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M&A会計で「のれん」発生額を少なくする方法に思う

2006-09-27 | 事業再生・M&A

いつも冴えない記事ばかりで恐縮です。

本日はあずさ監査法人主催の財務総合セミナー(無料)に出席し、
M&Aに関していろいろ勉強してきました。
私のような門外漢に対し、快く出席を認めて下さったあずさ監査法人に
厚く御礼申し上げます。

で、その中から、個人的に面白いと思った情報を備忘録的に
記録しておきたいと思います。


本日のネタは、「のれん」発生額を少なくする方法について。
ご存知の通り、企業結合会計基準の適用開始により、
合併は原則パーチェス法で処理されることはこのブログでも
何度かご紹介したところです。

しかし、多額ののれんを計上するとなると、相応の償却費が毎期発生して
将来の利益を圧迫することになるなど、いろいろと厄介です。

そこで紹介されたのが、「のれん計上額を少なくする方法」でして、
以下、列挙しておきましょう。
(ただ、私の聞き違い、勉強不足、言葉足らずの面もありますので、
  まっ、参考程度にして下さい。)

------------------------------------------------------------------
① そもそもパーチェス法でなく持分プーリング法を適用できるようにする
          (→これが出来れば苦労しないけど・・・・)
②非上場会社の特例の適用?(→負債調節?)
③「共同支配下の取引」の形態に持ち込み、持分プーリング法に準じた処理
   を適用させる
④条件付対価取得条項を付して、のれん発生額を抑える
⑤株価(株式時価総額)を現実的・合理的な水準まで減らす
⑥資産時価を増やしたり、無形固定資産への計上額を増やすことで、
   のれん計上額を抑える
⑦取得後短期間の発生が予想される費用・損失の計上(負債:特定勘定)
   を抑える
-------------------------------------------------
もっと勉強したい!方は以下のHPもご覧下さい。
■「企業結合に係る会計基準」 3.取得の会計処理
http://gaap.edisc.jp/docs/01/420303/

■ 企業結合・事業分離会計について(あずさ監査法人HP)
http://www.azsa.or.jp/b_info/letter/80/01.html

・・・・・・しかし、いろんな手法があるもんですね。
上記の⑤を見ますと、思いっきり語弊がありますが
「株価操縦ではないか?」とすら感じます。

昨今のM&Aはオークション制が多用されているので多額のプレミアム支払が
発生しやすい=多額ののれんが発生しやすいですから、
買収側にとっては結構切実な問題なのでしょう。
M&Aの会計戦略は、言い換えると、「のれん戦略」なのかも知れませんね。


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