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たいしたことは言えませんが

気が向いた時だけ何かを書くという感じでやってます

3日で始めるテレワーク3「データを中心とした仕事のスタイル」

2020-04-16 10:16:11 | 日記
「ススメ」の「阻害要因2」として記載しました内容への
対応策です。

皆様は本シリーズをここまでお読み頂いておられるわけですので、
基本的に「電子データに合わせた仕事のスタイル」への移行は既にお済み、
と思います。
さらに前記事により、
紙媒体からの脱却についても一定のご理解を頂けた、
というのを前提にさせて頂いて、
ここでは
「そのスタイルをテレワークで実行するために」について
お話ししたいと思います。

【1】まずはメールです。
皆様は社用で日常的に「何」をお使いでしょうか。
(1)outlook.jpもしくはoutlook.comなど(Microsoft)、
(2)yahoo.jp、など(フリーメール)
(3)gmail.com(Google)
(4)nifty、ocn、so-net、biglove、など月額発生するプロバイダー提供系
(5)法人の独自ドメイン
  (「ドメイン」というのは、メールアドレスの「@」の直後の文字のことです。
  大抵ここに社名に準じる文字列が使用されます)

テレワークを考えると、(1)~(4)を使用されている場合は、
ノープロブレムです。
メールについては何も問題なく、今日からでもテレワーク可能でしょう。

(1)~(4)に該当される方々は、
以下を飛ばして次のエントリーにお進みください。
(本当は一気に書いてしまいたかったのですが、少し長くなりそうなので
メール関連で一旦公開させていただきます)

(5)に該当される方々は、少々面倒、かもしれません。
本来は会社で使用するのは(5)が良いのです。
メールを送受信する際に使用されるメールサーバーが
セキュリティが担保された状態にあるからです。
平たく申しますと、外部から盗み見されにくい状態にあるということです。
業務で使用するメールですから、色々な機密事項も連絡されるでしょう。
その内容が外部から見られる危険性がほぼゼロになることを、
ドメインの管理会社が保証してくれている状態にあります。

この場合、メールの送受信を行う際に使用するメールサーバーも、
セキュリティが保証された安全な場所にあるわけですが、
問題はその場所、なのです。
安全な場所にあるために、
社外からアクセスすることは原則としてできません。
つまり本人であっても、自分宛のメールを社外からは見ることが
できないのです。
家の鍵を失くしてしまったら、本当に住人なのに簡単に家に入れない
のと同じようなイメージです。

この鍵のことをファイヤーウォールと申しますのですが、
メールサーバーがファイヤーウォールに守られているので、
今度はそれが邪魔してしまう、ということなのです。

自社独自のドメインで運用されておられる会社さんは
多分技術系のサポート担当がおられると推測し、
その際もご担当者がサクサクとご対応されるのではないかと思いますが
もし
独自ドメインを使っているけど、そんな技術担当はいない、
という会社さんの場合は、
少し強引なやり方ですが、テレワーク用のメールアドレスとして
無料で取得できるgoogleのgmailを取得されることをお勧めします。
googleの場合、メール以外にも様々な機能が提供されており、
その際のアカウント(使用者というくらいの意味です)は、
取得したgmailアドレスをIDとして使うことができます。

少し以前は、(4)で挙げました、
月額が発生するプロバイダーが管理しているメールでないと、
セキュリティが不安、ということがありましたが、
現在は、outlookでもgmailでも、セキュリティ的には遜色ないと
思います。
これまで、筆者の知る限りではメールの内容が盗み見された、等の
事象は起きていないと思います。
何しろバックボーンがMicrosoftとかyahooとかGoogleです。
そのような事象が起きれば、各社の評判がガタ落ちになりますので、
各社ともメンツをかけてセキュリティは保全してくれています。

何しろ無料ですし、手軽ですので、
ここも割り切って、活用されることをお勧めいたします。

それでは、次のエントリーにお進みください。
次は「クラウドにデータを保存する」です。


3日で始めるテレワーク2「紙文書からの脱却」

2020-04-14 20:45:18 | 日記
「テレワークのススメ」で記載しました一番目の阻害要因、
「紙文書」と、「紙からの脱却」に取り組んでみましょう。

紙文書は本当に長い期間、人類とともに歩んできました。
その役割は、単なる記録からその時代その時代の伝達や通達、
悠久の時を超えて太古に思いを馳せる学者や文学者たちへメッセージ、
書籍、書物、近代では雑誌、機関紙、フリーペーパーなどなど、
形と用途を変えながら進化してきました。
まさに、人類の歴史を支えてきたと言っても過言ではないでしょう。

現代でも紙媒体は様々な場面で便利に活用されています。
スマホはタテ画面で使われることが多いですが、
パソコンは大抵の場合、ヨコ向き画面です。
そのくせ、多くのビジネス文書は縦長で作成されますので、
パソコンの画面では見づらい、のです。
データで送られてきても一度印刷して紙媒体で確認する、
という行為も極めて日常的に行われます。
書類としての手ごたえや、内容の一覧性は紙媒体に勝るものはないでしょう。

歴史も長く、利便性の高い紙媒体を「阻害要因」と呼ぶのは
誠に心苦しいのですが、
ことテレワークという立場からは阻害しているのは事実なわけで
ここは割り切って参りましょう。

【1】紙媒体を電子化しましょう
 紙媒体をスキャナーでスキャンしてデータファイルにします。
 ・・・何をいまさらな感じですが、
 紙媒体からの脱却の大部分はこれに尽きるのです。
 作業が面倒で煩雑だったり、
 ファイルの仕訳が面倒だったり等々
 作業自体の面倒さや煩雑さがネックに
 感じられるかもしれませんが、
 最近は便利な機器が増えてきました。

 大型の複合機をお使いの方々は簡単です。
 そもそも基本機能にスキャナーは含まれていますし、
 ネットワーク対応も完了していますので、データの蓄積先も自動的です。
 さらに自動原稿送り装置が装着されている機種ならば、
 あっという間に書類の束がスキャンされます。

 最近は、大型の複合機でなくてもプリンター、それもインクジェットプリンター
 の進化形にもスキャナーが標準装備されている機種が増えてきました。
 さらに自動原稿送り装置も標準搭載されている機種もありますので、
 大型の複合機の代わりにお使いいただくことも可能でしょう。
 しかも価格は1万円代からあります。
 最大用紙がA4まで、とか
 印刷速度が大型のものに比べて遅い、
 という実用上のデメリットもありますが、用途としては十分です。
 「インクジェット複合機_自動原稿送り装置」
 で検索していただくと色々出てきます。

 プリンターはもう良いのがあるんだよねーという場合は、
 スキャナーの単機能機の進化形の選択肢もあります。
 ドキュメントスキャナーというカテゴリーの商品です。
 「ドキュメントスキャナー」で検索いただくと、これも色々出てきます。
 お勧めは、富士通の「ScanSnap」という商品です。
 いきなり個別の製品名となっており恐縮ですが、
 この商品の歴史の長さ(PFUという会社時代から含め)と
 信頼性(世界シェアNo.1をキープ)は、現在もダントツですので
 自信を持ってお勧めしたいと思います。
  
 等々の便利なツールを駆使して、早速手元の紙媒体をスキャンして
 参りますが、その際の注意点があります。

 1)やみくもに手あたり次第にスキャンしないこと
  大切なポイントなのですが「スキャンすること」が目的ではありません。
  「関係者内で共有したい資料を、
  誰でもいつでもどこからでも閲覧できるようにする」のが目的です。
  従って、この資料はこの先誰も見ないだろう、と明らかに思われる資料は
  スキャン対象から除外しましょう。
  多すぎるデータは暴力的に効率を低下させるものです。
   
 2)資料として明らかに古いものはスキャンしないこと
  少し以前は、「3か月の間、見なかった資料は捨てても良い」
  と言われていました。
  現在はもっと短いかもしれません。
  データとして保管しなければならない資料は別ですが
  日常的にやりとりしている資料はどんどんアップデートされますので
  共有する資料としてはあまり役に立たないことが多いものです。

 3)スキャン作業はなるべくみんなでやりましょう
  このような作業が発生した際、専任者を決めるではなく、
  関係者全員でスキャン作業をいたしましょう。
  よく「ナレッジの共有」という文言で言われたりしますが、
  それぞれの人は、個別にナレッジを持っているものです。
  個人の持つ知的財産は、関係者内で共有されるべきで、
  「関係者」はたくさんいて当然、であります。
  極力全員参加で共有作業をするのが望ましいのです。

【2】既存の電子データを共有しましょう
  紙媒体の資料は、上記の方法で電子データ化して参りますが
  昨今すでに電子データになっているものも数多くあることでしょう。
  外部から入手した画像、資料のPDF(Adobe)、
  議事録を作成したWORD(Microsoft)文書、
  日常一番多く使われるに違いないExcel(Microsoft)データ、
  提案や企画などに使用されたPowerepoint(Microsoft)データなどなど、
  既に様々な電子データが存在しているはずです。
  それらのデータが、それぞれの方々のパソコンの「マイドキュメント」に
  保存されていないでしょうか。
  それぞれの方々のマイドキュメントデータは、「共有」されないので、
  資産として活用されにくい状況にあります。
  理由はひとつだけ、「マイドキュメントに保存されているから」です。
  これを、共有サーバーに保存するだけで、資産として活用され、
  ナレッジとして共有することができます。

【3】電子メールの添付ファイルも忘れずに共有
  忘れがちなのがこれ、です。
  メールを使用していると、日常的に普通にメッセージにデータファイルが
  添付されてやりとりされます。
  そのデータが結構重要なものだったりしますが、メールアプリに入っていると
  共有されないものになってしまいます。
  人によっては、メールアプリを
  個人のデータベースとして便利に利用しますが、これは極めて
  自己中心的な使い方と言わざるを得ません。
  会社の情報は、会社で共有されるべきで、個人で囲い込んでしまうことは
  本来許されません。
  ここは、大いに強調したいところです。
  メールの添付ファイルも忘れずに共有サーバーに保存するように
  関係者内指示しましょう。

尚、スキャンデータが増えてくると必ず陥るのが書類の迷子状態、です。
「はて、どこに保存したかな」が、わからなくなってしまいます。
紙媒体であれば、付箋を付けておく等の対処ができますが、
電子データの場合はどれもこれも同じような外見になってしまうので、
あとで見分けがつかないことになってしまうのです。
これも対処法がありますので、のちのエントリーでお話したいと思います。

それと、これも重要なお話ですが、
「紙媒体はゼロにはならない」ということです。
近年、「ペーパーレス」という言葉がよく使われます。
文字の通り、「紙を使わない運用」という意味なのですが、
現実は、「ゼロ」にはなりません。
外部から紙媒体がまだまだどんどん入ってくるから、です。
日本中、世界中すべての会社、団体で、
一斉に紙媒体を使うことをパタっとやめることができるでしょうか。
将来的には可能かもしれませんが、現時点は難しいでしょう。

この記事で申し上げている「紙媒体からの脱却!」を
真面目に遵守していただくのは筆者としては大変ありがたいことですが、
紙媒体「ゼロ」を目指す必要はありません。

当座目指したいのは、「紙媒体をゼロにする」ではなく、
「紙媒体での保存や運用を極力ゼロにする心がけ」ということで
お考えいただければ幸いです。

それでは次のエントリーで
「データを中心とした仕事のスタイル」についてご紹介して
参ります。


3日で始めるテレワーク1「適職種と最低限の条件」」

2020-04-12 20:32:20 | 日記
それではここからは
徐々に具体的なお話をさせていただきたいと思います。
筆者は奥ゆかしい性格ですので
表題を「3日で始める」といたしましたが
その気になって急げば、1日でも可能かもしれません。

この関連の実現のために様々なメーカーから、
実に様々な優秀な製品が発売されています。
どれも大変素晴らしいものばかりですが、
これらを導入しようとすると検討から意見収集まで、
すぐに何か月もかかってしまいます。
本シリーズの冒頭でも書きましたように、
とにかく簡単に確実に早く、テレワークを開始されたい
経営者様向けのお話ですので、
そこに絞ってまいりたいと思います。
ご了承のほどお願いいたします。

それと、このあと記事内にテレワークのための製品や
システムなどの具体名に言及する箇所も出て参りますが、
本文からその「製品」への直リンク設定はいたしません。
これをやると、アフィリエイト臭がぷんぷんしてしまい、
記事の主旨が一気に胡散臭いものになってしまいます。

もしご関心をお持ちの製品やシステム等があれば、
恐れ入りますがGoogle等で検索してご確認いただけますよう
お願いいたします。

【1】テレワークが可能な職種についてまずは記載いたします。

(1)営業職 ◎
 商品資料、提案書、見積書作成のための資料、カタログ、社内発注書、
 納品指示書、納品仕様書、稟議書、注文書、注文請書、請求書、
 などなど、、、
 これらは一旦電子化してしまえば、「資料を見るために会社に立ち寄る」
 必要がなくなります。
 従って直行直帰も可能になります。
 特に営業職は本当に多くの資料や伝票が必要であり、本来の仕事である
 お客様、お得意様と商談を行う時間に大いに制約を受けてしまっています。
 営業職こそ、紙媒体に縛られている筆頭のようなものです。
 テレワークを導入することにより、最も多くの恩恵を被るのは営業職だと
 言えるでしょう。
 営業効率が格段に上がりますので、会社の売上向上にも大いに貢献できる
 ことになります。

 こう考えてみると、営業職はテレワーク云々関係なく、もっと早い時期に
 もっと動きやすい体制を作ってあげるべきだったかもしれませんね。

(2)技術サポート職 ◎
 商品資料、技術資料、サポート記録などなど、
 営業職同様、基本的にお客様サービスをメインとされていますので、
 お客様と会ってなんぼ、のお仕事であります。
 それらの職種の方々は、何百ページもの技術資料やサポート資料を
 紙媒体で持ちまわっています。
 資料が重いのも大きな問題ですが、それらの資料は毎日のように内容が
 更新されます。
 資料のメンテだけでもとてつもない工数の発生になります。
 これが共有資料として統一でき、いつでも最新のものが見られるようになれば
 資料メンテのための工数はほぼゼロになりますし、第一超ヘビー級の
 紙媒体を持ち歩かない(外出先からスマホやPCで閲覧)で済みますので
 効率も大いに向上できるでしょう。
 
(3)商品開発 〇
 技術資料、商品開発企画書、社内提案資料、稟議書、決裁書、
 予算計画書、などなど、これらも十分電子化が可能なものばかりです。
 ただ、これらの部署の方々は、グループ内での共同作業がままあり、
 ニュアンスや雰囲気の統一や合意が必要な場合があります。
 それはやはりメールや電子掲示板ではなく、面前でないと進まないことも
 あるかもしれませんので、適用は「〇」にしてありますが、
 このあたりの状況は会社によって異なるかもしれません。
 
(4)経営企画、販売企画、宣伝企画 〇
 様々な部署や外部スタッフとの折衝などが必要になる可能性があり、
 完全なテレワークにはならないかもしれませんので、適応は「〇」にしましたが
 これも会社によって差があるかもしれません。

法務、経理、財務関連部門は、テレワークは難しいとされています。
外部からの資料が紙媒体で送られてきたり、
紙媒体での保存が法律で定められていたり、
資料の機密性が高いので、
気軽に電子化したり外部から閲覧したりという対象にし難いことが多い
ため、です。
これらも近い将来は変わっていくでしょう。
テレワークはそのくらい重要な国家プロジェクトなのです。

【2】テレワークのための最低限の条件
 テレワークを行うために必要なものを記載します。

(1)一番重要なのは「適当なところで割り切る強さ」です。
 きわめて真面目に申し上げています。
 慎重に検討を重ね、鳴り物入りでスタートさせた全社的なプロジェクトでも
 想定と実践の間には往々にしてかなりのギャップが出てくるものです。
 運用を始めてみないとわからない課題がたくさんあるものなのですが
 準備を周到に行い、体制を万全に組み、大号令のもとスタートしてしまうと
 それらがかえって足かせになって細かな改善ができにくい状況を
 作ります。
 最初から完璧を目指すのではなく、
 当面の課題を少しずつ改善していくためには、
 ある程度のところで割り切る必要があります。
 どういう状態が、「適当なところ」なのか、の判断は多少難しいかもしれませんが、
 経営者様としての強さが求められる場面です。
 このようなプロジェクトは、
 「小さく生んで大きく育てる」方が、結果うまくいくことが多いのです。
 
(2)社内の連絡手段
 現代は、大抵の方はスマホをお持ちだと思います。
 当面は、それを使えば連絡手段は簡単に確保されます。
 本来は社用と私用は分けるべきですので、
 本音を申し上げれば、一人一台のスマホを貸与することがベストです。
 が、予算的な準備も損益の算段も必要になりますので、
 当面は、個人所有のスマホの流用も指示として宣言されることで、
 すぐにスタートするテレワークとしては用は足りると思われます。
 
(3)パソコンとネット環境
 スマホはほぼパソコンと同等のことができるようになっています。
 便利なものです。が
 テレワークの業務をスマホだけで完結させることは、
 データファイルの取り扱いだけに限っても、大変難しいでしょう。
 やはりパソコン、可能ならノートタイプのパソコンが現時点で
 一人一台ずつ貸与されていればテレワークは簡単に実現可能です。
 社員さんも自宅にインターネット接続環境をお持ちの方が
 大半だと思いますので、それも使わせてもらいましょう。
 パソコンが無線LANに対応していれば、
 最近増えてきた街なかのWi-Fiスポットに接続して、
 カフェなどでコーヒーなど飲みながらのテレワークも可能になります。
 
 実際は、会社のメールサーバーとの接続をどうするか、とか
 共有フォルダーにどのように接続するのか、など
 場合によっては少し面倒な課題はあるのですが
 それは現時点は、「割り切る」として。

 要は、完璧な状態をド頭から作るのではなく、
 できるところからやっていく姿勢が大切、と割り切っていきましょう。

次から、阻害要因に対する対応策についてお話して参ります。


テレワークのススメ5「テレワークを阻害するもの3」

2020-04-12 17:58:23 | 日記
阻害要因の3つ目、実は多分これが一番難関かもしれません。
人事的な用語で申し上げれば、
勤怠管理と労務管理、業務管理、という内容です。

システム的なお話ではなくアナログなお話ですし、
人事のご担当者からすれば何をいまさら当たり前のことを、
と一笑に付されるかもしれません。

ただこれが、ことテレワークに関係するとなると、結構ニュアンスが変わって
くるのです。

筆者が携わったプロジェクトにおいて、実は一番のネックはこれ、
でした。
労務管理、勤怠管理、業務管理などなど、これらを突き詰めると
会社は社員を信用していますか?
社員は会社を信頼していますか?
ということになると思います。

テレワークに慣れていない社員はこのように言います。
「会社にいないと集中できない」
経営側の方々は心配されます。
「テレワークでも真面目に仕事をしてもらえるのかな」

つまり双方、お互いに、見ている見られている状態に慣れてしまっており、
それが「管理」だと思っています。

本来、仕事というのは「成果」如何です。
しっかり「成果」が出るかどうかを「管理」すべきであり、
日常、見ている見られている状態は、これすなわち「経過」であり、
「成果」ではありません。
「経過」では「評価」はできないのです。

確かにひと昔、ふた昔ほど前は、
「まあ〇〇はあまり仕事できないけど、がんばってるから
いい評価つけといてやろうや」
というのは上司のある意味美学として存在していたのは事実です。

が、「がんばっている」というのは「経過」であり、「成果」ではありません。
いまはそういう時代ではなく、「評価」されるのはあくまで「成果」で
あります。
「経過」はそれを補うものであるはずです。

これまで「実働」を「手ごたえ」として日常を過ごしてこられた方々にとっては
テレワークは実に「手ごたえ」のない業務状態に思えることでしょう。

これで業務が本当に動くんだろうか。
社員はちゃんと成果を出してくれるんだろうか。
大いなる不安要素であると思います。

でも、本当にテレワークの導入を進めるのであれば、
社員を信用するしかありません。

実は逆の話もあります。
筆者が携わったプロジェクトで一番のネックだったと申し上げましたが、
それは、信用、信頼とは逆の状況を回避すること、でした。

社員は、会社が思っているよりずっと真面目だった、のです。
従って、管理されて制限をかけられないと、
逆にやり過ぎてしまうことが見受けられました。
仕事が終わったのが23時24時当たり前、が毎日のように続く社員が多く、
もしそのままの状態が続けば、
過労死してしまうかもしれない、ことが懸念されていました。
その状態を制限するためのシステム準備に半年をかけ、
ようやく本格稼働できたのでした。

余談になってしまいましたが、
あながち社員はさぼろうと思っているわけではないかも、という例で
申し上げました。

テレワークを進めようとするとこのように
労務管理をどうするかについても考え、
そのためのシステムも導入しなければなりませんが、
これも本格的に進めようとすると、半年や1年はあっという間に経過
してしまいます。

すぐにでもテレワークを導入されたい場合は、
システムはあと回しにして、
業務管理、労務管理の課題をどのようにお考えになるかを、
まずは検討いただきたいと思います。

具体的には、
1)成果主義が導入できるか
  と書きますと大げさな感じを受けますし、最悪の場合
  「成果目標制度を導入するぞ!」
  という選択を(して失敗)する企業さんも少なくないので、
  もう少々補足させていただきますと、
  「仕事は『経過』ではなく『成果』で評価する!」
  ことを経営者として宣言できるか否か

2)基本的に社員を信用できるか
  1)が宣言されれば、社員はそれに向かって自主的に動くはずです。
  「テレワークだから集中できない」とか、基本さぼっている社員は、
  「成果が出せない」ことになり、
  「良い評価を得られない」ことになりますので、
  「集中できない」なんてことを言っている余裕などなくなるはずです。
  ですので、詰まるところ、「社員を信用できるか」否か、
  ということに尽きるのですが、それについてはいかがでしょうか。

以上、阻害要因を3つ記載させていただきました。
【1】紙媒体からの脱却
  資料は会社にある状態から、誰でもどこからでも閲覧出来るように
  すること
【2】仕事のスタイル
  基本的な業務をパソコン主体に置き換えること
【3】社員を信頼する
  会社の意図を理解し、社員として業務を遂行することで、
  会社に貢献してくれるに違いない、と信じること

本シリーズの冒頭で申し上げましたように、
コロナ騒ぎで、当たり前の話にように言われるテレワークの実施について
まだ実践に至っておられない企業様に、簡単に進められるテレワークについて
記載しております。
都知事の主旨と同様、この記事の主旨は、
社員の命を守るため、
社員の家族を守るため、
さらに、会社の業務を停滞させずに事業を継続するため、
にテレワークをご検討されませんか、という内容となっています。

そのために超えなければならないハードルとして
上記3つ記載いたしましたがいかがでしょうか。
もしそのうちの一つでも無理だなーというものがあれば、
大変僭越な申し上げ方となり恐縮ですが、
テレワークのご導入は断念された方が良いかもしれません。
最低限のハードルとしてご紹介しておりますので、
無理、となると遅かれ早かれどこに無理が出てくるとも思われます。

ここまでお読みいただいて、このくらいなら大丈夫そうかなと
お感じいただける方は、次からのエントリーをご覧ください。

次からは、「3日で始めるテレワーク」というシリーズで、この続きを
書いて参りたいと思います。


テレワークのススメ4「テレワークを阻害するもの2」

2020-04-10 14:38:09 | 日記
テレワークになかなか移行できにくい、その阻害要因の2番目は、
「仕事のスタイルがテレワークに適合しているか」
別の申し上げ方をするなら
「普段からパソコンのデータを基本にしているか」
もっと具体的に申し上げるなら、
「連絡はメール、通知は掲示板、データファイルはPDF、チームや会社で共有する資料はサーバーにアップロード、というやり方をしているか否か」
が普通になっているか、ということです。

これが、本気にやろうとするとなかなか難しいのです。
割り切ってしまえばどれも簡単なことばかりなのですが、日本人、なかなか割り切るということができにくい人が多い。

筆者が携わったテレワーク推進のプロジェクトでも、社内、部署内外から
結構な抵抗がありました。
これまで慣れ親しんだやり方は、誰でも変えたくないものです。
「変えたくない」というよりも、
変えるための手間や時間を割いているほどヒマじゃない!
というのが本音だったと思います。
気持ちはわからないでもないですが、
変更のための変更ではない、このやり方に変えることによって、
何々がこう変わる、こういう良いことがある、などなど
主旨(また出てきました)を繰り返し繰り返し説いて回る必要がありました。
テレワークを本気で進めようとするなら
このハードルは何としても超えなければなりません。

(1)連絡はメールが基本になっているか
  今更、釈迦に説法であることは重々承知で敢えて申し上げますが、
  メールの良いところは、大変強引な面に限って言うと
  1)相手の都合を気にせずに送り付けることができる
  2)送ることで既成事実ができる
  3)送ったことで「伝えた」という記録が残る
  4)Cc、Bccを使用することで、送付先(要件を伝えたい先)以外に、
   「この人にこういうことを伝えたからね!」
   というのを、Cc、Bccの送付先、及びTo(要件の送付先)にも知らしめる
   ことができる。
  加えて、メールのマナーとして、
  「メールアドレスを持っていて、公開しているなら、
  『メールは読んでいない』というのは許されない」
  という掟があります。
  場合によってはある意味、諸刃の剣ともいえるツールでもあるわけですが、
  これを基本にすることによって、業務連絡の効率が上がることは言うまでも
  ありません。
  
(2)通知は掲示板
  伝達の効率という面では、メール以上に劇的に向上できるのが、
  掲示板を電子データで行う、ということです。
  紙媒体で掲示しようとすると、回覧板ということになるでしょうか。
  筆者も若かりしころそうでしたが、「見てる暇がない」という理由で、
  結構な数の回覧板をデスクに溜めてしまい、
  先輩に怒られたことが何度もあります。
  それは、情報の伝達自体が阻害されるだけでなく、重要な情報を止めて
  しまう行為に他ならなかったわけですが、いくつもいくつもの回覧板が
  次々に回ってくると、実際のところ見ているヒマはない、という状況も
  あったのは、当時理解してもらいたかったところでもありました。
  お話が逸れましたが、
  そもそも紙媒体の効率の悪さであるのは事実ですので、通知も電子データ
  で行わない手はありません。
  掲示板用のアプリなども数多くありますが、通達文や回覧などをPDFにして
  関係者にメールで配信するだけで簡単に実現が可能です。

(3)データファイルはPDF
  紙には紙の良さがもちろんあります。
  紙に書かれていることは、視覚として脳に入ってきますので、
  記憶に残りやすい、ということもあります。
  メールや電子データは、どれも似たような体裁ですが、
  紙だと、ぼんやりしたイメージでもあとから思い出しやすいことも
  あります。
  が、やはり紙は紙。近くにいる人しか活用も閲覧もできない媒体には
  違いありません。
  データファイルがPDFとか画像ファイルなど、パソコンでやりとりできる
  形態になっているか、が重要なポイントになります。

(4)共有ファイルはサーバー利用
  (2)(3)に関連したお話ですが、紙媒体がデータ化されていたとしても
  都度メール添付で送り付けられた日には、しまいにメールもアタマも
  パンクしてしまいます。
  そもそも情報には、その時だけ必要なものと、保管して必要な時だけ
  使いたいものがあって、それは管理や運用上も区別されなければ
  紙媒体の代わりにデータの山ができて、あまり状況は変わらないことに
  なります。
  商品資料や、取扱説明書などは、必要な時に見たいもの、であって
  そういう類の資料は、サーバーに保管され必要な人がいつでも閲覧
  できる環境が作られている必要があります。

上記、その気になればどれも簡単なことばかり、
移行してしまえば当たり前になってしまって、抵抗していた人たちも
「なぜ反対したのかな」と思えるものばかりなのですが、
移行を実施するのに、ヘタなプロジェクト体制を組むと、
半年や1年はあっという間に過ぎてしまいます。

この記事をお読みいただいている方々は、多分
あまり時間をかけたくない方々であろうと憶測しますので、
この環境変更、資料移行を行うのに、簡単な方法をご紹介します。

筆者がプロジェクトに関与した時に、
実践して効果を上げたこと、でもあります。

1.ある時期以降、パソコンのローカルハードディスクへの保存を禁止。
 会社に関係あるデータは、すべて共有サーバーへ保存すること。
2.現在ローカルハードディスクに入っているデータは、ある時期までに
 共有サーバーへ移行すること
さらに、データ移行が進んでくると、様々な申請や報告なども電子的に
行われるように、間違いなくなっていきます。
以下は、ある会社で実施して奏功した方法です。
3.交通費の申請は、電子申請以外受け付けない

ここであまり細かいお話になってしまうとわかりにくくなりますので、
このあたりにしますが、
色々な決め事が出てきたときに、それを経営者の皆様が
「トップダウン」で指示すること、です。
本当は、ボトムアップで社員が考えて進めた方が浸透が早いですし、
社員のモチベーションも間違いなく上がるのですが、
何しろ時間がかけられないというご事情があると思いますので
ここは「トップダウン」で参りたいところです。

阻害要因のその3について、次のエントリーで記載したいと思います。