名もなき旅の記録

名もなき日本人の名もなき旅の記録。ささやかでありがち、だけどかけがえのない日々の記録、になる予定。

スーリィエ、フベェ?

2008-05-11 02:36:10 | ヨルダン・シリア・レバノン・イスラエル
現在地ダマスカス。

人の良さと物価の安さで旅行者に大評判のシリア。
第一印象は以下の通り。

・やっぱり嘘をつく奴はいる。
・国境はやっぱりボってくる。
・想像してたほど物価は安くない。
・でも人の良さはこれまでより断然強く感じる。
・国境を越えて、再びチャドル姿の女性が増えた。イラン人みたい。
・やっぱりアバヤよりチャドルの方がかっこいい。





アンマンで長居したお陰で、もう再会はないと思っていたSくんにこの町で追いつかれることになった。嬉しい誤算。

かつて1年ほどこの町に住んでいた彼は、2年ぶりのダマスカスの変化に驚いていた。

曰く、
・旧市街が小奇麗になってて幻滅。
・宿街の近くにツーリスト向けのカフェができてて驚き。
・何より物価が1.5~2倍に跳ね上がっててショック。





どうもつい数週間ほど前にガソリン価格が暴騰したらしい。
シリア人曰く、リッター150ポンドから300ポンドに。
日本より高い。

お陰で直前にこの国を通った旅行者からの値段情報に食い違いが多く発生してて、著しく困惑している。

はっきり言ってヨルダンと変わらないじゃないか。
特に宿代。ヨルダンの方が安くて設備もいいやんけ。

強いて言えばタバコ代は確かに安い。

良い点を挙げれば、ファラフェルにしろシュワルマにしろ、同じ価格でもシリアの方が断然美味しくて量も多い。
特にグルグルチキン。この町のチキンはイスラム世界で最も身が詰まってて、最高に旨い。





さて、かつてこの町に住んでいたSくんに教えられ、街中のチャドル軍団が、実は本当にイラン人であることが判明。

だとしたら旧市街をぶらつく女性の半数はイラン人になってしまう。

しかし実際に、宿街近くの売店ではイラン人がペルシャ語で買い物をしている上、ホメイニで支払っている姿を目撃した。

更に真偽を確かめに、イスラム第四の聖地ウマイヤドモスク、の近くにあるシーア派の聖者廟に行ってみた。

すると、周囲を埋め尽くすチャドル、スカーフ。聞こえるペルシャ語。
なぜかアラビア語だけではなくペルシャ語も話せるSくんのインタビューにより、現在シーア派の巡礼シーズンであることが判明。

久々に聞くペルシャ語の柔らかいこと。
そしてペルシャ語で話しかけられて、相好を崩すおばさんたちの親しみ易さと言ったら。
Sくんのペルシャ語に惹かれて、ついいろいろ教えてくれようとするイラン人たち。

外来者に冷たく常に威厳を感じさせるアラブ人と、人の良さでは世界一のイラン人の違いを、自分でも驚くほど再認識した。
シーア派ははっきり言ってもはやイスラムとはほど遠いところに行ってしまっているけれど、イラン人こそはイスラムの良心を誰よりも保持しているんじゃないか。

聖者廟の中も、完全にイランと化していた。
棺に向かって慟哭する人々、絨毯の上で大の字になって昼寝するおじさん、お菓子を食べているおばさん。。。

次から次へと親切攻撃を浴びせられたイランでの日々がふいに頭に蘇って、涙が出そうになった。





人の良さで定評のあるシリア。
実はシリアの隠れイラン人がその評判を作ってたりして。





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