[東京 18日 ロイター] 前場の東京株式市場で日経平均は反発。朝方さえなかった銀行株が安値圏から切り返したほか、ハイテク株もドル安?円高の一服でしっかり。ただ海外勢などのフローは細く上値は重かった。 10月ロイター短観調査(400社ベース)では製造業の業況判断(DI)は前月から2ポイント改善した一方、3カ月先行き予想は19ポイントの悪化と、円高や需要の先行き懸念から過去最大の悪化幅となった。今週末から本格化する9月期決算発表への不安感が強まっているという。 前場の東証1部騰落数は、値上がり1180銘柄に対し値下がり328銘柄、変わらずが146銘柄だった。東証1部売買代金は4534億円。 朝方はハイテク株高、銀行株安だったが、中盤から銀行株が切り返しハイテク株が重くなった。日経平均の上昇率0.50%に対しTOPIXは0.90%と高く、前週までの傾向が反転している。日銀の金融緩和期待で上昇していた不動産株が下落するなどリターンリバーサル的な動きが前引けにかけて強まった。ただ「フロー自体は細く、方向感に乏しい」(大手証券トレーダー)という。 今週末から本格化する国内企業決算発表に対しての警戒感も上値を押さえている。「業績予想を上方修正しても前提の想定為替レートが対ドルで90円付近にとどまり実勢とかい離しているようであればポジティブ材料とはなりにくい」(かざか証券?市場調査部長の田部井美彦氏)という。 市場では「全体のムードは悪くはないものの、依然として信用期日到来に伴う処分売りが断続的に出ており、重さを感じさせる状況だ」(中堅証券幹部)との声もあった。 個別では、マツダ<7261.T>が前営業日比1円安の213円。米フォード?モーター<F.N>が保有しているマツダの株式を売却することで調整していることが16日明らかになり売りが先行したが切り返した。市場では「フォードの出資比率は徐々に低下してきており大きな驚きはない。売却される株式も住友商事などが引き受けて市場で売却されないもようであり株価への影響は限定的ではないか」(明和証券の矢野氏)との声が出ていた。 千代田インテグレ<6915.T>は47円高の944円と反発。15日に発表された2011年8月期連結営業利益見通しが前年比20.2%増の16億円となったほか、自社株買いも材料視された。 一方、大幸薬品<4574.T>が大幅安。8月25日に付けた年初来安値913円を更新した。15日に2010年9月中間期業績予想を赤字に下方修正したことが嫌気された。同社では、通期見通しは現在策定中だが、感染管理事業について流通市場で同社製品の需要が低迷しているほか、荷動きのタイミングなども不透明感が強く、通期業績も当初予想より著しく悪化する可能性があるとしている。 (ロイター日本語ニュース 伊賀 大記記者)【関連記事】マツダ売り先行、米フォードが株売却へ=東京市場 レンジ内で一進一退、ドル最安値更新なら日経平均9000円付近に下落も=今週の東京株式市場 今日の株式見通し=上値重い、ハイテク株は円高が圧迫 再送:〔テクニカル分析〕日経平均?日経平均先物当限=15日現在 来週の東京株、ドル安値更新なら日経平均9000円付近に下落も
[東京 18日 ロイター] 前場の東京株式市場で日経平均は反発。朝方さえなかった銀行株が安値圏から切り返したほか、ハイテク株もドル安?円高の一服でしっかり。ただ海外勢などのフローは細く上値は重かった。 10月ロイター短観調査(400社ベース)では製造業の業況判断(DI)は前月から2ポイント改善した一方、3カ月先行き予想は19ポイントの悪化と、円高や需要の先行き懸念から過去最大の悪化幅となった。今週末から本格化する9月期決算発表への不安感が強まっているという。 前場の東証1部騰落数は、値上がり1180銘柄に対し値下がり328銘柄、変わらずが146銘柄だった。東証1部売買代金は4534億円。 朝方はハイテク株高、銀行株安だったが、中盤から銀行株が切り返しハイテク株が重くなった。日経平均の上昇率0.50%に対しTOPIXは0.90%と高く、前週までの傾向が反転している。日銀の金融緩和期待で上昇していた不動産株が下落するなどリターンリバーサル的な動きが前引けにかけて強まった。ただ「フロー自体は細く、方向感に乏しい」(大手証券トレーダー)という。 今週末から本格化する国内企業決算発表に対しての警戒感も上値を押さえている。「業績予想を上方修正しても前提の想定為替レートが対ドルで90円付近にとどまり実勢とかい離しているようであればポジティブ材料とはなりにくい」(かざか証券?市場調査部長の田部井美彦氏)という。 市場では「全体のムードは悪くはないものの、依然として信用期日到来に伴う処分売りが断続的に出ており、重さを感じさせる状況だ」(中堅証券幹部)との声もあった。 個別では、マツダ<7261.T>が前営業日比1円安の213円。米フォード?モーター<F.N>が保有しているマツダの株式を売却することで調整していることが16日明らかになり売りが先行したが切り返した。市場では「フォードの出資比率は徐々に低下してきており大きな驚きはない。売却される株式も住友商事などが引き受けて市場で売却されないもようであり株価への影響は限定的ではないか」(明和証券の矢野氏)との声が出ていた。 千代田インテグレ<6915.T>は47円高の944円と反発。15日に発表された2011年8月期連結営業利益見通しが前年比20.2%増の16億円となったほか、自社株買いも材料視された。 一方、大幸薬品<4574.T>が大幅安。8月25日に付けた年初来安値913円を更新した。15日に2010年9月中間期業績予想を赤字に下方修正したことが嫌気された。同社では、通期見通しは現在策定中だが、感染管理事業について流通市場で同社製品の需要が低迷しているほか、荷動きのタイミングなども不透明感が強く、通期業績も当初予想より著しく悪化する可能性があるとしている。 (ロイター日本語ニュース 伊賀 大記記者)【関連記事】マツダ売り先行、米フォードが株売却へ=東京市場 レンジ内で一進一退、ドル最安値更新なら日経平均9000円付近に下落も=今週の東京株式市場 今日の株式見通し=上値重い、ハイテク株は円高が圧迫 再送:〔テクニカル分析〕日経平均?日経平均先物当限=15日現在 来週の東京株、ドル安値更新なら日経平均9000円付近に下落も