実験日 10月8日
今回の科学クラブは、『尿素の結晶』
尿素とは、その名の通りヒトの尿に含まれている物質だ。一般に肝臓が有毒なアンモニアを尿素に変換し、尿として体外に排出される。
そもそも、尿素(CH4N2O)はヒトが吸収しきれなかった窒素からできたもので窒素を含んでいるので肥料として用いられる。
園芸屋さんやホームセンターに行けば、一袋(700g)で300円程度で手に入る。
最近は、化粧品や保湿クリームなどにも含まれている無毒な物質だ。
だから、ヒトや動物は肝臓で有害なアンモニアを無害な尿素に変えているんだね!!
以上、ウンチクでした。
【材料】
〇尿素
〇洗濯のり(PVA)
〇台所洗剤
〇クレンザー
【用具】
〇コーヒーフィルターorろ紙
〇水性ペンor食紅
洗濯のりは、結晶がくっついて大きくなるために絶対必要!!
台所用洗剤は、おそらく水の表面張力を弱める目的で使用するのだろう。そして、クレンザーは結晶ができる核の代わりとして働いてもらう。
とても安価で、ホームセンターに行けば全部揃ってしまうのでお手軽♪
【作り方】
1.尿素を水に溶かす。たくさん溶かしたほうが結晶がよく育つ。
だいたい水100ccに対して300gくらい溶かしたかな?
尿素は水に溶けると吸熱反応をおこしてググッと冷たくなる。水が冷えると、尿素が溶ける量も減ってしまうので温めながら溶かすべし。
2.尿素を溶かした水(飽和水溶液)に、洗濯のりを入れる。
アバウトで100ccあたり、20ccくらいかな?
洗濯のりが多いいほうがふっくらとした結晶ができ
少ないと樹氷のような細長い結晶になる。
※予備実験では洗濯のりが少なめの方が、ろ紙に吸収されやすく早く結晶ができた。
3.洗剤とクレンザーをそれぞれ一滴づつ入れて混ぜる。
4.コーヒーフィルターorろ紙を切ってこの形にする。
フィルターに水性ペンで色をつけてあげると、結晶に色がついてとてもキレイだ!!代わりに食紅を溶かしてあげてもイイぞ!!
5.フィルターをお皿の上に乗せて、3でつくった尿素液を注ぐ。
6.フィルターに液がしみこんだら、細かく砕いた尿素をつけると早く結晶ができるよ!!
↓ 一日以上放置。。。
すると。
こんな結晶が出来上がる!!
子どもたちには持ち帰らせやすいようにペットボトルの底にボトルのキャップを貼り付けてフィルターを立たせた。
こんな風にね。なかなか、こだわって色付けてくれたね~
それが一日たつと…
こんなにきれいな結晶ができた!!
他の子どもの作品。
すっごいフワフワしてる!!
わっ!!カb…じゃなく結晶です。
うーん。鮮やかなブルーだ!!
水性ペンってとてもキレイに色がつくね~
これは、俺が予備実験で作ったもの。食紅を使って着色した。
ものによって全然できなかったりフックラした結晶だったり、樹氷のようだったりと個性さまざま。微妙な環境の違いが左右するのだろうか?
そのほかにも、霧吹きを使ってこんなのを作ってみた。
題『雪の猫じゃらしと試験管ブラシ』
水にすぐに溶けるので、終わったら洗えば落ちるから気軽に遊べるゼ(笑)
顕微鏡を使って結晶ができるようすを見たりもした。
こー…ジワジワジワ~って広がってくの。
あ~顕微鏡の様子を動画で撮れればなぁ…
大きな結晶ができるまで時間のかかる実験だけど、早い子どもは10分くらいで小さな結晶ができ始めて歓声を上げていた♪
次の日の朝、さらに大きくなった結晶を見てコーフンしてた(笑)
クラブのメンバー以外の子どもも見てて驚いていたし、見た目もとてもキレイなのでかなり人気の出た実験だった。
今回の実験の反省。
○作業が長引いて(おもに子供たちがフィルターに色を塗るのをこだわったせいだ)顕微鏡で結晶のできる様子を観察することができた子どもが数人だった。
→テキパキやらせる。もしくは、もっと手早くできるようペットボトルを切っておくとか。
○机が汚れた。水で拭いても、少し残っていると乾くとまた結晶ができてしまう。結局自分で拭く羽目に…
→念入りに拭くように指導。でも、小学生にはむずかしいよなぁ~
さぁ、次回の科学クラブは『アルコールで昇る熱気球』だ!!