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竹林亭白房

文珍「ヘイ!マスター」★落語

□本日落語三席。
◆春風亭一之輔「初天神」(NHK総合『林家正蔵の演芸図鑑』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和5(2023)年1月29日OA。

◆桂文珍「ヘイ!マスター」(日本文化チャンネル桜『落語動画』)。
有楽町朝日ホール、平成12(2000)年11月25日(朝日名人会番外「桂文珍東京独演会2000」)。
平成22(2010)年の9月に読売テレビで『桂米朝受賞記念特番』があった。これは前年の平成21(2009)年に文化勲章を受章した記念番組である。そこでOAされたのは、この年から十年ほどさかのぼる平成12(2000)年の高座だった。読売テレビスタジオ、平成12(2000)年3月11日のものと鑑演記録にあるから、『平成紅梅亭』だろうか。

このとき、米朝はマクラで「私のところはいたって日本のお古いお噂で……、のようなことを言ったあと、演目について『キャメル』と言いますが……」と言うと、客は大爆笑。
そのとき、なんでこんなに大受けするのだろうと思って、これを聞いたあと、当日の他の演者による口演を調べると、米朝の前に文珍があがって「ヘイ!マスター」というのを演ったことと関係するのかなとメモしていた。

自分はそのとき文珍の「ヘイ!マスター」は知らなかったけれど、たぶん英語がふんだんに出てくる落語なんだろうなという推測だけでとどめていた。
そのことをすっかり忘れていたが、十三年の歳月を経て、今日初めて「ヘイ!マスター」が聞けたというわけである。

確かに、文珍はこの落語をマクラこそ日本語で語ったが、本編に入ってからはずっと英語で演じた。しかも、誰にでもわかるような中学英語程度の語彙を用いた平易な英語だ。
内容は、外語人旅行客がうどん屋へ入って、そこの店主とやりとりするもの。唐辛子を入れ過ぎたりなどは、「親子酒」(上方版)を知る落語ファンなどにとっては、パロディとしても楽しめる噺になっている。

で、最後に勘定する段になって、日本通の外国人は落語の「時うどん」を思い出し、「1dollar、2dollar……」と数えたあとに、「Hey! master,What time is it now?」と尋ねるが、「時うどん」のアホと同じような過ちをして、店主から「アホンダラー」と言われるのが落げ。

なかなかよくできた落語だ。それにつけても、これをアドリヴでうまく利用した、七十五歳の米朝のクスグリはたいしたものだ。七十代なかばはまだそうとう元気だったことがわかる。
当時のメモに、米朝はあまりにウケ過ぎてとまどっていたと書かれている。

◆『笑点』大喜利:春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・立川志らく(ゲスト)・林家たい平・林家木久扇・三遊亭好楽・桂宮治(日本テレビ『笑点』第2845回。
後楽園ホール、令和5(2023)年1月29日OA。
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