□本日落語二席。
◆五代目柳家小さん「長屋の花見」(衛星劇場『衛星演芸招待席』※名人傑作選)
上野鈴本演芸場、NHK教育『日本の話芸』平成3(1991)年4月5日OA。
五代目小さんの得意ネタの一つだったとされる「長屋の花見」。しかしながら、遅れて落語マニアになった自分としては、今日これを聞くのが二回めである。初めて聞いたのは、もう十五年ほど前である。玉置宏がNHKラジオ第一でやっていた『ラジオ名人寄席』だった。
◆五代目柳家小さん「長屋の花見」(衛星劇場『衛星演芸招待席』※名人傑作選)
上野鈴本演芸場、NHK教育『日本の話芸』平成3(1991)年4月5日OA。
五代目小さんの得意ネタの一つだったとされる「長屋の花見」。しかしながら、遅れて落語マニアになった自分としては、今日これを聞くのが二回めである。初めて聞いたのは、もう十五年ほど前である。玉置宏がNHKラジオ第一でやっていた『ラジオ名人寄席』だった。
落語の聞きかたも、折にふれ変化してきたかと思う今になってあらためて小さんの得意ネタを聞くというのも、それなりに趣のあることだ。
この淡々と語る小さんの芸風は、当時の落語家に多い考えかただったろうが、あえて客を笑わせようとしているものでないことがわかる。
問答のような言いかたに聞こえるかもしれないが、演者が笑わせようとしているのではなくて、落語の登場人物が間の抜けたことを言っているだけなのである。もちろん、登場人物も誰かを笑わせようとしているわけではない。ただ、それがはたから聞いている者にしてみたら、ただなんとなくおもしろいことを言っているという、それだけのことだった。
この淡々と語る小さんの芸風は、当時の落語家に多い考えかただったろうが、あえて客を笑わせようとしているものでないことがわかる。
問答のような言いかたに聞こえるかもしれないが、演者が笑わせようとしているのではなくて、落語の登場人物が間の抜けたことを言っているだけなのである。もちろん、登場人物も誰かを笑わせようとしているわけではない。ただ、それがはたから聞いている者にしてみたら、ただなんとなくおもしろいことを言っているという、それだけのことだった。
昨今の落語家には、漫才のM1出場者のように、目の前にいる人をとにかく笑わせなければならないという、強迫観念のようなものさえある気がしなくもない。そのくわだてに失敗することを「スベる」という。しかし、上記の考えから言えば、五代目小さんの落語には「スベる」ということ自体があり得ない(=そのような概念が存在しない)のである。
◆桂福團治「藪入り」(J:COMチャンネル『J:COM寄席』)。
DAIHATSU心斎橋角座、令和2(2020)年1月1日(「新春揃踏角座落語づくしの会」)。
DAIHATSU心斎橋角座、令和2(2020)年1月1日(「新春揃踏角座落語づくしの会」)。