【 山 踏 跡 】

白根南嶺・深南部・南ア・北ア中心に思い出に残る過去山行、日々山行の記録

2001 4月 白根南嶺(転付峠-白剥山-笹山-広河内岳)縦走【山行記録&雑感 】 

2001-04-28 21:55:59 | 白根南嶺

                   ↑第2展望台付近より千枚岳、悪沢岳、丸山、マンノー沢ノ頭

                        
  残雪の白根南嶺 山行記録 

       2001年4月27日~30日 (単独)
                      
白根南嶺(転付峠-白剥山-笹山-広河内岳)

                         【山行記録&雑感 】 


奈良田越え付近より 大井川東俣左岸林道 ・蝙蝠岳2864.7m

 ・登山口駐車場へは内河内沿いに進み田代発電所を過ぎてその一段上にある。4台程度?一杯であれば道路の路側帯?が広いのではみ出さず3~4台は近くに駐車可能

転付峠までは過去の下りのイメージより歩きやすい感じ、保利沢小屋を過ぎ40~50分先の河原を渡り峠への登りが始まるまでは適度なUP、DOWNと河原の変化もあり苦にならず歩けた。(登り始めがバス停でなく登山口まで車ではいってるせいも有る…一時間以上はかせでいる)

前週に偵察で転付まで行った際、GWに備え地元の方2人(どこからか委託されているようだ)が山道整備をされていた。去年沢の崩壊により通行困難とされていた所も橋が渡され、又道を塞いでいた直径1M程度の倒木も切断されて容易に通行可能となっていた。有りがたい事です、地元の人に感謝せねば。

転付峠まで3:10、ゆっくりいっても3:30~3:45?。ここは南アルプスを覗きに行くには最短のところかも。展望台からは徳右衛門で塩見は見えないが聖から北岳までみとうしが利き天気さえ良ければ絶景!

・転付から奈良田越までの林道は一部崩壊個所もあり落石には注意したい。・…途中ニホンカモシカに遭遇、鹿の足跡は山行中多く見られた。笹山では熊らしき足跡?も

奈良田越には予定より早く着いた。ここでテントを張るには味気の無い所だし、例のごとく先を急ぐ事にした…目安は15:00とし天場を探しながら白剥山(展望も無く雰囲気がいまいち)をやりすごし雪道に苦戦しながら尾根を追う。時間的にもそろそろという頃、高度2350m付近でルートを北西に替える所で積雪も無く小広い所を発見、近くにシャクナゲの幼木があったので踏まぬよう注意して幕営。…TELは時々切れたが使えた。…翌日笹山手前の2550m手前付近でも可。大門沢は不能、この付近展望の効くところでは使用可能と思われる。

笹山の手前無雪期はルートを右に巻いていくようだが今回は積雪の為ハイマツ漕ぎもなくほぼ直登。ただ2550mを過ぎた頃より奈良田側に張り出したセッピに注意!可能な限り尾根のハイマツ側を歩く事、トレースの信じ過ぎに注意。

展望の良い笹山はすっぽり雪に埋もれていた。白銀の世界から見るモノトーンの山々は絶景、写真を撮りながらおそめの朝食とした。笹山をでると前を歩く二人のトレースの脇に動物の足跡が同じ方向についているではないか。形が鹿ではなく初めて見る形、握りこぶしをつぶしたような…熊ではと思った。そこから咳払いの連呼が始まる。結局北峰手前でトレースより外れていった。が熊がいると思うとチョット咳払いが多くなる。

・前のパーティーは白河内岳には寄らず先行したようだが自分はピークハント実行、一気に上るとここも展望は素晴らしい…でも景色はほとんど一緒なので徐々に飽きてくる贅沢さ、それでも勤続25周年記念に北岳、塩見、蝙蝠を縦走したルートを眺めて懐かしく思った。今日はどこまで行くか?悩みながら大籠岳、広河内岳の方向を確認する。この時間だと大門沢下れちゃう、明日は天候が崩れてくるようだし大門沢の下りにも不安があったので早めに降りることにした。

・大籠岳はいつのまにか通過し今回山行の最高地点広河内岳(2895m)に一気に立つ。ここで歩いてきた山並みを見ながら、そしてもう降りてしまう名残惜しさ感じつつ昼食を取る。ここから見る大門沢下降点…やはり不安!急斜面で雪はついてるは木はないは、どうしよう。

不安を抱きながら下降点に下りていくと先行パーティーが休んでいた。北岳に抜けるかここで降りるか昼食しながら検討中との事。先に下りて行ってほしいところだが昼食済のの自分が先行となる。アイゼンをはくが6本、降りて行く斜面は100M以上木のない急斜面ちょっと歩いたら雪面の上側が流れる…瞬間雪崩がおきるかも。よくみると左方向にハイマツが下の尾根に向かって伸びている。ハイマツのすぐ脇をトレース、ピッケルを持つ手にも力が入る一歩一歩踏みしめながら進み緩斜面に成ったとこで瘤に向かった。木はまばらに増え始めたものの目印もなくひたすら尾根を詰める感じになる。急斜面で雪に足を取られ滑落停止訓練?多々実施。尾根を詰めてはいるものの不安に成る。しばらくして先のパーティーが追いついてきて先行してもらう。…後ろは楽だ。疲れも出てきたので小屋まで先行してもらう。(パーティーは登山口、奈良田越?、白河内岳先付近で泊まった模様…荷物は大きいが元気だ、頼れそう)

積雪は転付峠の水場手前付近から北側斜面に残っており以降林道もほぼ80%以上は雪道、山中はほとんど雪の中。ピッケル,アイゼン(10?or12本)必携は大門沢下降点から河原に出るまで。急斜面では滑落・なだれに気を付けハイマツの近くや、滑って転んでもいいように木々の多い所を選んで歩いた。(急斜面でのふみぬきはキツイ…片足が腰近くまではまると一人で抜けるに四苦八苦、一緒に降りた人は一回転もあったとの事。)ちなみに滑落停止訓練回数???数知れず!…積雪期のこのコース最難関は大門沢をいかに下るかだと思う。

大門沢から小屋までも積雪が多いのでどこを歩いて良いやら悩むが、所々に有る赤目印を追いながら沢に沿って下って行く。一ヶ所右から流れくる沢を渡る事に成るが沢を雪が覆っているのでその上を通過することになる。雪が融けかかっているので陥没しないかびくびくしながら一気に渡る。…出来るだけ上流のほうが雪が厚そうだ。

小屋は開放されていた。先に着いていた二人の後に入り自分の寝床を掃除して確保した。一人の人がどこからかスリッパを確保してくれたので重宝した。二人はさっそく焼肉じゅうじゅうやり始めたので若干早いが明るい外で晩酌、晩飯を山を見ながら始めた。…しかし誰も来ないなー登りも下りも!結局3人だけの小屋泊でした。

・前日の大門沢の下りで思いのほか時間を食ったのでバスの時間も気に成り5時発とした。途中登ってくる人に遭遇、早い時間だったのでどこから着たのかなと思ったら途中山小屋風の建物があったのでどうもここへ住んでいるようだ。山が詳しいようで大門沢の様子を見に行くとの事だった…大門沢小屋の小屋番かな?奈良田までは意外と早く着き時間を持て余した。バスは貸切で田代まで一人だけだった。

田代のバス停からは一時間の目標で黙々と歩く途中オートキャンパー、渓流釣りの人も多く雪が無い分、大門沢とはえらい違い賑わいだ。後半一気に高度を上げていくので少々ばてたがほぼ目標どうり到着した。

 【失敗】

・奈良田越以降の地形図を持ったつもりが忘れてた。幸い1/50,000とガイドブックが有り、コースも見通しが利く所が多かったので事無きを得た。やはり25、000の地形図とコンパスは要チェックだ(ちなみにコンパスは予備は持っていた)

車で登山口へ向かうときの注意、新倉の民家街を通過しトンネルを抜け思わず次のトンネルも行っちゃって…行き過ぎた。正解は最初のトンネルを抜けたら即右に入る旧道があるので行き過ぎないようトンネル出口が近づいたらスピードを落として右折に備える事。

積雪があり森林限界を超える山行の場合アイゼン12本は必要今回6本の軽アイゼン不安でした。但しこの時期の雪質は直ぐ団子が出来るのでスノーアンチプレート?付きのものを使用したほうがベター。緩斜面ではアイゼン無しのほうが歩きやすい。そしてワカンジキは邪魔くさかった…新雪のラッセル用だな。


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