つい先程あったお話。 帽子を目深にかぶった女性がお店に入ってきました。 ひとしきり見てまわったあと、両手にはぽれぽれゾウが１頭、ぽれぽれ親子ゾウが２頭の計３頭のゾウが乗っていました。
「これ、ゾウの家族に見えます？」
「そうですね、３頭とも顔が似ているので並べて置けば家族みたいに見えますよ。」
確かにすべてぽれぽれ動物で大きさや手触りからいってもゾウの一家として通用するので、そのように答えました。
今度は自分の方から、
「ゾウがお好きなんですか？」と聞いてみました。
そうするとその方の表情が少しずつ崩れていき、瞳から涙がこぼれ落ち始めるではありませんか。
「私、そこの病院でガンの治療を受けていて、今日やっと退院できたんです。 いままで抗がん剤治療や色々な注射をされて本当につらかったんです。 帰り道に何気なく通ったこのお店の前においてあったゾウの置物がかわいくてお店に立ち寄ってみたら、この木のぬくもりに癒されて．．．ごめんなさいね、初めて会う方にこんな話をしてしまって．．．」
ハンカチで顔をぬぐいながら、その方は話されました。
ウチで扱ってる動物たちがそんな風に役に立つなんて今まで思いもしなかったのですが、この話を聞いて動物の癒しのチカラ、木のぬくもりのチカラを再確認しました。 まだ通院は続けられるようなので、いつでも立ち寄ってくださいね。
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