自ら首を絞めている状態。
これから書く事はあくまでも僕の発想です。
誰かがそれは違うと思うのならそれはそれで良いでしょう。
ここはあくまでも僕のブログなので、率直な思いを書きます。
まず昔話で申し訳ありませんが、
僕が初めて写真のコンテストに応募したのはたしか中学生の時だったと思います。
大手新聞社のコンテストで間違って大人の部門に投稿しましたが2位になりました。
当時のフィルムカメラ・オリンパスOM-1で撮った交通事故現場の写真でした。
「…撮影者は冷静かつ客観的に事故現場を観察しながら、素晴らしい構図とユニークな視点で切り撮った…。」
いまでも審査員のその批評文は覚えています。
その言葉は僕のその後に大きな影響を与えてくれました。
とても感謝しています。
そして時は流れて美瑛町に住んでから、プロになるために、
国内のある大きなコンテストに投稿しました。
実はその時にとても驚いた事がありました。
予選を通過したという知らせがあり、その電話で、
「あなたは…先生のお弟子さんですか?」たしかそんな事を尋ねられたのです。
「いいえ違います。」そう答えると、
「それではどなたが先生(師匠)ですか?」
「いいえ、僕は誰にも師事していません。」
そんな会話をしました。
結局、そのコンテストは予選を通過した後落選しました。
実はこれには後日談があります。
ある日僕の宿に泊まったお客様が実はこのコンテストに関わっていました。
彼は大手広告代理店の幹部で、また無類の酒好きで、夕食後Barに来て相当飲みました。
そしてあるきっかけでそのコンテストの話になり、
その選考基準を聞かされました。
「・・・あのコンテストはまず裏を見るのさ!」
「ええ!どういうことなんでしょうか???」
「つまり写真なんか見ないんだよ!まず一番最初に見るのは裏に貼られたあなたの経歴。」
「あなたが誰に師事しているか?つまりあなたの先生は誰か?…それが大切なんですよ。」
その後、僕は彼の話がもっと聞きたくて、おだてて、高級な酒をタダで振舞いました。
そしてここではとても書けない様な事実を知りました。
早い話が数年前に「日展」が金権コンテストで大きな問題になりましたが、それと同じでした。
そういう世界と普通に接している彼の様な広告代理店の人達の感覚も、
僕には理解出来ませんでしたが…。
話を聞いたその夜、とても眠れませんでした。
…そして一人でBarに戻り酒を飲みながら、自分に言い聞かせました。
「俺はこんな島国の腐ったコンテストに二度と投稿しないぞ。俺は世界に出る、世界で自分の実力を試す!」
そう決心したのを今でもハッキリ覚えています。
日本の写真のコンテストも少なからずそんな問題があるのです。
それは島国日本の体質と言えるかもしれません。
とても狭い閉鎖的な世界なのです。
さて、デザイナーの佐野研二郎氏についてですが、
エンブレム使用を辞退しました。
今後大金と名誉が入る勲章を自ら辞退したのです。
僕はその時点で「彼は黒!」そう思いました。
彼は家族やスタッフを守るためと言ってますが、
もし本当にそう思うなら、
『絶対に辞退すべきではなかった』
もしアーティストとしてあるいはプロとして、
高い誇り・プライドがあるのなら辞退しないはずです。
ただしそれは彼の作品が彼自身のオリジナルである場合です。
もし僕が彼なら、そして本当に自分のオリジナル作品なら、
僕は絶対に自分から辞退などしません。
大会組織委員会から「使用出来なくなった」と言われるのは仕方無いでしょうが、
もし潔癖なら、本当に白なら、家族やスタッフを守りたいなら、
辞退するのはおかしいです。
彼は黒だと僕は思います。
だから辞退出来るんです。
無断転用した画像で、しかも加工までして、
使用イメージを作った事を彼は認めました。
そんな事を一流のアーティスト、プロがしますか?
「この程度なら問題ない。」そう考えてスタッフにさせたと思います。
スタッフを守ると言ってますが、このまま続けたらスタッフが取材を受けて、
本当の事をしゃべる事になったかもしれません。
辞退した一番の理由は自分自身の保身でしょう。
海外で訴訟まで起こされているのですから、
盗作・盗用したなら辞退せざるをえない。
そういう事でしょう。
情けない話です。
そしていずれにしましても、
日本は世界に醜態をさらしました。
願わくば、今回の事を教訓にして、
少しは腐った島国根性から脱して欲しいと思います。
また審査は当然ながらオープンにすべきです。
そもそも原案を修正しなければいけない様なコンテストってなんですか?
そんなコンテスト聞いたことないです。
その時点でおかしいでしょ!
・・・・・・・・・・・・・
最後になりましたが、
僕程度の写真家にさえ、色々広告会社からアプローチがあります。
ある自動車会社で・・・を僕の写真を使って創りたいと言われました。
しかしその完成予想作品を見てデザイナーの力量が分かりました。
あまりのレベルの低さに唖然!
子供のお絵描きだろ?
そんな作品(作品などと呼べないレベルです)を見て、
高級なカメラやレンズが買える様な金くれても、
二流の仕事に僕の作品は使わせない!
そう思いました。
それが下の作品(車の部分はボカしています)
僕はこんな仕事を受けたくないし、
そこまでするプロにはなりたくない。
僕にとって写真はとても大切なものだから。
そんな仕事を受けたくないから宿業もしています。
自分を安売りしたくないです。
そう言えば、毎年春に、
僕の作品を使わせて欲しいと、北海道のデザイナーが言って来ます。
道内のコンペに出す作品を創る様です。
しかし毎年その創った作品を僕に見せた者はいません。
この佐野氏もそうですが、デザイナーの皆さんは写真の価値を低く見ている様な気がします。
だから簡単に写真の無断転用出来るのかな?
そもそも意識がそのレベルなんでしょう。
僕は今後、自分が認めたデザイナー以外、一切僕の写真を使用させません。
そう決めました。
結論:
いつも書いている通りですが、
意識が大切だと思います。
本物の一流は意識が違います。
アーティストはもちろんですが、コンペの審査員も意識の違いは大きいです。
そして今後は、審査それ自体をもっともっとオープンにすべきです。
そうしなければ、世界に通用するアーティストが育たないでしょう。
何らかの利益を自分達で回すためにコンテストがある。
そう思われる様なやり方をすべきではないです。
少なくとも僕はそう思います。
追伸:
先ほど大手広告会社の方からメッセージを頂きました。
「実は広告業界では内部のプレゼンにWeb上の画像を無断で使うのは普通なんです。
佐野氏も広告会社の出身ですからそれをした事に罪悪感はなかったでしょう。
ただそれを外部に出したのは問題ですね。
まあ今後は一般の方の眼も厳しくなり、広告業界も考え方を少し変えなければいけないかもしれませんね…。」
少しではなく大きく変えるべきだと思います。
著作権を軽視したその考えこそ島国根性です。世界では通用しません。
ついでに書きますと、
上で僕が投稿したコンテストについて話してくれた広告会社の方は、
「あなたがプロになりたいなら、入賞したいなら、**先生を紹介してあげます。お金はかかりますが…。」
そういう話もされました。
僕は丁寧にお断りしましたが、
日本では書道、絵画等も含めてそんな事はあたり前で驚く事ではないとも言われました。
まさに島国日本でしか通用しない発想ですね。
僕はさっさと世界に出て、あなたがた広告業界と関わらなくて良かったと思っています。
これからも出来る事ならあまり関わりたくないですね。
(#^.^#)
ケント白石
北海道を世界に売り込む侍写真家
★ケント白石 写真家のCafe「てふてふ」
Open Time : 13時~22時 不定休 写真術講座開講中
Tel:0166-92-5137
撮影で不在の時があります。出来れば来店前にお電話下さい!
Professional & SAMURAI Photographer Kent Shiraishi
ケント白石 写真家の宿「てふてふ」
★Facebookページ
「Kent Shiraishi Photography」
「Google+」
ブログ村「写真講座」ランキングに参加しております。
今回の内容がお役に立ちましたら一票投票お願いします。出来るだけ多くの方に読んで頂ければと思います。
下記「写真講座」ボタンクリックで一日一回だけ投票できます。