ブログの中のポエム

私の人生のポエム

ゆうれい??

2010年07月18日 | 日記
その青年の頭の中は、彼女の事でいっぱいだった。
何処へ行っても何をしていても彼女の事を考えていた。
そんな日々が何日も続いていた。

ある日青年が部屋に帰ってきていつものように、彼女の事を考えていると、
何処からか声が聞こえてきた。
「いつも、私の事を考えていてくれて、うれしいわ。」
青年は驚いて部屋中を見回したが、彼女の姿はみえない。

おれは頭がおかしくなったのか?幻聴なのか?
この声は幻なのだと思おうとしたが、またもやその声は聞こえてきた。
「私は、ここよ。ここ。」しかし、何処を見回しても、
姿をとらえることはできない。またしても声、
「私は、ここ、ここよ、夢じゃないのよ。あなたの頭の中よ」
「あ~あ、おれも、とうとう頭がおかしくなったか。」

すると、またしても声、
「そうじゃないのよ、あなたがいつも私の事を考えていてくれるから、
あなたの頭の中に入ってあげたのよ。もう一生離れないわよ。」

そうか!そういうことだったのか!!
ということは、彼女もおれの事を考えていてくれたから、
気持ちが通じて、俺のところへ来てくれた、というわけか?
まんざら悪い気がしないでもない。心の中でそう呟いていると、
またしても声、

「そうじゃないのよ、あなたもうぬぼれの強い人ね。」
「じゃ、どういうことなんだい?」
「私は、昨日交通事故に遭って死んだのよ」
「じゃ、ゆうれい、っていう訳か?ということは、俺の事を、
死んでも忘れる事が出来ないので、死んでも死にきれず、
わざわざ、俺の所へ来てくれたという訳か?まあ、幽霊でもまんざら悪い気は、しない」

「しかし、あなたも相当うぬぼれの強い人ね、そうじゃなくて、それと全く反対なのよ・・
実はね、私は生前からあなたが私の事を、好いていてくれて、私の事を、
思っていてくれている事を、知っていたの。

でも私はあなたの事は、まったく興味ないしタイプでもなく、気持ちが悪くてしょうがなかったの・・・それで、昨日あなたの所へ行って、私の事は考えないでくださいと、
お願いに行こうとしている途中に交通事故に遭って死んだという訳よ。

要するに、自縛霊ってやつよ。だから、あなたが私を苦しめたように、死ぬまで離れないで
いてあげるのよ。」
事情が分かって青年は、ぞーっとした。
「アー俺はなんて、ついてないんだ。」
こんな事は、夢でしかありえないはずなのに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・