竹林亭白房

三代目金馬「防空演習」★落語

□本日落語三席。
◆入船亭扇遊「狸賽」(NHK総合『林家正蔵の演芸図鑑』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和5(2023)年1月22日OA。

◆三代目三遊亭金馬「防空演習」(日本文化チャンネル桜『落語動画』)。
※公演情報不明。
マクラで「今から十年ほど前には、こんなこともありましたが……」のようなことを言って、語り出すのが、この「防空演習」という落語。金馬による新作なのだろうか。「今から十年ほど前」と言うからには、どうやらこの高座は、昭和30年代の前半か、20年代末かといったあたりだろう。作ったのはというと、内容から微妙だが、戦時中だろうか。
……と考えつつ、もしやと思って、川戸貞吉『落語大百科』を繙くと、なんとこの項目があった。

同書によると、この噺の作者は押絵師の大貫清花で、「東宝名人会のプログラムによれば、すでに昭和十四年に三代目三遊亭金馬によって演じられている」とある。ただ、これが金馬以外の落語家にも掛けられたものかどうかは不明。
いずれにしても、戦時中に作られたもののようで、このように時局に応じて作られた一群の落語を「国策落語」と呼んだらしい。

ただ、当の金馬は、これを、今回聞いた音源でわかるように、戦後もひき続き演り続け、「国策落語」と言われることを否定して、「ときの政府をからかい皮肉った噺だ」と主張していたらしい。なるほど、こういう金馬の演りかたで、自分は、これができた時期が戦時中なのか微妙だと感じたわけだ。

内容は、防空演習をするというので、長屋の大家から店子たちが呼び出されるという展開だが、このあたりは「長屋の花見」をそっくりまねて作ったかのようである。

◆『笑点』大喜利:春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・立川志らく(ゲスト)・林家たい平・林家木久扇・三遊亭好楽・桂宮治(日本テレビ『笑点』第2844回。
後楽園ホール、令和5(2023)年1月22日OA。
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