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ヤフー追徴課税265億円に思う

2010-07-01 | 会計・株式・財務
久々に財務系ネタ。

まずはJ-CASTニュースから。
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ヤフーに追徴課税265億円 異議申し立てへ

大手インターネット関連企業「ヤフー」(東京)は、東京国税局から申告漏れの指摘を受け、約265億円の追徴課税支払いを求められたと公表した。2010年6月30日付の発表資料によると、国税局の指摘について「到底納得できるものではない」として、国税不服審判所へ審査請求を行う方針を明らかにしている。

東京国税局の指摘は、ヤフーが09年、繰越欠損金を抱えていたソフトバンクの子会社を買収したのは節税効果が目的で、事業上の必要性から行われたものではない、というものだ。しかし、ヤフーは「ビジネス上の必要性を討議した上で(両社の取締役会で)機関決定されている」と反論。「当局の指摘は一方的で、予断に満ちており、慎重さを欠いています」とも批判している。
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(コメント)

本件に関しては、私が毎日ウォッチしている
吉永康樹氏のCFO News
「ヤフーのIDC合併の際の繰越欠損金引き継ぎを国税否認」

で丁寧に解説されておりますのでそちらをご参照ください。


読んでいた私は、アレッ、これはどこかで記事にしたなと・・・・
そう、09年2月26日 ソフトバンクの子会社キャッチボールに思う

(コメントでご指摘していただいた方、ありがとうございました。よく覚えていましたね。)

この時は、税務上の欠損金を抱えた子会社を、収益力のあるヤフーに譲渡し、
その欠損金を引き継ぐことによって、ソフトバンク連結での繰延税金資産が増加。
ひいては自己資本が増強される・・・・・・・ってことに力点を置いて書いておりました。
もちろん、繰延税金資産の増加は、そのまま将来の節税効果を意味する訳ですから、
当時の私の着眼点はまんざら悪くなかったかもしれませんね。


結局のところ、国税から「これは節税目的だろ!」とクレームがついているワケでして、
やはりそうかと思った次第。
ただし、吉永氏のブログにもありますように、事は単純ではなさそうです。
今回適用された「組織再編成に係る包括的租税回避防止規定による否認」がいかなる
趣旨で適用されたのか判然としないようですね。
今後の推移に注目していきましょう。


しかし深刻な税収不足の日本。
財務に余裕のあるヤフーのことですから、
心情的には日本の財政を助けてやってよ!って思いますけど。

なかのひと

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コメント (1)    この記事についてブログを書く
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1 コメント

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どうも (アッキー)
2010-07-10 22:15:22
コメントした者です。

ありがとうございます。
記事として印象に残っていたので覚えていました。

あと良く覚えているのは
「邯鄲の夢」です。

それでは
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