映画「川っぺりムコリッタ」
を観た。
2022年公開の日本映画。
監督・脚本・原作は荻上直子。
「かもめ食堂」の監督さんだ。
出演は松山ケンイチ、ムロツヨシ、
満島ひかり、ほか多数。
「沢山いい人を使っておいて・・・、
俳優の無駄遣いや」。一緒に観て
た人の、観終わった時の第一声だ。
主役を張れそうな人が何人も出て
るが、インパクトがあまり無い。
無駄遣いというのは全く同感だ。
それは別にしても、退屈だった。
刑務所から出所した若い男が、
小さな水産工場に就職し、安アパ
ートで暮らし始める。その日々を
描く物語。
ムコリッタ(牟呼栗多)は仏教の
時間の単位。一日の1/30つまり
48分間。この言葉で表現される
「ささやかな幸せの時間」という
のが、この映画の主題なのだろう。
でも、映画で描かれる一つひとつ
のエピソードはどれも刺さらない。
珍しくもないし、素敵でもない。
意味ありげだが踏み込まない。
音楽や、川辺の風景など、印象的
な場面もある。でもそれだけでは
あまりに物足りない。濃淡は表現
のスタイルだが、表現したい中身
は濃いに越したことはない。