福田康夫元首相が2日、共同通信のインタビューに応え、「国家の破滅が近い」と語り、安倍政権を痛烈に批判した。
加計・森友問題に関連して、福田氏が厳しく指摘したのが、安倍政権が2014年に発足した内閣人事局によって幹部官僚の人事を掌握したことだ。
「各省庁の中堅以上の幹部は皆、官邸(の顔色)を見て仕事をしている。恥ずかしく、国家の破滅に近づいている」「自民党がつぶれる時は、役所も一緒につぶれる。自殺行為だ」との認識を示し、「政治家が(官僚の)人事をやってはいけない。安倍内閣最大の失敗だ」と指摘した。
また安倍政権の運営が安定していたのは条件に恵まれていただけだと酷評した。「(自民党内に)競争相手がいなかっただけだ。(脅かすような)野党もいないし、非常に恵まれている状況だ」と分析。「そういう時に役人まで動員して、政権維持に当たらせてはいけない」と批判した。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210731
永田町の裏を読む
大日本主義の徒花 「安倍政治」に対抗するヴィジョンとは 2017年8月3日
高野孟ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
鳩山友紀夫の近著「脱 大日本主義」(平凡社新書)がなかなかの評判である。30日付毎日新聞の「今週の本棚」欄では、中島岳志が5段の大きなスペースで書評を書いていて、その結びの部分でこう述べている。
「民進党は、相変わらず迷走中である。その最大の要因は、国民に訴えかける清新なヴィジョンの欠如にある」のだが、その「ヴィジョンがここにある。民進党は、鳩山内閣の挫折のプロセスを検証したうえで、理念の再提起を行うべきではないか。鳩山内閣は確かに失敗に終わったが、その理念までもが全否定されていいわけではない。未来に向けて有効な構想や政策が多く含まれている。……いまこそ必読の一冊だ」と。
いつも辛辣なこの評者にしては、ちょっとビックリするくらいの褒め言葉であるけれども、私は共感する。中島は言う。
「鳩山政権が長期政権になっていれば、いまの日本はどうなったろうか。……私たちは異なる現在を生きていたに違いない」
確かに、鳩山政権はよろず下手くそではあったけれども、あんなふうに寄ってたかって叩き潰すことが、どうして必要だったのだろうかと、私もあの時代の空気をやや不気味なものを見るかのように思い返すことがある。
タイトルが意味するのは、明治から150年、日本はずっと「大日本」を追い求めてきたが、それはもういい加減にして、石橋湛山の「小日本主義」や武村正義の「小さくともキラリと光る国」という理念の系列をくんで、中規模国家(ミドルパワー)としての成熟をこそ目指すべきだという提唱である。そこで何よりも重要なのは、時代遅れの対米従属からの脱却であり、その実体化のための米軍基地の縮減、地位協定の改定、東アジアにおける連携、そしてまた内にあっては、低成長経済の下での新たな分配政策でなければならない。
そう考えると、安倍政権の対米従属・軍事強国路線、アベノミクスによる無理やりの成長追求路線というのは、大日本主義の最後の徒花なのだろう。とすれば、それに対抗する民進党は、鳩山ヴィジョンを座標軸として、ポスト安倍の新しい日本の生き方の提案を国民に訴えかけなければならないのではないか。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210676
また“加計ありき” 中身なし早い者勝ちで決まった国家戦略 2017年8月3日
また新たな「加計ありき」が浮上だ。1校に限られた獣医学部の新設。京都府と京産大の提案を押しのけ、今治市と加計学園に決まったのは「国家戦略」なんて看板倒れの茶番劇だったことが改めて浮き彫りとなった。
2日の民進党・加計疑惑調査チームの会合で、内閣府は今治市だけでなく京都府側の相談も受けていたと“加計びいき”を否定。証拠として、昨年11月25日に内閣府を訪問した山田京都府知事の説明資料を提出した。<iPS細胞等再生医療の開発を推進>と記され、ノーベル賞学者の山中伸弥教授が所長を務める京大・iPS細胞研究所と連携する意向も示されたという。
■中身よりも早期実現性が決め手
目を見張る内容だが、京都は落選。杉尾秀哉参院議員が「iPS細胞という国家戦略につながる提案をしている京都が劣っていて、今治が優れている理由は何か」と質問すると、内閣府の塩見英之参事官からは驚きの答え。
「昨年12月22日の段階で『1校に限る』となり、どちらかを選ぶ必要性が生じた。年末年始にかけて、早期実現性の観点から提案書を比較し、今治市で公募することに決めた」
中身よりも早期実現性が決め手とは、何たる国家戦略だ。しかも、今治市の公開資料によると、内閣府は今治市とだけ「平成30年4月開学」というスケジュールを共有。だから、選定前から予定地のボーリング調査に踏み切れたわけで、スピード重視なら今治市に決まるのも当然だ。
こんなデキレースだから、加計学園は獣医学部の学生募集パンフレットに<合格後、引き続き受験勉強を続け、一般入試でワンランク上の大学、国公立大学にチャレンジすることも可能>と明記。国家戦略を担う大学とは到底思えない。
山本地方創生相は先月、「今治市と京都府の提案を比較して決定したが、記録は取っていない」とスッとぼけ、きのうの最後の定例会見でも「文書があることと、事の信憑性は直接の関係はない」と開き直った。
恥ずかしくて記録に残せないようなプロセスだったのかも知れないが、改造人事で逃げ切りは許されない。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210775
加計問題で市議会への「買収疑惑」浮上…議員1人1000万円 2017年8月1日
加計学園の獣医学部新設問題で大揺れの愛媛・今治市に再び激震が走っている。加計学園の誘致を巡り、菅良二市長や加計孝太郎理事長らが共謀して市議らにカネを配った疑いがあるとして、市内の男性住民が菅市長や市議らに対する告発状を松山地検に提出したのだ。
7月27日付の告発状によると、菅市長と加計理事長は2015年6月4日の獣医学部の設置申請にあたり、今治市議会の国家戦略特区特別委担当の市議らに対し、1人当たり1000万円をワイロとして渡していた疑いがあるとしている。
この問題は7月26日に市内で開かれた市議会報告会で表面化。告発状を提出した「今治加計獣医学部問題を考える会」共同代表の武田宙大氏が質疑応答の場で、「今治市では(獣医学部新設の問題で市議に)1000万円の収賄容疑がある。名誉を守るために加計、市長からカネをもらっていない人は起立してください」「立てんということはワイロをもらっとるということ」などと発言。すると、議員側から「ちょっと待て」「根拠を言え」「退場だ」などと怒声が飛び交う異常事態となった。果たして真相はどうなのか。武田氏にあらためて聞くと、こう答えた。
「カネの授受の具体的な日時はともかく、この話は加戸守行前愛媛県知事や菅市長の選挙を手伝った支援者から直接聞いた話です。告発状を提出後、ある市議から電話があり、『私はカネをもらっておらず、起立したかったが、周りにためらう雰囲気があった』と明かしました。これは議会内で無言の圧力があるということ。疑惑があるのだから、検察にきちんと調べてほしいと思います」
加計学園に広大な市有地をタダで差し出し、県と一緒に100億円近い施設費もくれてやる――。賛否が真っ二つに割れてもおかしくない市の重要政策なのに、なぜか議会では「全会一致」で可決だ。市民が「議員は怪しいカネをもらっているのではないか」と疑念を抱くのも当然だろう。検察が告発状を受理して捜査に着手するかどうかは不明だが、仮にワイロが事実で、市長や市議が芋づる式に逮捕されれば、獣医学部開設は間違いなく吹っ飛ぶ。超ド級の大スキャンダルに発展するのは間違いない。
政界工作のためのワイロが1人1000万円とすれば、議員に広く配るため億単位のカネが必要になる。経営状況が芳しくないといわれる加計学園が、多額の使途不明金を経理処理するのは難しいと言わざるを得ない。
果たして、どこからカネが出たのか。まさか官房機密費ではないだろうが……。
次から次へと新たな疑惑が出てくる加計学園の獣医学部新設問題。やっぱり計画の白紙撤回しかない。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210535
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210535/2
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210535/3
【アベ友疑獄】「加計学園を早くしろ」内閣府が今治市を恫喝 首相の意向か 2017年3月13日 22:14
内閣府はこの期に及んで「加計学園を早くしろ、平成30年度(来年4月)に開校しなければ国家戦略特区を取り消すぞ」と今治市の企画財政当局に恫喝をかけてくる・・・今治市議会関係者がこう明らかにした。
今治市が36億円の市有地を無償譲渡し、さらに校舎などの建設費の半分(=64億円)を補助する加計学園・岡山理科大学獣医学部。理事長の加計孝太郎氏は安倍首相の大親友である。
今治市の急ぎようは常軌を逸している―
3月定例市議会の初日(3日)に、いきなり先議で「無償譲渡」を採決したのである。採決から約1週間後には、着工式もないままに建設工事が始まった。国家戦略特区を担当する今治市企画財政部が議員に配布したスケジュール表によれば、着工式は3月上旬とされていたにもかかわらず。
加計学園をめぐって内閣府が今治市をクレージーなまでに急がせたのには背景があった。安倍首相自らが国会でそれを披露するとは驚きだった―
参議院予算委員会できょう、社民党の福島みずほ議員が質問した。「総理は加計学園が今治市で獣医学部を作りたいと思っているのを知っていたか?」
安倍首相は気色ばんだ。友人の加計孝太郎氏を守りたいのだろう。恫喝口調だった。
「福島さんね、特定の名前を出している以上、政治によって歪められたという確証がなければ、その人物に対して極めて失礼ですよ・・・あなた責任とれるんですか」。首相は周章狼狽し早口になった。
安倍首相は聞かれてもいないのに、国家戦略特区で獣医学部を作るスキームについて話し始めた。語るに落ちるとはこのことである。
首相いわく「遊休地で地方自治体が困っている時、一番いいのは大学誘致なんです」、「若い人が来て、町が形成される」、「業界団体の反対があるから、特区でやるんです」。まるで加計理事長からレクチャーでも受けたかのようだった。
筆者が銚子で聞いた、加計学園の大学を誘致した元市長とほとんど同じセリフである。元市長も安倍首相も、加計理事長とは20年以上の付き合いであることも共通する。
内閣府の役人が忖度して自治体に恫喝をかけたりするだろうか? 加計理事長に便宜を図ろうとする安倍首相本人か側近が内閣府に圧力をかけたと見る方が妥当である。
~終わり~
◇
皆様。安倍首相本人の関与が色濃い疑獄事件を追及するために、地方出張が続いています。出費がかさんでおります。ご支援よろしくお願い致します…http://tanakaryusaku.jp/donation
◇
郵便局まで行くのが難しい方々。海外在住の皆様。『田中龍作ジャーナル』はクレジットカードによるご支援も可能になりました…https://note.mu/tanakaryusaku を御利用下さい。
http://tanakaryusaku.jp/2017/03/00015508
【今治発】市民「加計学園からカネをもらっていない議員は立って下さい」2017年7月28日 23:30
加計学園の誘致をめぐって贈収賄があったとして、今治市の男性が27日、加計孝太郎理事長、菅良二市長、市議会議員を松山地検に告発した。
告発状によると加計理事長と菅市長は、誘致に反対しないようにと市議会議員13人に1人当たり1,000万円を渡した。
もしこれが事実で、金の出所が官房機密費だったりしたら、一発でアウトだ。
アベ友案件で大揺れの今治市で26日と28日の両日、市議会議員による報告会が開かれた。市内の2つの公民館が会場となった。
議会報告会は毎夏の恒例行事なのだが、今年は加計疑惑追及の場と化した。
「お金をもらってない人(議員)は立って下さい」(30代男性)
「(上物の費用負担)96億円の根拠となる図面を公開してください」(地元自治会長)
「文科省の認可が下りていないのに、なぜ工事が進んでいるんですか? 認可が下りなかったら更地にして返してもらえるんですか?」(50代主婦)
市議会側は事前に対策を練っていたようだ。議員たちはニヤニヤしながらまともに答えなかった。
国家戦略特区・特別委員長の寺井政博・市議の回答がふるっていた。
「(詳細な図面は)セキュリティーの問題で全て公開することはできないと聞いている。市議会は文科省に詳細な確認をお願いしたいと意見を出している」。
「詳細な設計を精査したのではない。その必要もない」。
寺井委員長は、市議会は確認する意思がなく、国と加計学園まかせにすることを明らかにしたのである。
おまけに「高くないか? という事だが、他の大学と比較して決して高くないと説明を受けている」と加計学園の説明を繰り返した。
特区・特別副委員長の岡田勝利市議もひどかった。
「(校舎建設などの費用負担)96億円の根拠は何ですか?」と質問されると「十分、分からないので調べます」とイケシャアシャアと答えるのだった。
出所が公金であるため我が身は痛まない。無責任な議員や市長が加計学園の言うままに金を出す。
安倍政権がすぐに倒れなかった場合、官邸の圧力で文科省は設置を認可するだろう。加計学園に注ぎ込まれる国庫補助の原資は国民の税金である。こんどは今治市民だけの不条理な負担ではなくなる。
〜終わり~
『田中龍作ジャーナル』は読者に支えられているため権力に おもねる 必要がありません。皆さまの力をお貸し下さい… http://tanakaryusaku.jp/donation
◇
【写真集】「アキバ・新宿 “こんな人たち” の反乱」「ソウル・韓国市民はこうして大統領を引きずり降ろした」「沖縄・高江の原生林破壊」「パレスチナ自治区ガザの虐殺」…
https://note.mu/tanakaryusaku から入って下さい。
http://tanakaryusaku.jp/2017/07/00016388
ガザの子供を殺してどうするのだ? イスラエルと共同兵器開発する日本 2017年5月5日 01:10
きょうは端午の節句。中東に「子供の日」がある訳ではないが、子供の命があまりに軽いガザに思いを馳せる。
2014年、イスラエルの軍事侵攻で2,000人余りのパレスチナ人が殺害された。
救急病院の遺体安置室は、小さな骸が大半を占めていた。子供の犠牲が多いことを物語る。
爆撃の中心は空爆だ。空爆の9割以上をドローンが占める。ドローンは24時間、重低音のエンジン音を立てて上空を旋回していた。
そして陸上の移動物体を見つけるとミサイルを放つ。
海岸の波打ち際で遊んでいた男の子たちが対人ミサイルに直撃された。
陸上基地でモニター画面を見ながらドローンを操縦するイスラエル軍兵士は、攻撃対象が子供であることを十二分に認識していたはずだ。
子供たちの親もドローンで殺されている。現地医療機関の調査によると、子供たちがPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する原因のトップはドローンだ。
日本はイスラエルと兵器を共同開発する、という。こともあろうにドローンだ。
パレスチナの子供たちを殺してどうするのだ? 私たち日本の納税者に突きつけられている重くて厳しい問いである。
◇
『【ガザ写真集】いとも簡単に殺される命』を発表しました。イスラエルの軍事侵攻から3年が経っても忘れてはならない、過酷な現代史を写真で振り返ります…https://note.mu/tanakaryusaku/n/n911aacf9f1e1
http://tanakaryusaku.jp/2017/05/00015776
加計・森友問題に関連して、福田氏が厳しく指摘したのが、安倍政権が2014年に発足した内閣人事局によって幹部官僚の人事を掌握したことだ。
「各省庁の中堅以上の幹部は皆、官邸(の顔色)を見て仕事をしている。恥ずかしく、国家の破滅に近づいている」「自民党がつぶれる時は、役所も一緒につぶれる。自殺行為だ」との認識を示し、「政治家が(官僚の)人事をやってはいけない。安倍内閣最大の失敗だ」と指摘した。
また安倍政権の運営が安定していたのは条件に恵まれていただけだと酷評した。「(自民党内に)競争相手がいなかっただけだ。(脅かすような)野党もいないし、非常に恵まれている状況だ」と分析。「そういう時に役人まで動員して、政権維持に当たらせてはいけない」と批判した。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210731
永田町の裏を読む
大日本主義の徒花 「安倍政治」に対抗するヴィジョンとは 2017年8月3日
高野孟ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
鳩山友紀夫の近著「脱 大日本主義」(平凡社新書)がなかなかの評判である。30日付毎日新聞の「今週の本棚」欄では、中島岳志が5段の大きなスペースで書評を書いていて、その結びの部分でこう述べている。
「民進党は、相変わらず迷走中である。その最大の要因は、国民に訴えかける清新なヴィジョンの欠如にある」のだが、その「ヴィジョンがここにある。民進党は、鳩山内閣の挫折のプロセスを検証したうえで、理念の再提起を行うべきではないか。鳩山内閣は確かに失敗に終わったが、その理念までもが全否定されていいわけではない。未来に向けて有効な構想や政策が多く含まれている。……いまこそ必読の一冊だ」と。
いつも辛辣なこの評者にしては、ちょっとビックリするくらいの褒め言葉であるけれども、私は共感する。中島は言う。
「鳩山政権が長期政権になっていれば、いまの日本はどうなったろうか。……私たちは異なる現在を生きていたに違いない」
確かに、鳩山政権はよろず下手くそではあったけれども、あんなふうに寄ってたかって叩き潰すことが、どうして必要だったのだろうかと、私もあの時代の空気をやや不気味なものを見るかのように思い返すことがある。
タイトルが意味するのは、明治から150年、日本はずっと「大日本」を追い求めてきたが、それはもういい加減にして、石橋湛山の「小日本主義」や武村正義の「小さくともキラリと光る国」という理念の系列をくんで、中規模国家(ミドルパワー)としての成熟をこそ目指すべきだという提唱である。そこで何よりも重要なのは、時代遅れの対米従属からの脱却であり、その実体化のための米軍基地の縮減、地位協定の改定、東アジアにおける連携、そしてまた内にあっては、低成長経済の下での新たな分配政策でなければならない。
そう考えると、安倍政権の対米従属・軍事強国路線、アベノミクスによる無理やりの成長追求路線というのは、大日本主義の最後の徒花なのだろう。とすれば、それに対抗する民進党は、鳩山ヴィジョンを座標軸として、ポスト安倍の新しい日本の生き方の提案を国民に訴えかけなければならないのではないか。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210676
また“加計ありき” 中身なし早い者勝ちで決まった国家戦略 2017年8月3日
また新たな「加計ありき」が浮上だ。1校に限られた獣医学部の新設。京都府と京産大の提案を押しのけ、今治市と加計学園に決まったのは「国家戦略」なんて看板倒れの茶番劇だったことが改めて浮き彫りとなった。
2日の民進党・加計疑惑調査チームの会合で、内閣府は今治市だけでなく京都府側の相談も受けていたと“加計びいき”を否定。証拠として、昨年11月25日に内閣府を訪問した山田京都府知事の説明資料を提出した。<iPS細胞等再生医療の開発を推進>と記され、ノーベル賞学者の山中伸弥教授が所長を務める京大・iPS細胞研究所と連携する意向も示されたという。
■中身よりも早期実現性が決め手
目を見張る内容だが、京都は落選。杉尾秀哉参院議員が「iPS細胞という国家戦略につながる提案をしている京都が劣っていて、今治が優れている理由は何か」と質問すると、内閣府の塩見英之参事官からは驚きの答え。
「昨年12月22日の段階で『1校に限る』となり、どちらかを選ぶ必要性が生じた。年末年始にかけて、早期実現性の観点から提案書を比較し、今治市で公募することに決めた」
中身よりも早期実現性が決め手とは、何たる国家戦略だ。しかも、今治市の公開資料によると、内閣府は今治市とだけ「平成30年4月開学」というスケジュールを共有。だから、選定前から予定地のボーリング調査に踏み切れたわけで、スピード重視なら今治市に決まるのも当然だ。
こんなデキレースだから、加計学園は獣医学部の学生募集パンフレットに<合格後、引き続き受験勉強を続け、一般入試でワンランク上の大学、国公立大学にチャレンジすることも可能>と明記。国家戦略を担う大学とは到底思えない。
山本地方創生相は先月、「今治市と京都府の提案を比較して決定したが、記録は取っていない」とスッとぼけ、きのうの最後の定例会見でも「文書があることと、事の信憑性は直接の関係はない」と開き直った。
恥ずかしくて記録に残せないようなプロセスだったのかも知れないが、改造人事で逃げ切りは許されない。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210775
加計問題で市議会への「買収疑惑」浮上…議員1人1000万円 2017年8月1日
加計学園の獣医学部新設問題で大揺れの愛媛・今治市に再び激震が走っている。加計学園の誘致を巡り、菅良二市長や加計孝太郎理事長らが共謀して市議らにカネを配った疑いがあるとして、市内の男性住民が菅市長や市議らに対する告発状を松山地検に提出したのだ。
7月27日付の告発状によると、菅市長と加計理事長は2015年6月4日の獣医学部の設置申請にあたり、今治市議会の国家戦略特区特別委担当の市議らに対し、1人当たり1000万円をワイロとして渡していた疑いがあるとしている。
この問題は7月26日に市内で開かれた市議会報告会で表面化。告発状を提出した「今治加計獣医学部問題を考える会」共同代表の武田宙大氏が質疑応答の場で、「今治市では(獣医学部新設の問題で市議に)1000万円の収賄容疑がある。名誉を守るために加計、市長からカネをもらっていない人は起立してください」「立てんということはワイロをもらっとるということ」などと発言。すると、議員側から「ちょっと待て」「根拠を言え」「退場だ」などと怒声が飛び交う異常事態となった。果たして真相はどうなのか。武田氏にあらためて聞くと、こう答えた。
「カネの授受の具体的な日時はともかく、この話は加戸守行前愛媛県知事や菅市長の選挙を手伝った支援者から直接聞いた話です。告発状を提出後、ある市議から電話があり、『私はカネをもらっておらず、起立したかったが、周りにためらう雰囲気があった』と明かしました。これは議会内で無言の圧力があるということ。疑惑があるのだから、検察にきちんと調べてほしいと思います」
加計学園に広大な市有地をタダで差し出し、県と一緒に100億円近い施設費もくれてやる――。賛否が真っ二つに割れてもおかしくない市の重要政策なのに、なぜか議会では「全会一致」で可決だ。市民が「議員は怪しいカネをもらっているのではないか」と疑念を抱くのも当然だろう。検察が告発状を受理して捜査に着手するかどうかは不明だが、仮にワイロが事実で、市長や市議が芋づる式に逮捕されれば、獣医学部開設は間違いなく吹っ飛ぶ。超ド級の大スキャンダルに発展するのは間違いない。
政界工作のためのワイロが1人1000万円とすれば、議員に広く配るため億単位のカネが必要になる。経営状況が芳しくないといわれる加計学園が、多額の使途不明金を経理処理するのは難しいと言わざるを得ない。
果たして、どこからカネが出たのか。まさか官房機密費ではないだろうが……。
次から次へと新たな疑惑が出てくる加計学園の獣医学部新設問題。やっぱり計画の白紙撤回しかない。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210535
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210535/2
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210535/3
【アベ友疑獄】「加計学園を早くしろ」内閣府が今治市を恫喝 首相の意向か 2017年3月13日 22:14
内閣府はこの期に及んで「加計学園を早くしろ、平成30年度(来年4月)に開校しなければ国家戦略特区を取り消すぞ」と今治市の企画財政当局に恫喝をかけてくる・・・今治市議会関係者がこう明らかにした。
今治市が36億円の市有地を無償譲渡し、さらに校舎などの建設費の半分(=64億円)を補助する加計学園・岡山理科大学獣医学部。理事長の加計孝太郎氏は安倍首相の大親友である。
今治市の急ぎようは常軌を逸している―
3月定例市議会の初日(3日)に、いきなり先議で「無償譲渡」を採決したのである。採決から約1週間後には、着工式もないままに建設工事が始まった。国家戦略特区を担当する今治市企画財政部が議員に配布したスケジュール表によれば、着工式は3月上旬とされていたにもかかわらず。
加計学園をめぐって内閣府が今治市をクレージーなまでに急がせたのには背景があった。安倍首相自らが国会でそれを披露するとは驚きだった―
参議院予算委員会できょう、社民党の福島みずほ議員が質問した。「総理は加計学園が今治市で獣医学部を作りたいと思っているのを知っていたか?」
安倍首相は気色ばんだ。友人の加計孝太郎氏を守りたいのだろう。恫喝口調だった。
「福島さんね、特定の名前を出している以上、政治によって歪められたという確証がなければ、その人物に対して極めて失礼ですよ・・・あなた責任とれるんですか」。首相は周章狼狽し早口になった。
安倍首相は聞かれてもいないのに、国家戦略特区で獣医学部を作るスキームについて話し始めた。語るに落ちるとはこのことである。
首相いわく「遊休地で地方自治体が困っている時、一番いいのは大学誘致なんです」、「若い人が来て、町が形成される」、「業界団体の反対があるから、特区でやるんです」。まるで加計理事長からレクチャーでも受けたかのようだった。
筆者が銚子で聞いた、加計学園の大学を誘致した元市長とほとんど同じセリフである。元市長も安倍首相も、加計理事長とは20年以上の付き合いであることも共通する。
内閣府の役人が忖度して自治体に恫喝をかけたりするだろうか? 加計理事長に便宜を図ろうとする安倍首相本人か側近が内閣府に圧力をかけたと見る方が妥当である。
~終わり~
◇
皆様。安倍首相本人の関与が色濃い疑獄事件を追及するために、地方出張が続いています。出費がかさんでおります。ご支援よろしくお願い致します…http://tanakaryusaku.jp/donation
◇
郵便局まで行くのが難しい方々。海外在住の皆様。『田中龍作ジャーナル』はクレジットカードによるご支援も可能になりました…https://note.mu/tanakaryusaku を御利用下さい。
http://tanakaryusaku.jp/2017/03/00015508
【今治発】市民「加計学園からカネをもらっていない議員は立って下さい」2017年7月28日 23:30
加計学園の誘致をめぐって贈収賄があったとして、今治市の男性が27日、加計孝太郎理事長、菅良二市長、市議会議員を松山地検に告発した。
告発状によると加計理事長と菅市長は、誘致に反対しないようにと市議会議員13人に1人当たり1,000万円を渡した。
もしこれが事実で、金の出所が官房機密費だったりしたら、一発でアウトだ。
アベ友案件で大揺れの今治市で26日と28日の両日、市議会議員による報告会が開かれた。市内の2つの公民館が会場となった。
議会報告会は毎夏の恒例行事なのだが、今年は加計疑惑追及の場と化した。
「お金をもらってない人(議員)は立って下さい」(30代男性)
「(上物の費用負担)96億円の根拠となる図面を公開してください」(地元自治会長)
「文科省の認可が下りていないのに、なぜ工事が進んでいるんですか? 認可が下りなかったら更地にして返してもらえるんですか?」(50代主婦)
市議会側は事前に対策を練っていたようだ。議員たちはニヤニヤしながらまともに答えなかった。
国家戦略特区・特別委員長の寺井政博・市議の回答がふるっていた。
「(詳細な図面は)セキュリティーの問題で全て公開することはできないと聞いている。市議会は文科省に詳細な確認をお願いしたいと意見を出している」。
「詳細な設計を精査したのではない。その必要もない」。
寺井委員長は、市議会は確認する意思がなく、国と加計学園まかせにすることを明らかにしたのである。
おまけに「高くないか? という事だが、他の大学と比較して決して高くないと説明を受けている」と加計学園の説明を繰り返した。
特区・特別副委員長の岡田勝利市議もひどかった。
「(校舎建設などの費用負担)96億円の根拠は何ですか?」と質問されると「十分、分からないので調べます」とイケシャアシャアと答えるのだった。
出所が公金であるため我が身は痛まない。無責任な議員や市長が加計学園の言うままに金を出す。
安倍政権がすぐに倒れなかった場合、官邸の圧力で文科省は設置を認可するだろう。加計学園に注ぎ込まれる国庫補助の原資は国民の税金である。こんどは今治市民だけの不条理な負担ではなくなる。
〜終わり~
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【写真集】「アキバ・新宿 “こんな人たち” の反乱」「ソウル・韓国市民はこうして大統領を引きずり降ろした」「沖縄・高江の原生林破壊」「パレスチナ自治区ガザの虐殺」…
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ガザの子供を殺してどうするのだ? イスラエルと共同兵器開発する日本 2017年5月5日 01:10
きょうは端午の節句。中東に「子供の日」がある訳ではないが、子供の命があまりに軽いガザに思いを馳せる。
2014年、イスラエルの軍事侵攻で2,000人余りのパレスチナ人が殺害された。
救急病院の遺体安置室は、小さな骸が大半を占めていた。子供の犠牲が多いことを物語る。
爆撃の中心は空爆だ。空爆の9割以上をドローンが占める。ドローンは24時間、重低音のエンジン音を立てて上空を旋回していた。
そして陸上の移動物体を見つけるとミサイルを放つ。
海岸の波打ち際で遊んでいた男の子たちが対人ミサイルに直撃された。
陸上基地でモニター画面を見ながらドローンを操縦するイスラエル軍兵士は、攻撃対象が子供であることを十二分に認識していたはずだ。
子供たちの親もドローンで殺されている。現地医療機関の調査によると、子供たちがPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する原因のトップはドローンだ。
日本はイスラエルと兵器を共同開発する、という。こともあろうにドローンだ。
パレスチナの子供たちを殺してどうするのだ? 私たち日本の納税者に突きつけられている重くて厳しい問いである。
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『【ガザ写真集】いとも簡単に殺される命』を発表しました。イスラエルの軍事侵攻から3年が経っても忘れてはならない、過酷な現代史を写真で振り返ります…https://note.mu/tanakaryusaku/n/n911aacf9f1e1
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