、あの忘れもしない2006年6月16日の週につけた14,045円なのであり、今回のジリ高相場もその継続でしかないということもできる。1年も上昇が続いているのに過熱感が皆無なのは、この上昇が例の下方線(1日10円強づつしか上がらない)から一向に離れようとしないからである。一旦離れても結局はそこに誘引されてしまい、そうであれば離れ切ってしまわないほうが怪我がないとばかりに最近(今年3月の急落以降)ではもう1週間ベースですらこの下方線から4.9%以上は離れないでおこうと決意したかのようである。

このような決意は2ヶ月もシツコク続いた無風ボックス相場が上に放れても揺るぐことがなく、だからこそ先週水曜のような下ブレが起き、しかしそれでも例の下方線を破るような掟破りは犯さないでいるといった状態である。“きっかけは”体制翼賛テレビでもピムコのビルグロスの“国債は売りへ”の変節発言でも何でも良かったといえる。今のところ、この1年越しのジリ高状態に変化が生じる明らかな兆候はなさそうである。日本の長期国債利回りが2%を大きく超えてもなお実物投資の需要がふんだんにあるといった感覚はないし、アメリカでの5.2%以上においても同様ではないだろうか。

ただ日経平均を直近でみれば2空状態で、週末のアメリカの上げからすると明日月曜も放れて寄り付きそうな気配である。月並みながら3空は要注意としなければならない。最近のワンセッションでの上げの率をみると前回(17,370円から18,073円)の4.05%が最大で、最小が2.8%となっている(17,320円から17,802円)。今回をこれに当て嵌めて最大で18,303円となり3円ながら今年の高値更新となり得る。最小で18,083円で10円ながら戻り高値の更新となる。この最小ケースは明日月曜か明後日火曜にも容易な距離である。売り建ては要注意とはいえ、来週前半に一旦売っても危険ではないと考えておきたい。なお来週時点での例の下方線からの4.9%上方乖離位置は18,400円台であり、これが万が一急騰した場合の一旦の目安とすることもできる。

6/10

2007-06-10 11:15:35 | Weblog
先週金曜日の日経平均は、17,696円という700円割れを一瞬垣間見ての17,779円で引け(前日比274円安)。

先週の前半までは先々週の上放れに勢いづいた日本の“株価ナショナリズム”で踏ん張るものの、週末には結局はアメリカに逆らえないといった現実的諦めモードに逆戻りして終わった。公道上でジグザグデモを行うと違法になるようだが(道交法違反か)、先物取引で株価チャートをどう描こうがそれがどう相場秩序を乱そうが届け出すら要らず、自由に暴れても咎はないはずである。ただ哀しくも合目的的・自律主体的に動いている様子は全く窺われず(ランダムウォークというのかアノマリーというのか知らないが)、ひたすら体力・金銭を消耗するだけということが多い。

但し、先週は一応随分以前から言及していた“上放れすれば18,100円程度までは行くだろう”との窓、即ち18,073円を1円違わず達成し(水曜日)、その翌日の高値が18,053円までで息切れし(木曜日)、週末に待望の下押しがあり(25日線まで挨拶に出向く必要があったとは思われないが)、上方向が妙に控えめ・下方向が妙に派手というバイアスはありながらも、“想定内”のジグザグをこなして終わった。これはひたすら体力・金銭の消耗という無意義の動きとは断罪できるものではなく、むしろ株価実存主義的に見事な迂回とさえいえないだろうか(←多少難がある表現か)。

先週は特に長期金利上昇とか何とかを理由にしてアメリカ市場が大いに動き、売りでも買いでもオーバーナイトで醍醐味があったにも拘わらず、自分は風邪をひいていて全く投稿できなかったのが残念だった。残念だったが当ブログでは火曜日に堪えきれずに18,075円で9月物ミニを売り建てした。買戻しは翌日のほぼ寄り付き値の17,890円で、あっさり薄味の売買で遊んでしまったので言及するほどのものではないが、上放れ後の手詰まり感はいかにも顕著だったといえるだろう。

先週の先物の各高値に注目すると、月曜18,080円・火曜18,080円・水曜18,070円・木曜18,080円といった具合である。とうとう金曜には堤防が倒壊するかのように先々週の株価に里帰りして、その日足は5月末日のそれとほぼ同じとなり両者は陽線か陰線かの違いだけでしかない。ただこの状態が、想定された“17,100円前後(実質的には窓を埋めた位置から)までは上がるが18,300円を超えられないで膠着”という膠着状況に該当するというには1週間未満ではあまりに不足であって、未消化と思われる。

ネガティブに見れば先週の18,000円台示現をもって、ようやく18,300円に対する二番天井示現と見ることもできる。しかしまだ300余円ほどの距離がある例の下方線位置が割れない間は悲観する必要はなく、現状ではザラ場での17,700円割れ・17,700円台の終値も、多々見られるオーバーシュートの一例としておいて左程問題はないだろう。上がるにも下がるにもオーバーなジグザグは避けられない。

なお新興国の巨人アメリカは週末大幅に戻して終えているが(前日比1.19%高)、早期にせめて13,510ドル(2%級)への戻りが望まれるところ。来週はとりわけ長期金利上昇と相俟ってサブプライム問題が蒸し返される危険が高いので乱高下も覚悟しておくべきか。

外需がダメなら内需でとも言えそうだが、日経平均で19,000円台はおろか18,600円台はおろか18,300円台超えですら、“外需も内需も”の盛り上がりが必須であることを考えればあまり楽観もできそうにない。ボーナス増加とか今夏の猛暑予想とか設備投資盛り上がりもあるので、有利子負債の少ない内需系の個別銘柄群に照準を当てたスナイパーに徹するというのが無難なのだろうか。

6/2 今年の値幅は?

2007-06-02 22:21:35 | Weblog
昨日の日経平均は、順当な中幅高83円高の17,958円で引け。
一昨日は陽の丸坊主で、これまであまりなかった“終値でも上抜け”という文句なしの上放れを示現したのであるから、昨日のギャップアップは「当然」の部類に入る。

当ブログでは前回投稿日=今週月曜の時点で、17,630円での売り建ての処分予定を示しておいたが(今週は雑用が多く投稿できないと予め承知していた)、それ以降下押しは2日間あったものの持ち値から200円以上の下落はなく放っておいたところ、俄然自我に目覚めた日米株価(中国株につられない)といった風情の一昨日、売り増し無しの17,740円損切り買戻しとした。やはり、現にデットクロスもしていないのにそれを根拠に“勘”で先取りしてみても勇み足となるに過ぎない例が多く、今回もその一例となった。一昨日の遅くとも後場においてショートを放置していた向きまたは新規ショートとした向きは、株式市場のなかでは自身がお金を巻き上げられる側に立っているものと認識しておいたほうがいいのではないか。
但しそういう向きが参加しているからこそ損切りが可能ともいえるので、そういう呑気な人は無くてはならない存在でもある。

長らく続いた無風相場が一昨日に終わった以上、3月高値の18,300円超え引けを目指す展開に入ったのだろう。現実に超えればITバブル期の200年5月の18,600円プラスマイナス1%あたりまで邪魔者が見当たらない。例の下方線は今や遠くになりにけりなので大崩の心配は不要となり、そうであれば所謂“押し目買い”手法が邪道ではない局面になったと言ってよい。中国株はバブルだ・もう危ないなどとの警戒心が市場に浸透していて、現に数ヶ月毎にほどよい調整を繰り返している間は、もうはまだなり原則が十分に機能するともいえるだろうか。

細かく見れば、仮にここから一気に18,100円程度に上げて窓を埋めたとしても、その“一気”は精々500円台強の上昇でしかなく(17,500円台からなので)決して非現実的なものではなく、もし悲観的に構えて下押しに大いに警戒すべきとすればその窓埋め後ダラダラとして18,300円を終値で越えないといった状況に嵌り(例えば再度、中心値を18,000円に上方修正しただけの無風相場に逆戻りなど)、そうこうしている間に例の下方線は18,000円台近くまで競り上がり、ダウは13,900ドル近辺を一息でつけ切り、万事休す、のような事態だろうか。

確かにPERベースで日本株が18,000円台では特に格安ともいえないだろうし、「資産バブル」「世界同時ITバブル」の次の相場の柱またはバブルの根拠が「外需関連バブル」とか「新興国頼りバブル」ではいかにもみっともない。しかし今年のこれまでの年間の値幅は16,563円から18,300円となっており率にすれば11%の変動に過ぎない。以前にも書いたかも知れないが、2003年4月の大底以降の年間値幅は、03年48%・04年19%・05年53%・06年25%であり、これらの年間値幅平均32%と比してこの11%はいかにも未完であり、カレンダーベースで1年の半分を経過しようとするに過ぎないこの6月なので、相場はこれから始まると言っても過言ではなかろう。仮に今年が04年と並ぶ無風相場年となるとして19%と想定しても3140円は動かなければならない計算であり、16,532円を今年の底とみれば上は19,700円近辺まで、18,300円を今年の天井とみれば下は15,160円近辺まで、動かなければならないはずである。

ここ2ヶ月に亘る無相場を経てようやく出た回答が上放れである以上、依然として曲折はあるも、更新されるべきは18,300円側との推定に分があると見て、ショートポジションは極力控えるべきと考える次第である。