――――――――――――――――――――――――――――――――――
【問題】 血圧が低下しても分泌が亢進しないホルモンはどれか.
1. レニン
2. 抗利尿ホルモン
3. 甲状腺ホルモン
4. 副腎髄質ホルモン
――――――――――――――――――――――――――――――――――
公開日:2007/12/13
【正解】
3. 甲状腺ホルモン
【解説】
ホルモンは様々な生理活性がある.血圧と関連したホルモンの整理が必要.
レニンは腎臓から分泌され,レニン・アンギオテンシン系を介し,血圧を上昇させる作用がある.
抗利尿ホルモンは,下垂体後葉から分泌され,腎での尿の再吸収を促進し,尿量を減少させる.血管収縮作用もあるため,血圧を上昇させる方向に働く.
副腎髄質からは,アドレナリン,ノルアドレナリンが分泌され,両者とも収縮期血圧を上昇させる.副腎髄質由来の腫瘍に褐色細胞腫があり,発作性に血圧が上昇することがある.
以上のホルモンは,血圧上昇に関与している.甲状腺ホルモンは,代謝に関与するホルモンで血圧の調節とは直接関連がない.
問題文は,『血圧上昇に関連するホルモン』を聞いているのではなく,『血圧が低下したときに分泌が亢進するホルモン』を聞いている.結論的には両者はほぼ同義である.ホルモンはフィードバックがかかり,調節されているということを強調したい問題文のようだが,かえってわかりにくくなっている.
ただ,ホルモン調節とフィードバックの関係は非常に重要.
たとえば,抗利尿ホルモンは,体液が減少し,血液の浸透圧が高くなると産生が亢進し,尿量を減少させる.その結果体液の喪失を少なくなる方向に働く.このようにホルモンの調節は巧妙なフィードバック機構によりなされている.
難易度 ★ 重要度 ★★