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リース会計「例外」廃止。今度は本気かも。 

2005-09-06 | 会計・株式・財務
本日(9/6)の日経新聞企業財務面に、
「リース会計、「例外」廃止へ-会計基準委、審議を再開-」との
記事が出ていました。


日本の現在のリース会計では、
解約できないファイナンスリースは原則、
オンバランス(資産と負債を両建て計上)です。

しかし、例外規定がありまして、
リース契約満了時に借り手企業に
所有権が移転しなければ(=所有権移転外)、
資産計上せずに、貸借対照表の注記のみでOK
というものがあります。


今回、この例外規定をなくそうとする動きが
"再度"出て来たのです。


再度、という理由は、これまでも何度も何度も
検討されていたのです。
そして、その都度、利害関係の大きいリース業界から
反発を食らっていたのです。

おりしも、先日、
CESR(欧州証券規制委員会)による
「会計基準の同等性評価」の結果が明らかになりました。
これは、日本の会計基準は、国際会計基準と照らして
同等性が認められるか、に関する影響力の大きいコメントです。


その中で、日本の例外的なリース会計処理については
実は、「注記」があるので国際基準と同等性があるよ。
ということだったのです。


そういう事情を踏まえますと、
何もいまさら変更しなくても良いじゃないかとは思います。

賢明な投資家でしたら、注記情報をもとに財務状況を
的確に修正して、投資判断に結びつけることができるからです。

とはいえ、
会計処理の透明性を高めたいとする企業会計委の気持ちはわかる。
がんばれ。

一方のリース業界。
借り手が注記からオンバランスにされると、
リース料の税務上の扱いが変わって、
借り手企業のリース取引の利点がなくなり、
取引が大幅に減る、
と懸念しているようです。

税制の取り扱いが最重要ポイントであることは
疑いのないところです。

しかし、欧米の企業は、
現に所有権移転外リースをオンバランス処理している
訳ですし、海外のリース業者の淘汰が進んでいる
との話も聞きません。


リース業界は少し考えすぎではないでしょうか。
昨年度、まるまる1年間先送りしてもらった(※)のですし。
もう、十分抵抗したでしょ。

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<※裏読み解説>

昨年、企業会計基準委員会から、リース事業協会に対し、
「そんなにグダグダ言うなら、時間をやるから、税制面まで
 調整したうえで、解決策を示せ!!」
と課題を丸投げしたのです。

リース事業協会では1年かけて検討の結果、
「やっぱり、今の基準を存続させましょうよ」
とほぼ”お約束”の回答。

これに企業会計基準委員会がブチ切れたというのが
真相ではないでしょうか。



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2005-09-09 11:35:42
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