竹林亭白房

三枝(六代文枝)「大・大阪辞典」@演芸図鑑★落語

□本日落語一席。
◆桂三枝(六代文枝)「大・大阪辞典」(NHK総合『桂文枝の演芸図鑑』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和3(2021)年1月3日OA。
「大・大阪辞典」は、2018年に「NHK上方落語会」、2019年に「平成紅梅亭」で、それぞれ聞いている。どちらの落語会もトリだったろうから、時間はじゅうぶん(三十分くらいか)あったので、最初から最後までしっかりと聞けた。
しかし、今回は『演芸図鑑』である。自分がホストといっても、演芸の出演者がもう一組あるし(今回はハマカーン)、また、ゲストとの対談コーナー(今回は館ひろし)もあるので、やはり時間は十分程度だったか。最後は、「わあわあ言っております……」という上方落語特有のドガチャガパターンで収めてしまった。
中途半端に終えるくらいだったら、もっと短くまとまるネタのほうがよかったような気もするが。「読書の時間」とか「宿題」とか。

大阪人の夫と東京人の妻という夫婦の話である。したがって、三枝(六代文枝)は妻が話すときは、標準語になるのだが、しかし、語彙は標準語の範疇でも、イントネーションの端々に出てしまう大阪言葉はどうしても隠しきれない。
三枝(六代文枝)も、それを自覚してか、妻は夫とくらしているうちに、変な大阪弁がうつってしまったということにしていたが、噺の展開で妻がうつったというのは、ほんとうに変な大阪弁であって、大阪弁としてもあり得ない妙な言葉づかいである。だから、妻がうつっていない話しかたをしているときに、ふと三枝(六代文枝)の口からは自然な大阪弁イントネーションが出てしまうのである。

これはしかたのないことだし、逆にこれが東日本で養育期に言葉の土台ができてしまった自分などには、なかなか自然にまねできるものではない。つまり、四十年経っても、このイントネーションだけはけっしてネイティヴになれない。中国語の四声を完全にマスターできないようなものである。
ちなみに、四十年くらしてもなかなか大阪弁のネイティヴになれないという主旨の短歌を詠んで、今年の「第22回NHK全国短歌大会」に入選しているのだが、大会のある1月23日までには発表しないことという規約があるので、作の紹介はいずれまた。

大阪市の地下鉄では、各駅で目の不自由なかたのために、要所要所で音声ガイドがかかる。天王寺駅の音声さんはたぶん標準語でアナウンスしているつもりだと思うのだが、「壁に向って、○○メートルに……」というときの、「壁に向って」というところだけが、完全に大阪弁イントネーションなので、いつもその近くを通るとおかしくてならない。
他のどの駅でも「壁に向って、○○メートルに……」というガイドはあるのだが、あの大阪弁イントネーションは、今のところ天王寺駅でしか聞いたことがない。まさに、「大・大阪辞典」に出てくる、三枝(六代文枝)が語る妻の言葉づかいと同じなのである。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る