中国生活の基礎知識~中国史の入門講座~

中国で生活するための基礎知識として、中国の歴史・文化を、楽しみながら学んでいきましょう。

中国人の考え方~第2回の講義から

2011年10月24日 | 中国史
2回目の講座では、中国の伝統的な思想、
諸子百家
についてお話しした。

諸子百家の誕生した時代背景としては
周王室の衰退→諸侯の群雄割拠→強くならないと潰される
こうした社会背景で、
ある人は、「国はどうあるべきか」を考え、
ある人は、「国を強くするにはどうするか」を考えた。

そうして誕生したのが、多くの思想、理念。
これらを総称して諸子百家と呼ぶのだが、
彼らは要するに、国の王様に自分のプロジェクトを買ってもらう
国家経営コンサルタントである。

その思想を大別すると;

儒家…周公旦(※)の政治を理想として、「仁」を中心とする国づくりを目指す。
   ちょっと復古的。魯の国のノッポさん「孔子」が大成。以下、孟子、荀子と続く。

道家…「汚れた世の中に未練はないゼ」と、ナチュラルライフを提唱する、自然派学派。
   将来的には民間宗教「道教」となる。老子、荘子など。

法家…「国を強くするには法だ!」がモットー。絶対的な君主権力を背景に、
   厳格な法律と武力によって国を統治するのが目的。商鞅、韓非子など。
   最終的に、秦の天下統一を実現する原動力。

というのがトップスリーである。

ただ、それ以外にもいっぱいあって、
墨家…博愛主義を説く、謎の集団。
農家…農本主義を説く、原始社会への回帰説。
陰陽家…万物は陰陽によって成り立つことを説き、世の本質を明らかにしようとする。
縦横家…舌先三寸で諸侯を説き、他国との同盟を説く、外交コンサルタント。
名家…物事を論理的に解明しながら、世の中の本質を見抜こうとするもの。
雑家…ほかの理論のいいとこ取りをした、総合学問。
これをあわせて「九流」といい、
兵家…世界でも最も古い軍事思想のひとつ。戦をどのように政治に活用するかといった学問
を追加して「十家」、
そこにさらに
小説家…寓話を集めてそれを伝えることで、世の中の心理を伝えようとするもの。
を追加して「諸子百家」とよぶ。

つまり、本当に100あったわけではない

今回は、ちょっとジョーク交えるヒマがなかった…。


最新の画像もっと見る