◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

IRの品格

2007-04-28 | 会計・株式・財務
いよいよ決算発表が本格化!
自称財務アナリストである私も「決算説明会」という名の「ミネラルウォーター試飲会」に行って参りました。(本日はボルヴィックでしたね)。


本日行って来たのは「海運業」のお会社でしたが、金曜の午後ということもあり
「船を漕ぐ」出席者が多数見られました(⇒これが言いたかったんです!)。


かくいう私も着席早々、睡魔と戦っておりましたが、開始早々、
先方の役員さんのお話で目が覚めました。


確かこのようなお話でした。
「自社の株価はPERで15倍と安すぎる。
シクリカル・ディスカウント(収益が景気循環等の影響を受けやすく、その分株価が
ディスカウントされるということでしょう)というのも理解できるが、
近年の業績は比較的安定しており、
もうそろそろ東証平均の22倍で評価してもらえないものだろうか?」


株価が高いか安いかはそれこそ投資家が判断すべきことで、
発行企業がその水準に言及するってことは一種のタブーだと思ってた私は、
「随分と正直な会社だな。でも本当に安いと思うんだったら、
 自社株買いすればいいのに。何故やらないんだろう?」と思った次第。


その疑問は、直後の社長様のお話で解消しました。
つまり、全上場会社の主要経営指標で見たランキングで50位前後にあるそのお会社が、
上位20位に入るためには、自己資本を積み増しして自己資本比率を高める必要がある
ということ。


しかしよくよく考えて見ますと、その上位20位に入ったところで
投資家に何のメリットが無ければ意味が無い。
何となく経営者の名誉欲につき合わされるのような感じがして、
何かスッキリしません。


ですので、逆説的な見方かも知れませんが、
①自社株価に言及するIR、
②何だかよくわからないランキングの上位入り実現のために、
 自社株買いができない財務戦略、

・・・・・・・そういう状況だからこそ、株価が上がらないのかも知れませんね。

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