ご心配おかけしました。
私は相変わらず本業の財務アナリストをやっております。元気です。
今年に入ってからというもの、不動産鑑定士試験の準備などをいいことに、
すっかり更新を怠ってしまいました。
(本日、鑑定士の模擬試験があり完敗でした。)
最近は素性を知る人からの「更新していないね」とクレームが増えてきており、
流石に何か書かないとマズイ状況になってきました。
さりとて特にネタは持ち合わせていませんけどね。
この1ヶ月というもの、日興コーディアル問題の意外な決着でズッこけ、
グッドウィルの業績修正と監査法人交代と西武の裏金問題で「それ見たことか」
と一人息巻いた私ですが、
その中でも一つ、「非常に玄人受けする会計処理」
を見つけました。
今回はそれをご紹介しましょう。
伊藤忠商事が筆頭株主として出資しているオリコについてです。
既に新聞で報道されてご存知のように、オリコは例の貸金業規制法の改正に伴い、
多額の特別損失を計上。
このため、当社が発行する3,000億円以上の優先株を保有している
みずほフィナンシャルグループがDES(デッドエクイティスワップ)などの
資本増強策を講じて支援していくというものです。
伊藤忠も300億円もの第三者割当に応じるようです。
で、一連の動きの中で、私の最大の関心事は、
「伊藤忠商事がどういう風にふるまうのかなぁ」ということでした。
といいますのも、
伊藤忠は2年前に約700億円を投資してオリコの筆頭株主になったのに、
わずか2年で410億円(税効果考慮後⇒とうことは全額?)も
損をしてしまったのです。
投資はあくまで自己責任とはいえ、当時、提携の仲介役となったとみずほFGは、
伊藤忠のメンツをすっかり潰してしまったと、私は理解していました。
ですので、この先、さらに300億円を出資してくれ、とはなかなか言い出しずらい。
語弊がありますが、私がみずほの立場なら、
今度出資させる以上は「もう損はさせらない」
と考えてしまうでしょう。
伊藤忠からしても、累計1,000億円もの投資となるわけですから、
株主にしっかり申し開きできないといけない。
・・・・・・伊藤忠のメンツをいかに立てるか、同社の株主にも少しでも納得してもらうのか。
そう思っていたところ、
先日の日経金融新聞に確か以下のような趣旨の記事がありました。
「伊藤忠、オリコの優先株式併合により08/3期に300億円の利益発生」
テクニカルな話は割愛しますが、結論だけ言いますと、
みずほFGが投資していた優先株の価値を大幅に減じる(=一種の債務免除のようなもの)
ことにより、伊藤忠商事にとっては一定額を利益として計上することができる、
というものです。
伊藤忠が採用している米国会計基準ならではの処理とのことですが、
会計上、みずほから伊藤忠へ利益供与があったと見ることができるのです。
(これも語弊がありますけど)
会計上、伊藤忠の被った損失は先の300億円だけ圧縮されるのです。
なるほど、これなら、伊藤忠のメンツも立つかもしれない。
みずほサイドがこうした効果まで想定して会計処理をしたとすれば、アッパレです。
こういう利害調整機能が会計にはあったんですね・・・・・。
と・・・・復帰作が難解なネタで恐縮です。
当面は、「会計の平成20年問題」が話題になりそうなので、
また、折を見て投稿したいと思います。いつになるかは分かりませんけどね。
私は相変わらず本業の財務アナリストをやっております。元気です。
今年に入ってからというもの、不動産鑑定士試験の準備などをいいことに、
すっかり更新を怠ってしまいました。
(本日、鑑定士の模擬試験があり完敗でした。)
最近は素性を知る人からの「更新していないね」とクレームが増えてきており、
流石に何か書かないとマズイ状況になってきました。
さりとて特にネタは持ち合わせていませんけどね。
この1ヶ月というもの、日興コーディアル問題の意外な決着でズッこけ、
グッドウィルの業績修正と監査法人交代と西武の裏金問題で「それ見たことか」
と一人息巻いた私ですが、
その中でも一つ、「非常に玄人受けする会計処理」
を見つけました。
今回はそれをご紹介しましょう。
伊藤忠商事が筆頭株主として出資しているオリコについてです。
既に新聞で報道されてご存知のように、オリコは例の貸金業規制法の改正に伴い、
多額の特別損失を計上。
このため、当社が発行する3,000億円以上の優先株を保有している
みずほフィナンシャルグループがDES(デッドエクイティスワップ)などの
資本増強策を講じて支援していくというものです。
伊藤忠も300億円もの第三者割当に応じるようです。
で、一連の動きの中で、私の最大の関心事は、
「伊藤忠商事がどういう風にふるまうのかなぁ」ということでした。
といいますのも、
伊藤忠は2年前に約700億円を投資してオリコの筆頭株主になったのに、
わずか2年で410億円(税効果考慮後⇒とうことは全額?)も
損をしてしまったのです。
投資はあくまで自己責任とはいえ、当時、提携の仲介役となったとみずほFGは、
伊藤忠のメンツをすっかり潰してしまったと、私は理解していました。
ですので、この先、さらに300億円を出資してくれ、とはなかなか言い出しずらい。
語弊がありますが、私がみずほの立場なら、
今度出資させる以上は「もう損はさせらない」
と考えてしまうでしょう。
伊藤忠からしても、累計1,000億円もの投資となるわけですから、
株主にしっかり申し開きできないといけない。
・・・・・・伊藤忠のメンツをいかに立てるか、同社の株主にも少しでも納得してもらうのか。
そう思っていたところ、
先日の日経金融新聞に確か以下のような趣旨の記事がありました。
「伊藤忠、オリコの優先株式併合により08/3期に300億円の利益発生」
テクニカルな話は割愛しますが、結論だけ言いますと、
みずほFGが投資していた優先株の価値を大幅に減じる(=一種の債務免除のようなもの)
ことにより、伊藤忠商事にとっては一定額を利益として計上することができる、
というものです。
伊藤忠が採用している米国会計基準ならではの処理とのことですが、
会計上、みずほから伊藤忠へ利益供与があったと見ることができるのです。
(これも語弊がありますけど)
会計上、伊藤忠の被った損失は先の300億円だけ圧縮されるのです。
なるほど、これなら、伊藤忠のメンツも立つかもしれない。
みずほサイドがこうした効果まで想定して会計処理をしたとすれば、アッパレです。
こういう利害調整機能が会計にはあったんですね・・・・・。
と・・・・復帰作が難解なネタで恐縮です。
当面は、「会計の平成20年問題」が話題になりそうなので、
また、折を見て投稿したいと思います。いつになるかは分かりませんけどね。