中国生活の基礎知識~中国史の入門講座~

中国で生活するための基礎知識として、中国の歴史・文化を、楽しみながら学んでいきましょう。

項羽と劉邦~第5回の講義から

2011年12月05日 | 秦・漢
12月3日に行った、第5回の講義。
テーマは「項羽と劉邦」。

第4回の講義は比較的ドロドロ感があって
ワイドショー的な内容があったが、
今回は「男のロマン」的な内容になった。
司馬遼太郎先生には及ぶべくもないものの、
そんな壮大な戦いの歴史を紹介した。

最終的には劉邦が項羽を破って漢王朝をうちたてるのだが
考えれば考えるほど対照的な2人

始皇帝を見た時の感想も
劉邦「やっぱ男はああなりたいもんだ(っていうか皇帝になってみて~)」
項羽「いつかヤツに取って代わってやる!」と、ずいぶん違う。

戦い方も、
項羽「城があるなら、攻め取るのが当たり前。敵は徹底的にたたくのが普通」なのに対し
劉邦は、韓信や張良、陳平などを使って
「無理をせずに、戦わずにすむならそれが一番、味方に引き込めればなお可」という立場を貫いた(基本的に劉邦は何もしていないが…)

部下に対してもそう。
項羽「俺が先陣きっちゃる!! だからお前ら俺の言うこと聞いてろ!!!」に対して、
劉邦「何でおれが先陣? 他に強い奴イッパイいるじゃん!! っていうか、皆俺より頭いいんだから、やってよ」
という理念。で、できる奴にはきちんと評価する、
というよりは、この人の場合、できる人に感動するんだな。

結果として、劉邦のところに人が集まり
項羽からは、人がどんどん離れていった。

それが最終結果の大きな要因になっている。

特に項羽の最期の言葉
俺が弱いんじゃない、天が俺を滅ぼそうとしてるんだ!!
最後の最後になっても自分の誤りを認めない、
というか気付かなかった項羽。

中国史上最高の歴史学者にしてジャーナリスト「司馬遷」も
その功績を認めながらも、冷静に、鋭い批判をしているのも
つい「ウンウン」と頷いてしまう。

何をなすのも、「人を味方につける」こと
そしてそのため必要なのは「力」ではなく、「魅力」
だということを示すストーリーなのではなかろうか。




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