私は絵を描くことが大好きです。3歳の頃、とある絵画コンクールでたまたま銀賞をいただき、それ以来好きになったのです。ほめられると伸びる典型だと思いますが。
なのでそれ以降、落書きもあわせて高校時代までほぼ毎日何かしらを描き続けていました。それだけ描き続ければ当然絵もうまくなり、図工や美術の成績は常に5だったのです。
写真のようにうまく描くことだけを考えていた私ですが、高校時代、キース・ヘリングやバスキアといったアーティストの存在を知ります。
そんな彼らのアートになんとも言えない衝撃を受けました。
絵には「うまい」「ヘタ」の他に「わかる」「わからない」が存在することを彼らから学んだのです。
バスキアの生い立ちをストーリーとした映画で、レストランで出されたはちみつを使ってバスキアが絵を描くワンシーンがあります。そしてキースへリングもまた、あのベルリンの壁をはじめ、街や地下鉄に落書きを繰り返しました。
彼らにとって絵とは、うまく対象物を描く手段ではなく、呼吸であり、コミュニケーションであり、存在証明なわけです。
テクニックばかりに走る日本の美術教育。私はそれ以降、通知表にはほとんど興味がなくなってしまいました。