竹林亭白房

八代目圓太郎「操競女学校 お里の伝」★落語

□本日落語二席。
◆八代目橘家圓太郎「操競女学校 お里の伝」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和3(2021)2月24日(第632回「TBS落語研究会」※無観客)。
三遊亭圓朝作である。以前、立川ぜん馬で一度聞いたことがあるだけ。昭和の名人は六代目三遊亭圓生が演ったと、川戸貞吉『落語大百科』にある。

ぜん馬のものより、今日聞いた圓太郎のほうが、お里と岩淵伝内の仇討ちの描写が細やかだったように思う。剣術の戦略的な描写も具体的で、そこを語る段で、喧嘩の殴りかたについては鈴々舎馬風に教わった、剣の間合いについては五代目柳家小さんに聞いた、ゴルフの打ちかたについては古今亭志ん朝に習ったなどというギャグを入れるアクセントもおもしろかった。

やはり圧巻は、討たれるがわの岩淵の心理描写が実にリアルで聞きごたえがあるところだ。たとえば、一度はお里が斬られかかって手当てをしているあいだに、お里の師匠永井源助が場をつないで岩淵の相手をするというときの岩淵の動揺が描かれていてみごとだ。

また、お里が小泉文助と名をかえて旗本屋敷で用人をしている際に、そこへ奉公として入ったお里が仇討ちの相手ではないかとさぐる際の、お里のふるまいと言葉に緊張感のある展開も秀逸である。

なかなか難しい落語だと思われるが、当代の実力巧者にももっと演じてもらって聞きくらべてみたいものだと思われる。

◆『笑点』大喜利:春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・三遊亭好楽・林家木久扇・二代目林家三平・六代目三遊亭円楽・林家たい平(日本テレビ『笑点』第2776回)。
日テレ麹町スタジオ、令和3(2021)年9月12日OA。
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