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dayan1998のブログ

Ad astra per aspera.

初春、または希望

2021-03-21 10:39:32 | 日記
 昨日は友達の張君と、半年も隔てて避暑山荘へ行きました。一昨日では雨が降りつづけたので、曇って朝雲が波のように舞っていました。不意に、急雨がばらばらと落ちてしまいました。
 傘も携わらない僕たちが、慌てて走りながら屋根を探していたが、雨が止まりはじめ、何分後一本の陽射しが雲を透かしてやってきました。春であんまり見えない狐の嫁入りになりそうでした。
 「いい雨ですね。」と、張君はそう言いました。「春雨は油如しの貴きじゃねえか?」
 
 
 「そうだね。」と僕が返事しました。頭をもたげると、きれいな瑠璃塔が見えました。「六合塔」というやつでしたっけ。何十個の銅製の風鈴が一層ずつののきでそよ風に吹かれ、こころよい声がはっきり聞こえました。
 「あの鈴ね、不思議な厄払いの役割があるそうだぞ」と、張君はからかうようにそう言った。
 「そうすればいいかな」と返事してくれた。本当に、もし本当にそうなればいいでしょうね。コロナ禍に苦しんでいる僕たちも、そして中国も日本も、そして世界も、早くその厄を払いたいなあ。
  初春は「希望」の象徴でしょう。春雨よ、希望を持ってきて、未来を良くなってねと、祈っていました。

平成の最後の春

2019-04-15 09:02:39 | 日記
まずは一句の川柳を上げる。
月光と 杏の華の かすかな香
一週間前くらい、校庭で散策した。夜の風は優しく通り過ぎ、不意に、ぼんやりとの薫りは鼻の中に満ちた。杏の一本は満開した。月下でゆらゆらしている重そうな枝は、絢爛の花も月華を反射し光った。
「ああ、春がもうやってきたなあ」
という文が口遊まれた。
故郷と違って、大連の春は少し遅れる感じがある。海辺の風は寒くて力強く、女たちの髪を吹き乱すとともに、大地からようやく昇った陽気も一緒に散りゆく。そのため、芽生えも遅い。「夜来風雨の声、花落つること知んぬ多少ぞ」と比べ、まるで二つの世界のようだ。
こんな感じは多分、「令和」の感じではない。
新年号公表の時、私はコンピュータ教室で生放送を見ていた。柔らかな日差しは窓を越した。梅を詠む和歌の、「于時初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香」の序から摘まれた言の葉と言われた。淑やかな気と和やかな風は大連で感じられない。でも、梅と蘭の香は、空気の中で流れているでしょう。
私は新しい時代を、新しい心情で迎えることが大切にします。こんなぽかぽか暖かい春の日和では、難しくないだろう。


(写真は学校の外の花)

平成31年4月15日 大連金州において