Ad novam sationem tecum

風のように日々生きられたら

JAPAN JAM 2011 感想 ⑧

2011-05-21 07:56:29 | 日々の徒然

「ブン・ブン・ブン」

の宮本さんの

歌声と姿に魅了されつつ、

目がハートマークのわたくし

素敵さに、頭がくらくらして、

あれや、これやと

プチ混乱しているうちに

あっという間に曲が終了。。。。

(ほんとに、すみません。)


楽しい時間は、あっという間に過ぎて・・・。
(↑宮本さんが、後でおっしゃっていた。)

本当に、楽しかった


次の曲は、どんな曲だろうと、

胸がドキドキ

宮本さんが、言う。

「とても素敵な曲で、若い頃から、ずっと、
車の中や、部屋で、
何度も、何度も聴いていました。」

そして、
蔦谷さんのキーボードの音が
美しく、静かに、

会場に響く。



「スローバラード」


私も、知っている曲だった。

その歌を、

私は、

聴いたのを

覚えている。



静かな夜。


世間から取り残されたように

若い二人が、

ひっそりと
寄りそう姿。


二人でいること。

きっと、
そのことが、

二人には
何にも変えがたく

幸せなことで。


二人は、
一緒にいた。


そんな光景を
思い浮かべて

聴いた。



甘く、せつない

素敵な曲だと思った。


この曲を聴いたとき、
少しだけ、

宮本さんだったら、この歌を
どんな風に歌うんだろう、
って思ったことがあった。

そして、
そのときには、全く想像しなかったけれど、

そんな機会が
今、訪れることになるとは。

胸がドキドキしてくる。


「昨日はクルマの中で寝た

 あの娘と手をつないで 」


宮本さんの声が、

静かに、

響いた。


まるで、

その時を壊さないようにするみたいに、

静かに、やさしく

宮本さんは、歌い始めた。


そして、その想いが、

あふれだすように、

歌声は、
広がっていって、

ひときわ、長く響いた。

いつしか、
その歌声が、

少しだけ
悲しみの色に染まって、

そのせつなさで

私は、胸がいっぱいになった。




宮本さんは、

二人だけの時を
歌っていた。


世界に二人だけしか

いなくて。


そこに、

歌だけがあって。


二人には、

それしかなくて。

でも、

二人で
いる。

それが、

何よりも幸せなことで。


だけど、

その、
ただ、手をつなぐことさえ、

私には、
できなくて。


宮本さんの歌が

私の心を想いで
いっぱいにして、


私は、その想いを
外へ出すことができずに、

ちょっとだけ苦しくなって
下を向いた。


でも、

宮本さんは、

やさしく

語りかけるように、
歌った。


「あの娘のねごと聞いたよ

 ほんとさ 確かに聞いたんだ」


私は、顔を上げて

宮本さんの姿を見つめた。


宮本さんは、

遠くを見つめて

歌っていた。


けれど、

私は、

宮本さんの想いに

ちゃんと触れたような
気がしました。


宮本さんの表情は、

切なげで

悲しみさえ浮かんでいるようにも
見えたけれど、

でも、
はっきりと
歌っていた。


伝えるべき想いを

歌にのせて、

その想いを
しっかりと

届けてくれた。




「ぼくら夢を見たのさ

 とってもよく似た夢を」




私は、
この日の少し前に、

宮本さんに聞いた。


宮本さんの夢って何ですか。


夢。

夢は。





私は、

夢について
もう一度

考えてみた。


宮本さんの
いろんな言葉を


思い返しながら、

その言葉の意味を

反芻していた。


夢。


夢は、

儚くて。


つかまえたと思っても

すでに、この手にはない。



だからこそ、

手に残された

夢のかけらを
拾い集めて、

人は生きていく。



夢は、

形のないものなのかも
しれない。



はっきりとは、

わからないけれど、

それを追い求めて、
人は

生きていく。


そういうことなのかな、
と思った。



私たちの目の前にあるのは、

生きていくという
現実。

でも、人は、
その現実を生きながら、

夢を見て、

夢に生きることが

できるのではないかと思うし、

夢を見ながら、

現実を生きることが

できると思う。




夢。


夢を、

人は、

眠りに着く頃に

思い出す。


あるいは、

夢から醒めて

思い出すのかもしれない。


それが、夢である。

それが、夢であったと。


何度も、
何度も

私たちは、

夢を見ながら

それが夢である、

夢であったと

あとから
思い出す。


そういう夢を

繰り返し

何度見てきただろう。


これから、

何度、見るのだろう。




私は。


あなたがいたら、

それで、いい。


あなたのそばにいられたら。


ずっと、ずっと、

そばにいられたら。



それが、

私の
夢だと

私は、
思っていた。



でも、
それだけじゃなくて。

そうじゃなくて。


あなたがいる。


それが
全てなんだと思った。


あなたがいる。


あなたがいるから、

私は、

生きることができる。


どんな夢でも
見ることができるのだと

思った。



何度も、

何度も、

繰り返し、

夢を見ながら、

何度も

何度も、

繰り返し、

生きようと
願うだろう。


あなたがいるから。



この世界には

あなたがいるから。


あなたと一緒に

生きていくこと。


この、同じ世界で、

生きていくこと。



だからこそ、

少しでも

長く

同じ時間を過ごせたら
と思う。


同じ瞬間を。



少しでも

長く。


それなのに。



それなのにね。



そばにいてください。

ずっと、

そばにいてください。


夢を見たい。


あなたと、同じ夢を。


せつなくて、
苦しくて、

でも、

あたたかな
歌だった。


宮本さんの歌声が

やさしかった。


そして、


再び、

ゆっくり音楽だけが
響く時間があって、

その曲が

終わった。


その時間は、

たしかに

二人だけの時間だったと

私は、感じた。


大きな拍手が鳴り響いて、

私は、
たくさんの人の中で

ステージに向って
拍手をしている私に

戻った。


けれど、心の中には
たしかな想いが

残った。


素敵な時間だった。