◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

「強欲資本主義 ウォール街の自爆」に思う

2008-10-21 | 会計・株式・財務
お疲れ様です。
相場も少し落ち着いてきたようですね。

でも、CDSスプレッドを見ておりますと、
表の末尾にあるソフトバンク。
700の壁を越えて順調に数値が悪化しております(10月20日参考値743.75)。
どこまでいくのでしょうか。ちょっと見ものです。



さて、本日はこの本を購入してナナメ読み。

強欲資本主義 ウォール街の自爆 (文春新書 663)
神谷 秀樹
文藝春秋

このアイテムの詳細を見る


著者のお名前をどこかで拝見したことがあるな・・・・と思ったら、
日経ビジネスオンラインで定期的に寄稿されていて、
節々で金融危機の警告を発していたんですよね。
金融危機が表面化してから雨後のタケノコのように湧き出てききた
「投資銀行けしからん!」的な付和雷同な論調とは一味も二味も違います。


内容はといいますと・・・・・
ウォール街の「強欲」「傲慢」ぶりとその醜さがよく伝わってきます。
見事なまでのモラルハザート。
こんな輩のために納税者が苦しむワケですから
これを不条理といわずして何という・・・・。



興味深かったのは次の2点。


------------------------------------------------------------
■世界恐慌のトリガー ~アメリカ政府が現在最も恐れていること
------------------------------------------------------------

①サウジ・アラビアがドル・ペッグをやめること、
②イスラエルがイランの原爆製造工場を爆撃し、
 その報復にイランがホルムズ海峡を閉鎖し、石油の輸送を不可能にすること、
③経済成長が停滞した中国で人民の不満が爆発し、国家が大きな混乱に陥ること、
④グルジアでの対立に始まるロシアとの冷戦の復活、

・・・・・・いずれかが起きれば「世界を大恐慌に落とし込む」・・・・・・って
書いてあるのですが、その根拠はもう少し欲しいところがあり
唐突感はあります。

それでも、世界情勢に疎い私にとっては、
今後のトリガーとして注目すべきことなのでしょう。



------------------------------------------------
■ウォール街の大物が何故、政府の高官になるのか?
------------------------------------------------

①使い切れないカネを手に入れたので、次は権力を手に入れたいこと、

②これまで金儲けばかりしていたので、少しは国のために働こうというもの、

③<最も当たっていると思われるもの>
 政府高官になると、民間との利益相反関係を防ぐために、
 持ち株を売却するよう求められる。
 これは強制力を伴うため、売却した株式の値上がり益には課税されない
 という特典が付く。
      ↓
 大物投資銀行家にとって、政府高官になるメリットは
 「タックス・ホリデー」だった!・・・・・・・・って結局、ここでも強欲かいっ!

 
 財務長官のポールソン!
 あんた実は、ポール”トク“だったのね・・・・・。



ところで、何でこの本を買ったのかって?


そんな野暮なことを聞かないで下さいよ・・・・・・・・
講演会&サイン会があるからに決まってるじゃないですか。

・・・・かくいう私も、ことサイン会に関しては、強欲かも。



++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


本日の1曲。

コメンテーターの温故知新さんがお引っ越し
されたというので・・・・。
引っ越しとくればこの曲。


キャンディーズ 「微笑み返し」


・・・でも、最終回ではありませんから。念のため。

もちろん、強欲資本主義とはお別れしたいですけどね。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 金融恐慌を生き抜く方法 | トップ | 日本中のならず者、サイゼリ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
引越と言っても (温故知新)
2008-10-21 17:34:41
温故知新です。えー、引越と言っても、もう住まなくなった昔の家を売却して、そのために放置していた荷物をトランクルームに引越しただけです。ですから、住んでいるところは変わっておりません。

それにしても売却したことによる売却損失を見るたびに涙が出ます。あーあ、あんなところにマンションなんか買うんじゃなかった......。
返信する
強欲資本主義 (snowbees)
2008-10-23 11:59:41
1)このブログも、内容を詳しく紹介しています。
http://blog.livedoor.jp/omttm202/archives/51282907.html
QTE コメント・・・・・・
どこぞやの学者とかエコノミストとかと違って生き馬の目を抜くウォール街の現場の一戦で戦い生き残っていて、長い間生でさまざまな絵柄を見てきているので、内容は非常に濃いしおもしろい。しかもまだ現役。
元々日系企業に勤務していたようだが、途中からゴールドマンに転職、現在は独立して自ら投資銀行としてさまざまなビジネスに取り組んでいるようだ。UNQTE
2)世界恐慌のトリガーについて。神谷氏は、日経BLのブログでも、説明も無く、論旨が突然に飛躍する癖がある。外交問題など同氏の不得手のイシューで。したがい、「たわごと」として放念すべきでは。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

会計・株式・財務」カテゴリの最新記事