梅院暁の小説日記

このホームページは、作者がとあるゲームソフトで作っていたRPGを小説化し、日々の日記と共に載せたものである。

D・W第13話

2007-03-16 | Destiny・Wars
 翌朝、ライトナイツ家の朝食会場にて……
「遅いな、ボルスの奴……」
 そこへボルス登場する。
「おはよう……」
「遅いぞ、ボルス!!いったい何時だと思っている!?」
「まったく………朝食が冷めてしまうぞ………」
「いや、元はといえば師匠が昨日の夜遅くまで修行を続けさせたからでしょうが!いくらなんでもあれはやり過ぎでしょ……」
「おいおい、何が夜遅くだ。付き添って起きていたわしがちゃんと起きれているぞ。」
「年寄りは朝早いですからね………」
 パーシヴァルのいらぬ突っ込みがパトリックの逆鱗に触れたようだ。
「じゃかぁしぃ!わしゃぁまだ56じゃあ!!全然年寄りじゃな――――――――――い!!」
「あと4年もすれば60じゃん……」
 ボルスの言葉にパーシヴァルは頷く。
「そもそも中年じゃないですか……とても若いとは……」
 その言葉がさらにパトリックの怒りの炎に油を注ぐ。
「屁理屈ばかり言ってんじゃないわ、この馬鹿ども!!!!」
「大人げないですよ……」
「そうそう。そんなことよりとっとと朝飯食おうぜ。ほんとに冷めちまう……」
「そもそもお前が寝坊したのが悪いんだろうが!!」
 パーシヴァルとパトリックが同時に叫ぶ。
 そんなこんなでライトナイツ家の騒がしい朝食が始まった……

「ところで爺や。昨日から父上とセイレルの姿が見えないが……」
 朝食の後、パーシヴァルは執事に聞いた。
「旦那様とセイレル坊ちゃまは昨日から泊り込みで今日の式典のために城の警備にあたっております。」
「セイレルって?」
「俺の弟だ。今はまだ見習いだが、城で騎士として働いている。」
「……」
 ボルスは黙り込んでしまった。
「?どうした、ボルス?」
「いや……パーシヴァルみたいなナンパ野郎がもう一人いると思うだけで鳥肌が……」
「おいおいボルス、セイレルは俺とは違って女性とはまともに話せるほど器用な男じゃあないぞ。
 それにボルス、お前はとんでもない誤解をしているようだな!いいか、よく聴けよ。俺が女性に声を掛けるのは遊ぶためじゃあない!そもそも女性とは情報の宝庫だ!あまり諸国に広まってすらいない情報ですら知っていることもある!その情報を知るためにも女性を魅了する能力は必須。さまざまな情報を知り、自ら判断できぬようでは一流の騎士とは……」
「ところで爺やさん、式典と言うのは?」
「はい、今年はムーンヴェイルがこの地に栄えて30周年です。そのことを祝うための式典が今日行われるのです。」
「なるほど……」
 ボルスが無視したのが、とても腹に据えかねたらしく、パーシヴァルにしては珍しく怒鳴った。
「こら、ボルス!人の話は最後まで聴け!貴族でなくとも守るべきマナーだぞ!!」
 だが、ボルスに反省の様子は無い。
「はいはい分かりましたよ。とにかくその情報とやらを手に入れるために街にでも行ってきたら?」
 もうこんな奴の相手などしてられるか!!
 とでも言いたげな顔で、パーシヴァルは独り言を言う。
「……ま、今日も骨休みと行くか……ボルスとパトリックさんは行かないのか?」
「俺はパスするぜ。」
「わしもじゃ。人ごみの多い中にいったって疲れるだけじゃし、」
「老いた体に応えますしね。」
「そうそう……ってこらぁ!!」
 パトリック、まさかのノリ突っ込み。
「冗談ですよ。じゃあクリスさんは一緒にどうですか?」
「お前、よからぬことを考えてんじゃないだろうな!?」
「なわけ無いだろ失礼な!」
 クリスはその様子を見てクスクスと笑っていたが、やがて頷いた。
「よし、決定ですね。」
 パーシヴァルが息巻いている中、ボルスがクリスの耳にそっと囁いた。
「あいつに何かされたら、絶対に俺に言えよ……」