歌というかコーラスというか声というか、そういうものを堪能したライヴだった。
〈Quinka, with a yawn〉
URCのカヴァーアルバムでこの人の歌う高田渡の「コーヒーブルース」を聴いた時、その声のやわらかさとゆったりとした演奏がとてもよかったので、いつかライヴを見たいと思っていて、それが実現したのだが、なんと最初の曲はそのコーヒーブルースだった。コーラスというかツインヴォーカルとでも言った方が正確な感じがするが、CDの印象そのままで、その不思議な世界に引き込まれた。つづいてやった何曲かも不思議な感じの曲が多かったが、前面にでている二人の歌がどれも気持ちよかった。
〈朝日美穂〉
一人でやっているので、コーラスなんてことはないが(サンプリングでコーラスを入れている曲もあったが)、ヴォーカルとキーボードのバランスがすごくよくて、声がいつになく透き通って聴こえた。これは一つ前のミニアルバム『HOLIDAY』の音だ。そんなこと当たり前なのだけれど、声が主役だと言いたい。弾き語りのステージ裁きは貫禄すら漂っていた。新曲と思われるJerry Lee Lewisのロックンロールみたいな曲が面白かったし、ウラのリズムで続けて歌われたHoliday~雨上がりの午後がすごくよかった。
トモフスキーに続いてSOS(サウンドオブ下北沢)のCDを発売するとのこと。これは楽しみ。
〈トルネード竜巻〉
このバンドもライヴを見たかったのだが、念願叶う。
想像以上にサイケな音を出していた。キーボードの人が曲も作り、バンドの主導権を握っているという印象が強くて、ヴォーカルの影が薄いのではと思っていたが、意外とパンチのきいた歌で存在感があった。ゲストでコーラスが加わっていたが、よく聞こえなかったのが残念。あともう2,3曲はやってほしかった。
出演者のうち、このバンドのみメジャーの会社からCDを出しているが、このイベントはバンド主導で企画されているらしく、業界臭みたいなものがなくすごく気持ちよかった。