鞦韆院落

北京で過ごすインディペンデント映画な日常

拘留

2014-05-09 03:19:44 | 其他
日本でもニュースになっているのでご存じの方も多いかと思いますが、いま北京で弁護士や学者が何人か当局に拘留されています。
理由は、自宅で天安門事件に関しての私的な研究会を行ったためで、これが「故意に騒ぎを引き起こした罪」にあたると当局は主張しているそうです。

日本では、逮捕された人として浦志強の名を挙げている記事が多いですね。
彼は有名な人権派弁護士で、例えば艾未未が逮捕された時にも弁護をしていたので『艾未未的上訴』の中にも出ていて、映画の中で正義感に満ちたその人柄を見ることができます。
他にも拘束されたのは何人かいて、その中には北京電影学院の教授である郝建もいます。
この写真で後列左奥に立っている男性です。
その隣にいる女性は崔衛平ですね。同じく北京電影学院の教授で、彼女も拘束されたそうですが、現在は帰宅しています。

郝建は私も知り合いで、天津で日中の映画上映会をしたときにゲストとして来てくれたし、最近では顧桃の結婚のときに宋荘で会いました。
ハリウッド映画が専門らしいのだけど、インディペンデント系の映画祭には必ず足を運ぶ人で、飾らない人柄なので、我々の仲間にも彼を慕う人がたくさんいます。

彼らが拘束された翌日から「連絡が取れなくなった」という情報が微博などに出始めたのですが、詳しいことを書くとすぐに削除されてしまうため、「無事でありますように」といったさわりのない表現による書き込みが中心です。
賈樟柯など多くの映画人が、ここ数日で彼の名前を挙げた書き込みをしています。
皆それなりに情報を共有しているため、知っている人は経緯を含めて状況を理解していると思います。
でも国内では報道が一切ないし、そもそも関心のない人が多いので、一般には知られていないかもしれません。

映画人にとっては、身内が掴まったという衝撃もありますが、やはりこの状況に危機を感じていると思います。
人権活動家などへの締め付けは近年ますます厳しくなっていて、現政権の焦りを表しているかのよう。
領土問題などもそうですが、現政権は非常に危険な舵取りをしているように見えます。

ところで、中国では逮捕されても家族などに警察から連絡がなかったりするので、家族はどこでどうしているのかも分からなかったりします。
それでも家族がいればまだ周囲に働きかけたりするわけですが、私のように独りで暮らしていると、そもそも失踪していることに誰にも気づいてもらえなさそうです。
この頃ブログが更新されないなあと思ったら危険信号かもしれません。


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