高知・コスタリカ友好交流を創って行く会

この会の趣旨目的は、平和学の調査研究。特に、国連平和大学のカリキュラム「ジェンダー&ピースビルディング」です

赤ちゃんが助かるなら 政策提案

2009年07月16日 17時43分43秒 | 胎児の公民権運動


   ~赤ちゃんが助かるなら~

  菊田昇事件をご記憶ですか? 産婦人科医の元には「産みたくても育てていけ
ないから中絶して欲しい」という要望と「子どもが欲しいが授からない」との葛藤

の相談が入ってくる。菊田氏は、当時、陣痛誘発で中絶した7ヶ月児を放置し殺し

てしまった苦い体験に深い後悔の念を抱き、『何とかしてこの子達を助けられない

ものだろうか』と思案に暮れるうちに、中絶して欲しいと来院する女性達もできる

ことなら殺したくはなく、戸籍に残らず匿名出産で養子に出せるなら子を生かした

いとの希望があり、子どもの欲しい家庭では家の子どもとして受け入れたいとの要

求があり、この二つの要望を叶えさえすれば子どもが救われることに気が付いた。

そこで、彼はニセの出生届を書くようになったのである。これが事件となり、彼は

産科医の資格も剥奪されそうになった。しかし、最後は生命救済のための超法規的

な緊急避難措置であったとの国会の裁断で幕を閉じた。それらの議論の経過から生

まれたのが、子の福祉を重視する『特別養子縁組制度』である。彼の勇気ある行動

によって「望まれない子ども」が「望まれた子ども」に生まれ変わったのである。

  「胎児の人権」は人類史上最後の人権問題だと評されている。アメリカでは現

在「胎児の公民権運動」が活発で有益な議論が展開している。中でも神経も通って

いる胎児に中絶手術は激痛を及ぼしているから無痛処置を義務づける動きは、せめ

てもの温情として日本でも早急に立法化して頂きたい内容である。

  ところで、コスタリカ社会で新聞を賑わせた事例にも考えさせられる点が多く

ある。ニカラグア難民の少女が、エイズの方のレイプにより妊娠。国は少女を保護

しエイズの母子感染を遮断する帝王切開を受けさせようとしている。国としては、

何の罪もない無防備な母子を保護するのは当然の責務であり、この「まだ産まれて

いない子ども」は犯罪に巻き込まれた被害者にすぎない。その被害者の命を死刑に

処する扱いで終結させることは、倫理に反するとの理解である。平和への責任感と

個人の尊厳規範により、この到底受け入れ難い戦争状態であっても、コスタリカで

は修復的司法・正義が機能しているのである。

  ところが、高知県健康づくり課の助産師は「十代には身体的にも経済的にも母

体保護の必要性がある」と説く。また、助産師が安全な中絶の時機とか、堕胎薬で

ある「緊急避妊」をその医学作用を知らせないで学校現場に普及している。この緊

急避妊薬は、厚労省が安易な性行動が広がる社会科学的悪影響があるからと政策推

進しない立場をとっている薬である。さらに教育委員会職員は「十代で出産したら

お水に行くしか道が無くなる」と発言した。以上は、日本の法体系に反する「中絶

の自由奨励」を高知県が公費で推進している実態である。高知県の人工妊娠中絶対

策は「胎児の生存権」への視点と配慮がスッポリ抜け落ちているのである。これ

は、高知県が堕胎罪を犯し、胎児を冤罪に処遇している憲法違反だから、この人道

に反する事態を改善してくださいと2000年からずっと私は訴え続けている。ですか

ら、高知県の子ども達に及んでいるこの被害を一日も早く改善して頂けるように、

国会議員各位に請願する。

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