Watch paper 2020年

時計知識、技術

『多くの課題 Task1』

2020-05-07 16:29:53 | コラム 小論文
今日は課題その1 クオーツ腕時計編の話である。

上記のような機種が渡される。

シンプルである。

流れは…クォーツ腕時計が新品で目の前に配られる。制限時間内に分解し不具合箇所が無いようにピンセットで組み立てる。

至ってシンプルである。

作動するのに必要なエネルギーは電池から供給されるという基本構造からして電子回路用部品の種類、性質及び用途について概略の知識は必須である。

ピンセットに全てを託すのであるからしっかり練習する。ヤスリの練習も必要である。






電池の種類「SR」、「LR」「S」「L」、「R」の違いが区別できればもう電池交換は安心である。

巻真を測って新しく丈詰、時間精度の測定、電池寿命を算出、カレンダー機能や時刻を合わせ…用紙に記入するのは、単なる計算問題。消費電流値、コイル抵抗値、電池寿命値、消費電流値…このシンプル内容を満足させることが試験というわけである。


日々時計に意識を向けて…時計だけに限らず、自分自身を1年かけて組み立てる思考力は必要である。

9項目だけ挙げておく(これは日常的にも役に立てるように書き変えた)

1.完成図を見て、「時計の展開の順序」を繰り返し作業し次の段階「理解と納得」へ進む思考を作ること。     

2.分解・洗浄・組立て・注油を覚え次の段階「手順を減らし効率をあげる」に進めること
   
3.専門用語が理解できるかを確認して次の段階「位置感覚をつかむ」に進めること

4.機構を理解し次の段階「根拠、前提、主張」に進めること
            
5.実技をもとに、時間配分を理解し次の段階「数字で説明できる定量データで配分を確認」に進めること

6.1年間で修理箇所をつかみ次の段階「故障頻度データ収集」に進めること

7.目的を意識して次の段階「何のための時計修理か」に進めること

8.体系的に部品の役目を理解し次の段階「組み立て漏れを防ぎ、掘り下げて考えること」に進めること

9.検証する場合は、周囲の人の助けを借り「筋道の妥当性」を見極める。



数時間の試験に耐える…。
巻真の丈詰は会場の中でヤスリの音が響く…
交換支給された長めの巻真を丈詰し作成したものを最後に差し込み…完成である。
2級はクォーツのみ、1級はクォーツと機械式をどう時間で提出するのである。


用紙1枚と完成した時計を提出するだけのクオーツ腕時計編の話である。

最後まで見ていただき、ありがとうございました!

次回予定『あ行 多くの課題その2(1~4に分けて短く掲載)』
登場語録…時計、試験される事、機械式



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