竹林亭白房

咲之輔「紙入れ」@上方落語の会★落語

□本日落語二席。
◆桂團治郎「看板のピン」(NHK大阪放送局『とっておき!木曜笑タイム』)。
NHK大阪ホール、令和3(2021)年7月1日(第417回「NHK上方落語の会」)。

◆桂咲之輔「紙入れ」(NHK大阪放送局『とっておき!木曜笑タイム』)。
NHK大阪ホール、令和3(2021)年7月1日(第417回「NHK上方落語の会」)。
自分が落語を聞き始めた1990年代後半ころ、上方で「紙入れ」を演る落語家はそう多くなかったように記憶している。「紙入れ」というと、もっぱら東京の落語家が演るネタという印象が強かった。
上方で誰の「紙入れ」を最初に聞いたかはわからぬが、いちおう「日記」で確認して、いちばん古いものというと、2005年10月の桂珍念だった(第380回「田辺寄席」)。はたして、それ以前にも誰かで聞いているものかどうか。それ以後も、さほど頻繁に聞いていないということは鑑演記録でわかる。

それがここ十年くらいとなると、頻繁に上方の落語家による「紙入れ」を聞くようになる。ちなみに、今日の咲之輔でもこれで二度めである。これもやはり落語界の東西交流の賜物であろうか。それを反映してか、上方の落語家が演る「紙入れ」は東京の落語家が演るそれとほぼ同じ型である。

『増補 落語事典』によると、「紙入れ」も、もとは上方落語だったらしく、落げも、旦那が間男の前に顔をさし出して、(間男された女房の亭主は)「おおかたこんな顔しとるやろ」と言うものらしい。一度、純粋な上方版の「紙入れ」を聞いてみたいものだ。または、速記などでも。

間男ものの落語というと、「庖丁」も上方由来だが、その後ほぼ東京落語として定着している感がある。また、東京落語に移植されてはいないようだが、上方落語「茶漬け間男」も、現在さほど多くは上演されていない。上方では間男ものがあまりウケなかったのだろうか。
風土的には、なんとなく東京(江戸)よりも、上方のほうでウケそうな落語ネタだと思うのだが。このあたり、なんか調べたらおもしろいことでもわかるだろうか。
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