煩的ひとりごと

定期更新型ゲーム False IslandについてPL視点から呟きます。
煩悩が人より多いらしいです。

探索15日目

2007-08-26 16:10:52 | 偽島2期日記(PC視点)
(探索15日目)

今日は砂地から床が続く一帯へ足を踏み入れた。
もちろん、通るだけなのだけれど……
かつ、かつ、と響く音。どこか不気味に思える。
結局魔法陣へ移動するまで敵は現れず、無事にやり過ごすことはできた。
でも、いつかは通路に潜む強敵と戦うことになるのだろう。
その時初めて、前の自分に近づく気がする。

もちろん、まだ実力は足りない。
今はあと1日の距離と迫った守護者に備えるしかない。
噂では可愛い双子ってことだけど、勝ったらどうなるんだろう。
まさか………


(日記はここで1度閉じられている。文末、僅かに赤い何かを拭いた痕。
 
 そしてここからは。日記帳のどこかに綴られた、思い出の話。

 賑やかな話し声、打ち寄せる波の音、時と場所は海へと移り―――)

+斜+合宿1時限目-斜-

眩しい太陽。強い日差しに潮の香り。
心地よい波のリズムが少年の心を躍らせる。そして何よりも―――

「エゼ君、こっちやこっちー!」

眩しい水着! 海と言えばこれである。

「クユリさん、あの、その………っ」

女子高生クユリに腕を引っ張られ、恥ずかしそうについていく少年。
見れば腕がクユリの胸にあたっている。頭に血が上ったのか、みるみる顔が真っ赤になり。
ぴくぴくと動いているのは鼻だ。いわゆる噴射5秒前、である。
どこからともなく秒読みが開始された。

5、

4、

3、

2、

1、

ぶふっ。 盛大な赤飛沫が砂浜にアーチを描いた。見事な放物線である。
実にこの夏、3回目の少年による血の架け橋であった。
密かに賭けの対象になっていたというが、それは定かではなく。
熱い夏の日差しが、高校生の一団をジリジリと灼いていた。



時間を戻そう。
数刻前、海辺へ集う若者の一団があった。
冒険者達のなかでも特に16~18の年齢層を中心とした一団である。
高等教育を受ける者達が自主的に結成したコミュニティの、勉強合宿が目的であった。
中には前日から現場へ入る程の者もあり、相当な熱意が感じられる。
その若者達を引率するのは数名の大人。
眼帯をかけた医者に、いかにも熱血というガチムキ筋肉の男。それに金髪の痩せ男が二人である。
教師らしき姿が医者以外いない気もするが、何か事情があるのであろう。
一行は無事合宿予定地へと辿り付くと、意気揚々と準備にとりかかり――


の、はずであった。 しかし。

最初こそ、薪割りや掃除などが粛々と進められていたのだが。

何故か、引率のはずの大人が砂浜に埋められていた。
しかも本人はとても嬉しそうだ。……何故?ああ、頭上に斧が……
周りの者も見事な連携で彼を追い込んでいる。……狩りの訓練か?

他、水着をその場で作る者がいた。それを喜んで着る者がいた。
まあ生着替えはなかなかいいものであるが。もっとやr……こほん。
唯一の真面目そうな青年は早々に熱中症にかかっていた。
ああ、これが今の若者の現実であろうか。嘆かわしいことである。

ちなみに女性陣は華やかなものであった。まあ夏の主役であるから仕方ない。水着は正義である。
それを眩しそうに見るのは主に耳の尖った少年だが、歩く犬?らしき人物も熱い視線を注いでいた。
それにつられて視線を海岸へ移した少年もいたが、不注意な薪割りにより気絶していた。
まあ男なので仕方がない。あれが女性なら不肖ながら自分が飛び出て助けるのであるが…


おっと、話がそれた。

ともかく、移動直後、どこにも勉強という文字は無かったのが事実である。
年少の者は特にはしゃいでいたようだ。ローラーブレードを脱いだ金髪の少年など叫びっぱなしである。
大人達も釣りだの西瓜実体験だの、夏を満喫しており。
唯一医者らしき男は真面目に手当てをしていた。しかし、彼からは何か秘めたる煩悩を感じる。
ガチムキの大男が意外にまともに仕事をこなしていたのが救いか。

……これは、どうみてもひと夏の思い出というやつではないだろうか。
全くけしからん。何故あいつだけいつもこういういい思いばっかり。
ここは私が責任をもって見守ってやる必要があるな!
以降水着の女子が目に入ることもあるだろうが、それは偶然である。恣意は無い。



+斜+夏の合宿1日目 ~紫の男の手記より抜粋~-斜-


(なお少年の日記は、この時間に関しては真っ赤に染まるのみだけであったという。
 全ては血により隠匿された、夏の一時であった)