東京都 脳腫瘍・頭痛・偏頭痛・腰痛・下肢痛・神経ブロックのペインクリニックの山本クリニック 世田谷 

このブログでは山本クリニック脳神経外科・神経内科相談掲示板から御参考になる過去の御相談と御回答を掲載致します。

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):pustulosis palmoplantaris」

2006年03月08日 18時54分04秒 | Weblog
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御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」
「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):pustulosis palmoplantaris」という「病態」の患者さんに「診断戦略」「治療戦略」が
たたなかった場合の典型的な事例です。

御相談者が御心配されている
「ウイルス:virus」「ウイルス感染症:viral infection」は
何ら関連を持ちません。

また皮疹があり御心配されたのかもしれません。
「STD(性行為感染症)」とも関係が御座いません。

「反復性上気道感染」=細菌感染とは関連致します。

耳介の「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):
pustulosis palmoplantaris」
の場合には

「単純疱疹」=「単純ヘルペス」
「帯状疱疹」=「帯状ヘルペス」と
間違われることが多いものです。


「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」+
「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):pustulosis palmoplantaris」
で御座います。

正診断率の大変低い「疼痛系の「症状・症候」」。

下記に順を追って御回答致します。
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#1
##1
「山本先生様



先生はじめまして。27歳の男です。

本当に苦しんでおります。

現在、寝ている時以外 四肢の至る所の

神経や肩の後ろ辺りがズキズキ・チクチク痛み、

痛む箇所がどんどん増えていっており

恐怖を感じております。

(2ヶ月程前から痛みが始まり、

初期は手の平と足の裏に赤い発疹?

(水泡ではなかったです。)が出来て

それがチクチク痛む程度だったのですが、

現在は四肢全体の神経や背中の神経

まで痛む様になっております。)

未だに手の平には発疹がありそこがチクチク・ズキズキします。

どういった事が原因と考えられます

でしょうか。

(体の中で何かのウィルスが悪さをして

いるのでしょうか。)



この症状に至るまでの経緯ですが実は

申し上げにくいのですが、4ヶ月程前に

風俗へ行ってしまいました。

その後HIVの初期症状と酷似した症状

(発熱、リンパ腺の腫れ、下痢、

全身関節の激痛等)がおこり、その時に

血液検査をしましたところリンパ球が

減少しておりました。

(医師曰くなんらかのウィルスに感染した

のでしょうとの事でした。)

3ヶ月たった時点でHIVの血液検査を

行い陰性でした。

その他考えられる性病検査及び通常の血液検査を行いましたが、

すべて陰性及び異常なしです。脳のCTや手の伝導速度検査も異常が

有りません。



何か助言を頂ければ助かります。

何卒宜しくお願い致します。」
との事です。





#2
##1
御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。

##2
御相談者の御相談内容要旨御記載からは
問題点が「4つ」御座います。

##3
1・
「核心ともいうべき「疼痛系の「病態」」」
=>
「現在、寝ている時以外 四肢の至る所の
神経や肩の後ろ辺りがズキズキ・チクチク痛み、

痛む箇所がどんどん増えていっており

恐怖を感じております。」

2・

「発疹の「症状・症候」」=

「初期は手の平と足の裏に赤い発疹?

(水泡ではなかったです。)が出来て

それがチクチク痛む程度だったのですが、」



3・

「理由は推察できないのですが御相談者が

「ウイルス:virus」或は「ウイルス感染症:viral infection」

を「御心配されていること」



4・

「STD(性行為感染症)」=

「3ヶ月たった時点でHIVの血液検査を

行い陰性でした。

その他考えられる性病検査及び通常の血液検査を行いましたが、

すべて陰性及び異常なしです。」

を「因果付け」されていらっしゃること。





の「4つ」です。



##4

##3の

「2・」に関しては

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」

という「病態」である。*=>#3



----------------------------

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

pustulosis palmoplantaris」とは

「足のうら」「手のひら」の「発疹」がくる。

けれども

原因は「扁桃炎」「咽頭炎」の反復である。

「微小細菌感染」である。

「表皮外科」+「真皮外科」=「皮膚外科」的な

「病態」だが「症状・症候」として

「肩こり・頸こり・背中こり」或は「痛み」を

伴うものです。

基本的には

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」

の患者さんに発症致します。





----------------------------



##5

##3の

「4・」に関しては「臨床血液検査」その他

「臨床診断学」的には否定されているから問題は解決

されている。



##6

##3の

「2・」の

「ウイルス:virus」或は「ウイルス感染症:viral infection」」

を御相談者が御心配されてはいるが

「臨床診断学」及び「臨床血液検査」その他からは

「(医師曰くなんらかのウィルスに感染した

のでしょうとの事でした。)」との事ですが

「ウイルス感染症:viral infection」で「症状・症候」を出す「病態」は

「否定されている」と考えます。

「(医師曰くなんらかのウィルスに感染した

のでしょうとの事でした。)」は間違い。











#3

「初期は手の平と足の裏に赤い発疹?

(水泡ではなかったです。)が出来て

それがチクチク痛む程度だったのですが、」

との事です。

=>

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

pustulosis palmoplantaris」

について簡単にご説明致します。



##1

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

pustulosis palmoplantaris」とは。



##2

手のひら或は足の裏に対称的に小さな「膿疱:のうほう」

があり、慢性に経過するものです。

「膿疱:のうほう」といっても「無菌性」です。



##3

胸鎖関節痛を伴う事があります。



##4

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

pustulosis palmoplantaris」の原因は一部

「上気道感染」(「咽頭炎」・「喉頭炎」・「副鼻腔炎」など)」の

「反復性上気道感染」が原因となります。



##5

「手のひら」や「足のうら」以外にも

「足関節部」「膝蓋」「肘頭」「耳介」「頭部」にも

皮疹が認められることがあり「ヘルペス「病態」」

と間違われる事が多いものです。



##6

また高頻度に「爪」の「症状・症候」を伴います。

「爪の点状陥凹」「爪の横筋」「爪の皮厚」を

伴うこと多いものです。



##7

「反復性上気道感染」=

「上気道感染」(「咽頭炎」・「喉頭炎」・「副鼻腔炎」など)」

が見出されれば適切な

「抗生物質」の内服およびこれに併用して「経静脈投与」

を行います。



##8

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

pustulosis palmoplantaris」とは

「足のうら」「手のひら」の「発疹」がくる。

けれども

原因は「扁桃炎」「咽頭炎」の反復である。

「表皮外科」+「真皮外科」=「皮膚外科」的な

「病態」だが「症状・症候」として

「肩こり・頸こり・背中こり」或は「痛み」を

伴うものです。

基本的には

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」

を伴います。



##9

正診断率の大変低い

「表皮外科」+「真皮外科」=「皮膚外科」+

「疼痛系の「症状・症候」をだす「病態」」でございます。



##10

「頭痛系の「病態」」である

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」

の患者さんに多発致します。



##11

御相談者の御相談内容要旨御記載からは

たまさか

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」

を元来御持ちの様です。

そして

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

pustulosis palmoplantaris」を発症されたが

「明確な診断戦略」がうまくいかなかった事例

と考えます。



##12

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):pustulosis palmoplantaris」は

「手のひら」「足のうら」以外にも

「足関節部」「膝蓋」「肘頭」「耳介」「頭部」にも

皮疹が認められることがあり「ヘルペス「病態」」

と間違われる事が多いものです。



##13

よく「単純疱疹」=「単純ヘルペス」を耳介にくりかえすが

決まってそのあと「後頭部痛・肩こり・頸こり・背中こり」

が発生するとおっしゃられる患者さんが多いものです。



##14

「単純疱疹」=「単純ヘルペス」は間違いであり

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

pustulosis palmoplantaris」が「耳介」に発生しているものです。















#5

##1

御相談者は「肩こり・頸こり・背中こり」」を

御持ではないでしょうか。」



##2

もしも御相談者に「肩こり・頸こり・背中こり」」がお強い様であれば。



##3

典型的な

「「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」

で御座います。



##4

意味も無く「疲労ですね」或いは「ストレスですね」等と

医師より図らずともいわれてしまう病態でも御座います。



##5

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」

の患者さんは

「上気道感染」(「咽頭炎」・「喉頭炎」・「副鼻腔炎」など)」

を反復する傾向=「反復性上気道感染」があり。



##6

時には

「単純疱疹」=「単純ヘルペス」と「大間違い」を

される

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

pustulosis palmoplantaris」

という「病態」を発現されることが

御座います。



##7

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

pustulosis palmoplantaris」は

慢性的に経過されますからこれからも

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

pustulosis palmoplantaris」の「症状・症候」

をだされることはおありであろうと考えます。

=>

「反復性上気道感染」に対して

適切な「抗生物質」の内服およびこれに併用して「経静脈投与」。



##8

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」



治療法ですが筋肉を柔らかくする即効性・持続性のお薬を内服、

外用薬も用いて場合により神経ブロックを施行いたします。

(「神経ブロック」といっても

「星状神経節ブロック(SGB)」は全く「効果」がありません)



##9

御相談者の御相談内容要旨御記載のごとく

「全身の痛み」=

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」



たまさかに「発疹」でくる

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

pustulosis palmoplantaris」を合併される患者さん

は多いものです。



##10

多くの場合いとも簡単に「ヘルペス抗体価」も

上昇無く「表皮角質顕微鏡」「透過型真皮顕微鏡」

でみても「ヘルペス「病態」」ではないのに

「単純疱疹」=「単純ヘルペス」或は「帯状疱疹」=「帯状ヘルペス」

と間違われる事例は多いものです。



##11

基本は

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」

です。



##12

しっかり治されるためには「機能性末梢神経障害疼痛」にお強い

「脳神経外科専門医先生」或は「ペインクリニック専門医先生」

を御受診されるのが宜しいと考えます。



##13

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」

の特徴につき「補足1」に。

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」

の「症状・症候」発生の時間依存性につき「補足2」に。

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」

の患者さんの「思考過程」につき「補足3」に。



御記載致します。御参考になれば何よりです。











#6結論:

##1

御相談者の御相談内容要旨御記載を熟読ささせて頂きました。



##2

「緊張型頭痛」或は「「緊張型」及び「緊張型に伴う複合病態」」+

「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう):

pustulosis palmoplantaris」です。



##3

正診断率の大変低い「疼痛系の「症状・症候」」でございます。



##4

初期の「診断戦略」が間違われると患者さんは

様々に苦しまれます。



##5

しっかり治されるためには「機能性末梢神経障害疼痛」に

お強い

「脳神経外科専門医先生」或は「ペインクリニック専門医先生」

を御受診されるのが宜しいと考えます。



##6

但し「脳神経外科専門医先生」或は「ペインクリニック専門医先生」でも
「機能性末梢神経障害疼痛」に苦手な先生もいらっしゃいます。

このことは何卒に御銘記下さいませ。



##7

一刻も早く御相談者の「症状・症候」が寛解される日の来られる事を・

一刻も早いご回復を心より御祈り申し上げます。



##8

何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。









取り急ぎのお返事ゆえ不適切な表現や間違いや、

誤りもあろうかと存じますがご了解、お許しください。






上記あくまでもご参考にまでお留めおき
ご無事にされて下さいませ。




何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。




何卒にお大事にお健やかにされてくださいませ。


山本クリニック脳神経外科・神経内科相談掲示板
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