思いのままに 笑って泣いてOK! リターンズ

大泉洋さん、TEAM NACSが好き。グルメやお酒も大好きなWEBプロデューサーのゆるゆる日記、復活します。

石文

2009-09-13 22:48:44 | つれづれ日記
鎌倉の銭洗弁天の近くにある「もやい工藝」というお店を
目指していたわたしは、なかなかそのお店を見つけられず
あたりをうろうろしていました。

しばらくして
銭洗弁天の参道に差し掛かる急な坂道のふもとに
こじんまりとした小屋を見つけました。


HAND & SOUL


看板にはお店の名前が、こう書いてありました。



もやい工藝の場所を教えてもらおうくらいの軽い気持ちで
そのお店に入ったら、なんとも佇まいの素敵な初老の女性と
そのお孫さんがいました。

もやい工藝の場所も快く教えてくださり、
埼玉という遠方からきたわたしに随分とフレンドリーに
接してださって。

このお店は、いろんな人の手作りの作品を扱っているのよー
なんて話している中で、「これはね・・・」と教えてくれたのがこれ。

彼女のダンナ様が、海で拾ってきた石に
スタンプで「LOVE」と標したもの。
拾ってきたものをちょっと加工してお金取るなんてねぇ・・・
なんて冗談っぽくおっしゃってたのですが。


わたしはなんだかこの石にすごく惹かれましてねぇ。


そんなわたしに気が付いたのか、こんな話をしてくれました。


わたしの主人は「石文」に凝っていてね。
ご存知かしら?
まだ文字が一般的ではなかった昔、自分の気持ちを伝えるのに
気持ちにぴったりな小石を探し、人に届けてもらうという
手紙に代わる風習があったんですって。


へぇー、素敵な話だなと思って聞き入っていたら。

「石キチガイ」のダンナ様(笑)がお店に入ってきました。
いかにも鎌倉の人といった、アカデミックな佇まいの人でした。


石を受け取った人は手のひらの中で石の感触を確かめ、
丸くてすべすべしていたら送り主の無病息災を思い安心し、
とげとげざらざらしていたら、何か良くないことがあったのではないかと
気を揉む、なんてことがあったんだよ。


なんと”深い”気持ちのやりとりが
昔にはあったんでしょうかねぇ。
映画「おくりびと」にも、石文を髣髴とさせるシーンがあるんですってね。
(わたしはまだ観てませんが。)


そんな石文へのオマージュ作品。
わたしもひとついただいてきました。


この石に触ってるとなんかいい気分になるんですよ、不思議と。


石文か。
いいこと教えてもらいました。
誰かを深く思う、そんな時間を大切にできるゆとりを
大切にしたいなと思いました。