観賞?観照?感想?

ヴィデオ(V)と本(B)とライヴ(L)とときどきCD、たまに映画について書きます。

(映画)『ハウルの動く城』(宮崎駿 2004年)

2005年01月31日 12時39分00秒 | 映画
世界じゅうから注目されているプレッシャーから全く開放されているかのように見えるが、監督のプレッシャーは相当なものだったろう。
日本的なものを主題にしなくても、世界的に認知される素地はできたということか。
子供が喜ぶ個性的で魅力的なキャラクターのオンパレードに、ステキなハウルに、賢い女性ソフィー。期待はうらぎらない。
自分としては、最後の10分がサイケデリック音楽を聴いているようで楽しめたが、倍賞千恵子の声は、顔が浮かんできてしまい困った。
他の登場人物も含めて、声優を使えばいいのに。。

(B)『純愛カウンセリング』(岡村靖幸)

2005年01月28日 18時44分18秒 | 
岡村の純愛とは「彼女の電話を待ちこがれ」「裸足で街を走るというような恥ずかしいことが平気でできて」「好きな娘についてのある瞬間の思い出が鮮明に残っている」という状態だそう。
いろんな人にいろんな純愛があって、だからこの本の対談相手としては、分析や評論する人の話はあまり面白くなくて、自分の体験を語る人々こそ傾聴すべき話がある。(中でも、田原総一郎にとりわけ興味を持った。近々氏の著作を読んでみたい。)
100人いたら100通りの答えがある話題だが、岡村の反応はすべてに真剣そのもの。
彼の創作活動の源が、純愛を成就できないが故のパワーであるとしたら、我々は彼の純愛探索の旅がますます混迷を深めることを願わなければならない。
これも表現者としての宿命か....。

(V)『自由戀愛』(原田眞人 2005年)

2005年01月27日 12時34分09秒 | ヴィデオ
WOWOWドラマ。といっても映画館での公開の可能性もありフィルムで撮っているので、新作映画といってよい。
ここ何作かうまい映画を撮る職人という方向へすすんでいるようにみえた原田だが、個的なものを描きながら、世界につながっているという根底に流れるものは変わっていなかったので一安心。
何度かおこる小さい地震の度に、主人公の女性二人が少しずつ変わっていき、大正時代の話なので大地震の予感をはらみながら、最後に向かっていく様は見ていてワクワクした。
世の中は崩壊したのに、二人はそれぞれ自分の立ち位置を定めることに成功するという明るさにすがすがしささえ感じられる。
父親が絡むシーン(平塚らいてうについて議論するシーンと汽車の中のシーン)がとりわけ印象的だった。
藤原トーマスというは、栗原トマースがモデルですな。

(L) 小谷美紗子/古明地洋哉/山口洋@渋谷Club Quattro(01/24/2004)

2005年01月26日 07時30分36秒 | ライヴ
<小谷美紗子>
グランドピアノの前に座り、音を出す前からすでに会場の空気は引き締まり、歌とピアノの音が同時に出た瞬間にその場が小谷ワールドと化す様は、イベントライヴでも変わらず。
高校時代に作ったという(山口との縁も同曲だと言っていた)『みせかけ社会』のような曲をまっすぐに歌える彼女はすばらしいと思った。

<古明地洋哉>
名づけて「夜の音楽」。
新曲『空砲』はそこから抜け出して、新たなファンを獲得しそうな予感がした。

<山口洋>
クワトロの「アリーナ」にイスが並んでいるのは、過去一度経験したくらい。
前二人の時にみんな静かに聴いているなと思ったら、イスにすわってる人の大部分は山口目当てに来ていたようだ。
観客との応対も年季が入っている山口。自分を水面下で必死に水をかいているカモになぞらえていたのはおかしかった。
古明地のリクエストに応えたのか、グレッチでやった『Carry On』がとりわけよかった。

アンコールは、古明地の『想いが言葉に変わるとき』と、古明地と小谷ヴォーカルのビートルズ『Accross the Universe』山口は若い?二人をたてるように控えめにギターで参加していた。

出演者がお互いにお互いの音楽を尊重し合っている様子が滲み出ているよいイベントだった。

(B)『ぼくの詞がきみのハートにとどくまで』(森雪之丞著)

2005年01月25日 07時43分54秒 | 
森雪之丞は、早川義夫の『天使の遺言』の歌詞を書いたというだけで、私の中で殿堂入りを果たした。それまでは、氏の仕事に全く興味はなかったのだが、爾来名前を眼にすると気にするようになり、この本もたまたま図書館で眼にとまって読んでみた。
中学生くらいをターゲットに書かれたものだが、氏がいかにして作詞家になったかが書いてあり、興味深かった。
デビュー前の四人囃子をバックにライブをしていたとか、芸名をつけた理由がデイヴィッド・ボウイにあったなんて驚き。
ジャックスの歌詞に惹かれたのであれば、作詞という作業は曲と歌い手を含めた作業であるとの持論がある氏は、早川に歌詞を提供する機会を得て相当力が入ったに違いない。
だからこそ、『天使の遺言』はまるで早川が書いた詞のように聴こえるのだろう。

(L) 林邦洋@赤坂グラフィティ(01/20/2004)

2005年01月24日 08時52分59秒 | ライヴ
12月に2~3年ぶりでみて、やっぱりイイと思った林。林にとっても久々のはずのワンマン、楽しみにしてました。
バンドの準備がしてあったので、ほとんとバンドでやるのかと思ったら、7割方弾き語り。
アルバム『序』の曲に未発表曲をまぜながらの選曲だったが、これ以上音を足す必要はない、一人で十分という演奏だった。あらためて思うが『序』というアルバムはおそろしい程名曲ぞろい。これは埋もれさせてはいけないアルバム。
ヨシンバのメンバーが加わった最後の方は、気心の知れ合った仲間という感じで息もあって、バンドしてまとまりのある演奏だった。聴きたかった『タンブルウィード』のキーボードがよかった。
さて、去年はシングルのリリースすらなかった林。ずいぶんと曲もたまっているようなので、今年はぜひアルバムを作成してほしい。