えんじゃけん

「ロープ」~その2~

昨日、幸いなことに、二度目の「ロープ」を観ることができました。
以前に感想はここ
■「ロープ」
http://blog.goo.ne.jp/chikuwa_bu/e/1fc292a8c1074db5a7308fcbf9a24d4f
で書いたわけですが、追加の感想(メモかな?)を。

ラストのシーンで、ヘラクレス(藤原竜也)が、
タマシイ(宮沢りえ)に、ご飯を差し出すところがあるんですよね、
リング下に隠れているタマシイに。
そのご飯をさし出したあとに、ヘラクレスはあることをないことにした
リング外の世界へ旅立つ(部屋を出て行く)ような終わりなんだけど、
ヘラクレスが部屋を出てしばらくすると、リング下からヘラクレスが
差し出したご飯だけがゆっくり戻されるんですよね。
そこで暗転で終わりとなります。

前回見たときは、なんとなくあわてて会場を去ってしまったので、
そのご飯の食器の中身が食べて空なのか、それとも食べずに
残っているのかが気になっていたんですよね・・・。
それで今回は見ないとなぁと思って終演後、舞台によって近寄って
観てみると、残ってました。食器の中身。

「なんで、食べずに戻しているんだろう。ヘラクレスを受け入れられない
ってことなのかなぁ。」
と私がぼやくと、一緒に言ってた人は、「あれが、給食だからだよ。」
と言いました。
たしかに、そのご飯の器っていうのが、昔の給食の銀の食器だったんですよね。
最近の学校では、銀の食器では味気ないということで、磁器に変わりつつ
あるので、あんましなんとも思わなかったんですけど、日本の給食が
始まり始めたころの食器でヘラクレスとかは食事してたんですよね。

学校の給食・・・つまりは終戦後のアメリカのほどこしの象徴。
それをタマシイは受付なかったのでは?ということを一緒に行った人は
言ってました・・・・なるへそなぁと思いました。
そういえば、「オイル」のときも、よくも平気でチョコレートを食べたり、
ガムを噛んだりできるなぁってようなセリフがあったような気がします。
そういうニュアンスなのかなぁと思いました。

あと、ヘラクレス信長の信長についてもその人が語っていたんですけど、
信長は昔、朝鮮に攻め入ったこととかあるそうです。
それで殺した証拠に耳を殺ぎとって持って帰ってくるようにいっていた
そうです。そういうことも重ねているとその人は語ってました。

この芝居、二回目に観ると一回目ほどの衝撃はないものの、
でも、本当によく考えられた脚本なんだなぁっていうことが、よく分かります。
最初の方のシーンから沢山の伏線があって・・・よくもあんな短い時間に
これだけの伝えることが詰め込めるものだと思いました。
野田秀樹といえば、言葉遊びがひとつの面白さであったんですけど、
最近はあまり、その言葉遊びというものが減ってきています。
なんでかなぁ、あんまし思いつかないのかなぁとか思っていたんですけど、
昨日、一緒に行った野田フリークのお話によると、最近はパソコンが
出てきて、自分が考える以上にパソコンの変換で言葉遊びがどんどん
できてしまうからなんだそうです。
もう、とにかく一緒に行った人は昨日の舞台は絶賛絶賛、絶賛の嵐でした。
「野田秀樹、もう、世界一の天才じゃわ~~~。」ってな具合に。
でも、本当に今回の舞台はより多くの人に観てほしいと思える舞台。
特に今の時期、今だからこそ、私たちは見る必要を感じるような舞台。
東京公演だけなんて本当にもったいない舞台です。

■ロビーでの変化
ロビーで前行ったときにはなかったものが(確かなかったような)ありました。
会場入り口、入って右手にそれはあります。
それは何かというと、藤原竜也のカレンダーを売ってました!!
値段は2000円台。(はっきり覚えてなくてすいません)
会場で買うと特典で藤原くんの小さな写真フィルムつきです。
恥ずかしいけど、近寄って観てみようと思い、照れながら
じりじりよっていると(←とっても怪しい)「○○さん?!」と
話しかけられてびっくり!!
知り合いが劇場に来ていました。
あぁ、じりじり寄っていてとっても不審者だったろうな、私。
だって、誰も近寄ってないから売り子さんに話しかけられそうで
恥ずかしかったんだもん。
けど、その後はまるでそんなことはなかったかのように、
普通に接していた私でした。(たぶん、そうしたつもりなんだけど)

■役者の変化
宮沢りえの実況が上手になっていました。
メリハリが利いていました。
しかし、一緒にいった人は「ボイストレーニングをすればもっと
よくなる。ボイストレーニングの必要があるな。」と言ってました。

渡辺えり子が一回目見たときは、一番最初に野田の頬をたたくときに
思いっきりたたいてめがねも飛んで相当痛そうだったのが、
今回はそんなでもなかったので、手加減してるんだなぁと思って
見ていたんですけど、他のシーンで、「おまえを愛してるから~」
かなにか、そんなニュアンスのことを言って、野田秀樹が渡辺えり子の
胸の谷間に顔をうずめるシーンがあるんですよ。
すると渡辺えり子が野田の顔を胸に押し当てたまま押し倒して
上から完全に覆いかぶさって体をクネクネするところが
あるんですけど、かなり野田さん苦しそうでした。
そのあとに、歯に何かが当たったのか、ひっかかったのか、
野田さんが笑いながら歯を触ってました。
それを渡辺さんもみて思わず噴出しそうになっていました。
迫力でした。

ということで、私の2007年の舞台初めは「ロープ」です。
今年も「ロープ」のようないい舞台に沢山出会えるといいなぁ。
とにかく「ロープ」はおすすめです。
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