北京流行音楽節の2daysが終わった。
DHATが出演できなかった事で、憤懣やる方ない気持ちと無念が交錯し、
もし彼らが出てたらどうなっただろうかと常に「たられば」を考えながら見ていた。
しかし、色々問題はあるにしても、フェス自体は最高だった。
会場から溢れんばかりの観客に、これまでの中国では考えられない外タレ。
ケンイシイを始めとするDJが盛り上げたサブステージや、
海外から一流のプロを招いたスノーボードのジャンプステージは、
チケットが無くても楽しめ、ロックに限定されないお祭りとしてのフェスの有り方。
そして、気持ちの良い秋晴れと夜空に輝くまん丸な月。
紛れも無く、今の中国でNO.1のフェスだと言える。
それだけに、なおさら気持ちを切り替えられなかった……
さて、いくつか気になった点を。
去年も同じだったけど、ステージ前に20mのVIP席があって、
観客とアーティストの間に無駄な空間が出来てしまっていた。
下がコンクリートで危ないからという理由で、
人を入れてはいけないと公安当局からお達しが有り、
主催側も散々悩んだ末の苦肉の策であの意味不明なVIPスペースを設けたのだという。
でも、本来はメディアやバンドの関係者しか入れないはずのこのスペースなのに、
結局、トリ近くなると何処からともなく沢山の人が集まってきて、
それがますます後にいるお金を払ってフェスを見に来ている人達の反感を買っていた。
それから、このスペースでは、
椅子から立ち上がって盛り上がる観客と、
それを無理やり座らせようとする警備員とのいざこざが絶えなくて、
上記の理由から、理屈は分かるものの見ていて気持ちの良いものではなかった。
PAが観客の前にあるっていう変な設定も同じ理由で、
芝生の上に足場を組むのは危ないからだとか。
また、制服警官や警備員の量も半端じゃなかったけど、
招待チケットも随分持ってかれたみたいで、
きっと観客の中にもいっぱい公安関係者の家族なんかが紛れていたんだと思う。
結局日本のバンドが出演できなかったのも公安当局からの【懸念】だし。。。
観客も主催側もかっこいいロックフェスを作りたいって心底思ってるのに、
結局は公安がイベントの警備の責任を担うって事が、全ての根底にあるのだと思う。
ただ、観客側にも問題はある。
イベントに行く時に、まず知り合いを探してタダで入る事を画策する輩、
ミュージシャン同士や関係者の繋がりで潜り込もうとする輩、
そして、顔パスが当たり前だと思っている輩、、、
そんな習慣が蔓延しているのも中国で興行が成功しにくい大きな問題。
音響の悪さとかのハードの問題は、いくらでも解決方法はあるけれど、
そう言った問題はなかなか解決策が見つかりにくい。
経験を積み上げ、皆で考えて、皆が理解していかないと行けない。
それはとても大変な事だと思う。
ただ、希望が無いわけじゃない。
みんな最高のロックフェスを夢見て頑張っているから。